グレーヌ=モンテギュ(Glaine-Montaigut)

2022年8月8日(月)の最後、四番目に訪れたのは Glaine-Montaigut。Église Saint-Jeanです。

ここは、すごくかわいい猿の柱頭彫刻があります。猿の他にも、伝統的なオーヴェルニュのロマネスク様式のテーマにそった素晴らしい柱頭彫刻があります。

Glaine-Montaigut へ

私はサン=ディエ=ドヴェルニュ(Saint-Dier-d’Auvergne)から北西に18分ほど車を運転して、丘の上の村につきました。16時頃のことです。

Église Saint-Jean(西側外観)

外観をみます。

Église Saint-Jean の外観:全体

クリアストーリー(採光用の高窓が並ぶ側壁)には、ロマネスク様式の小さい窓があります。

Église Saint-Jean(南西側外観)

後陣は暖かい色の切り石が丁寧に積まれていて、三後陣が美しいです。

Église Saint-Jean(東側外観)

北側からこうして見ると、後陣と身廊・側廊とでは建築が違うなと、はっきり感じます。

Église Saint-Jean(北側外観)

後陣は大きく美しい切り石が整然と並んでいるのに対して、交差部と身廊はより小さい石がより不規則に並んでいます。

教会の中に入ります。

Église Saint-Jean の概要

現地には、教会の概要(歴史や建築に関する案内)は、みあたりませんでした。ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』による案内の一部を抜粋して太字で和訳しつつ、私が撮影した写真を載せます。

2回に分けて建設され、第一次である身廊と交差部の建設は、オーヴェルニュのロマネスク芸術が模索された時期(11世紀前半)である。その約100年後に行われた第二次の建設では、その努力の末に幸せな結末を迎えることができた。このように、オーヴェルニュのロマネスク美術は、第一次と第二次を容易に比較することができる。漆喰は、非常に古い石組みに新しさを与え、壁や柱に見られる数々の不規則な配置を隠しているのだ。

Église Saint-Jean(内観、身廊にて東を向く)

身廊は樽型アーチ形、側廊は四分円アーチ形。

Église Saint-Jean(内観、南側廊にて東を向く、私が画像を編集して赤い矢印を加えました)

身廊は二重窓になっている。交差部は同時代のもので、ドームと透かし彫りのアーチを備えている。

Église Saint-Jean(内観、身廊にて東上方を向く)

交差部にある柱頭彫刻も良いです。11世紀頃のものかも。

Église Saint-Jean(内観、交差部の柱頭彫刻)

三つの後陣は、軸線から少しずれた位置にあり、小さな直線的な柱間が先行し、明らかに装飾を意識した小さい柱がふんだんに使われている。

Église Saint-Jean(内観、主後陣)

力強いスタイルの柱頭は、オーヴェルニュ地方の伝統的なテーマ(鳩、セイレーン、ケンタウロス、アトラスなど)を取り入れたり、葉をあしらったりしている。

柱頭は、後ほどまとめて載せます。

外観は、均整のとれた後陣が、持ち送りの装飾と、特に素材の美しさによって非常に魅力的である。

Église Saint-Jean(東側外観)

鐘楼は革命時に破壊され、あまり修復されていない

フロアプラン

現地には、フロアプランは、みあたりませんでした。ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』によるフロアプランを載せます。東が上です。

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』より

Église Saint-Jean の内観:柱頭彫刻

現地には、教会の概要に関する案内はありませんでしたが、二つの柱頭彫刻に関する案内は、ありました。太字で和訳します。

一つは、ケンタウロスの柱頭彫刻について。
ケンタウロスは、伝説によるとテッサリア*に住んでいた半人半馬の素晴らしい存在である。ある歴史家にとって、ケンタウロスは、獣性と神性の二重性を示す印象的なイメージである。*テッサリアは、ギリシャのオリンポスの南にある、エーゲ海に面した地域。

Église Saint-Jean(内観、ケンタウロスの柱頭彫刻)

もう一つは、セイレーンの柱頭彫刻について。
隅に位置する二体のセイレーンは、両手に二重の尾を持ち、とても美しい作品である。セイレーンは深海に住んでいる。上がってくると、船乗りを惑わせ、深海に引きずり込む不思議な歌声を発する。そのため、人魚は嘘、魔術、欲望の象徴とされている。このことから、聖ベルナルドはこう言っている。”情念のセイレーンに従うと破滅に至る”

Église Saint-Jean(内観、セイレーンの柱頭彫刻)

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』では、オーヴェルニュ地方の伝統的なテーマとしてセイレーン、ケンタウロスの他に、鳩とアトラスをあげていました。

鳩は、これかな?

Église Saint-Jean(内観、柱頭彫刻)

それとも、これでしょうか?

Église Saint-Jean(内観、柱頭彫刻)

人面と鳥の合体って、すごい。

アトラスは、これかなと思います。

Église Saint-Jean(内観、柱頭彫刻)

私が一番好きな柱頭彫刻は、北小後陣にあります。

Église Saint-Jean(内観、柱頭彫刻)

猿たちです。

Église Saint-Jean(内観、柱頭彫刻)

別角度から。

Église Saint-Jean(内観、柱頭彫刻)

両手足も、表情も、やわらかくて、なんだか笑っちゃいました。

Église Saint-Jean。伝統的なオーヴェルニュのロマネスク様式のテーマにそった素晴らしい柱頭彫刻があります。

Airbnb

この日の見学を全て終えた私は、車で西に約19分移動して、クルノン=ドヴェルニュ(Cournon-d’Auvergne)という町にある Airbnb にチェックインしました。

台所、食堂兼居間、風呂、トイレ、書斎、寝室という間取りの広めのマンションで、無料の駐車場つき。2泊で総額€ 95.22 でした。

Airbnbの台所

台所は自炊に必要なものが全て揃っていて、食洗機も洗濯機もあり、

Airbnbの居間

風呂では、ゆったりのんびり湯船につかりました。

Airbnbの風呂

もちろん、居心地が良かったです。

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