モーリアック(Mauriac)<1>

2022年8月15日(月)の最後、三番目に訪れたのは Mauriac。Basilique Notre-Dame-des-Miraclesです。

ここは、内観の注目は柱頭彫刻と洗礼盤です。外観の注目は後陣の持ち送りと柱頭彫刻、西扉口です。つまり、見どころ満載。

見どころ満載なので、以下のように2回に分けて書きます。
<1>概要と内観
<2>外観

Mauriac へ

夫と私はアリー(Ally)から北に12分ほど車を運転して、大きな広場のある町に着きました。14時半頃のことです。

Basilique Notre-Dame-des-Miracles(南西側外観)

教会の中に入ります。

Basilique Notre-Dame-des-Miracles の概要

教会の中に案内ファイルがありました。一部を抜粋して太字で和訳します。

奇跡の聖母マリア教会
1921年に教皇ベネディクト15世によって小バシリカとなった教会は、オート=オーヴェルニュ地方で最も大きく美しいロマネスク建築のモニュメントとされている。
ラテン十字形で、長さ35m、幅13m(第5湾)、高さ14m(身廊)、高さ17m(ドーム)である。三つの身廊と五つの柱間があり、厚いアーチが樽型ヴォールトを支えている。後陣は二つの小後陣によって完成されている。
聖テオデキルドの礼拝堂の跡地に建てられたもので、当時は教区教会として使用され、広場の反対側にある聖ペトロ修道院の修道士が奉仕していた。
クワイヤと交差部は11世紀末のものであり、身廊は12世紀末に完成した。
特徴的なのは、中央の身廊が、丸いアーチ型の窓から直接採光されることである。
後陣、交差部、西扉口は、19世紀の改築を免れた。その後、側面の壁と鐘楼が再建され、現在の八角形の鐘楼が完成した。この鐘楼は、革命時に取り壊された鐘楼の代わりに建てられたものである。二つの四角い塔は17世紀に建てられた。

奇跡の聖母の伝説についても書いてありました。

物語の舞台は6世紀。
クロヴィスと聖クロティルドの娘(孫娘?)テオデキルドが、オーヴェルニュの土地を訪ねてきた。そこで、2晩続けて「天から降ってくるような明るい光」を見たのだ。祭壇のような石のそばに、子連れの獅子がいて、彼女が近づくと離れていった。そして夢の中で、聖母マリアが幼子イエスを抱き、使徒ペロに連れられて、明るい光が現れた森の中の場所に向かっているのを見る

テオデキルドは天の意思を理解し、メルクリウスに捧げられた古い神殿の代わりに聖母を称える礼拝堂を建てることにした。祭壇には、クロヴィスが送った(あるいはこの地で作った)聖母像が置かれた。このとき現れた光を偲んで、彼女は像の前に昼も夜も蝋燭を灯すように命じた。これはその後1300年間にわたって行われた。革命が起こるまで。

フロアプラン

教会の中の案内ファイルにフロアプランがありました。東が上です。

教会の中の案内ファイルにあったフロアプラン

Basilique Notre-Dame-des-Miracles の内観:全体

教会の中の、全体の様子。

Basilique Notre-Dame-des-Miracles(内観、身廊にて東を向く)

内部では、柱頭彫刻と洗礼盤がみどころです。

洗礼盤

完全に特別扱いで、照明を当てられていました。

12世紀の洗礼盤です。

案内ファイルには、14の円弧に分けられ、それぞれ洗礼に関連する彫刻が施されているが、最後の二つは職人を連想させるものである。とありました。

ルカ(雄牛)、マルコ(獅子)、マタイ(翼の人)。

ヨハネ(鷲)、十字架、ドラゴンを倒す聖ミカエル。

イエスの洗礼、1人の聖人、ニンブスを持つ3人の洗礼。水の表現が興味深いです。

天使、神の仔羊。

イエス、道具を手にする職人、職人の道具。イエスだけ円弧の装飾が豪華です。

確かに、最後の二つは職人を連想させるものでした。

技術だけでなく資金も提供したのでしょうか、、、寄贈者のような扱いですよね。

柱頭彫刻

なんとも印象的な彫刻が多いです。

重い財布を首にさげているのは守銭奴でしょう。蛇がいっぱいです。

上半身が女で、下半身が動物。

同じ柱頭の別角度には、髭の男がいます。

鷲たちの柱頭の隣には、変な尻尾を持つ人の顔をした生き物たち。

動物たちの柱頭の隣には、体をくねらせた人がいます。

同じ柱頭の別角度には、髭の男が体をくねらせています。

山羊たち?

人の頭をなめるライオン?

男と女がいて、女が木の実を持っています。アダムとエバ?

天使の隣で、楽器を演奏しています。手は腰。

ユニークなキャラクターがいっぱいいました。

内観の最後に、目線を落として、柱のベースをみます。

柱のベース

ほれぼれとするような組み模様があるかと思えば、

こんなかわいらしい動物たちがいました。

見逃せませんよね。

次回、外観です。

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