2022年8月6日(土)、二番目に訪れたのは Ennezat 。Collégiale Saint-Victor et Sainte-Couronne です。
ここは、柱頭彫刻にロマネスク美術が残ります。
Ennezat へ
私はトゥレ(Thuret)から南に9分ほど車を運転し、ちょっとした町につきました。12時半頃のことです。
Collégiale Saint-Victor et Sainte-Couronne の概要と、関連する写真
教会の中にリーフレットがありました。一部を抜粋して太字で和訳しつつ、私が撮った写真を載せます。
エンヌザは、アンベヌ川とモルジュ川という二つの川に挟まれたリマーニュ平野に位置する。ガロ・ローマ時代から豊かな農耕地であり、交易の重要な場所であった。
外部建築
身廊、側廊、交差部、鐘楼の構成はオーヴェルニュ・ロマネスク様式である。
教会の中のリーフレットに、フロアプランがありました。北が上です。
一方、13世紀に溶岩で再建された周歩廊と五つの放射状祭室からなる堂々としたゴシック様式のクワイヤは、古いロマネスク様式に取って代わるものである。クワイヤで行われていた修道士たちの礼拝などに、より広いスペースを与えるためであった。
この教会では、ロマネスク様式の厚い壁、開口部、樽形アーチと、ゴシック様式の薄い壁、大きな窓、襞のあるアーチが並置されているという特殊性がある。
鐘楼の左側には、三つのバットレスで補強された部屋があり、チャプターハウス(集会所)として使われた。カノンと呼ばれる共同生活を営む修道士が集まり読書をした。また、修道士が入会したり、修道院長が選ばれたり、賓客が迎えられたりしたのも、このチャプターハウスであった。チャプターハウスは、16世紀に聖具保管室に改造された。
内装建築、ロマネスク様式部分
身廊の、第1層は柱に支えられた大きなアーケードで構成され、第2層はトリビューンに相当する。連続する樽型アーチ型の身廊は、長さ約18メートル。ステンドグラスは19世紀に修復された。現在、礼拝はゴシック様式の部分で行われている。
ロマネスク時代には、柱を戴く柱頭が内部装飾の主要な部分を占めていた。身廊北東部にある柱頭は、他の柱頭よりも色が濃く、二人の悪魔が守銭奴の魂に憑依している様子を表している。この者の膝の間には、守銭奴の古典的なシンボルである土鍋と、首には財布が観察される。
二人の人物(律法学者)が巻物を広げている。そこにはラテン語で次のように書かれている:「あなたが高利貸しをしたとき、あなたは私の仕事をしたことになる」。
こちらの教会のロマネスク美術での注目は、なんといっても、この守銭奴の柱頭彫刻。
現地に、この柱頭彫刻についてだけの詳細な案内がありました。
私が興味を持ったのは、次の2点です。
1. 使用人や守銭奴を描いたこの作品は、他の作品よりも色が濃く、コンク修道院からエンヌザ参事会に寄贈されたものである。
2. 使用人や守銭奴たちの衣服は、動物の皮でできた腰布で股間を覆うだけだ。(中略)当時、死者の描写は裸で描かれるのが普通であったため、彼らは死んでいると推測される。
コンク(Conques)修道院から寄贈された作品だったんですねえ。
Collégiale Saint-Victor et Sainte-Couronne の内観:気になったもの
リーフレットには記載されていませんでしたが、気になったものを載せます。
<南側廊と周歩廊の間にある柱頭>
聖杯から飲むグリフォンと思います。立派な姿です。
<北側廊と周歩廊の間にある柱頭>
ブドウ畑と人だと思います。こちらもキリッと、引き締まった姿です。
<南側廊と翼廊の間にある柱頭>
人魚のペアなんですが、、、
胸がたいらなので、たぶん、こちらが男性。かなり凛々しい。
そして、たぶん、こちらが女性。
顔がすごく写実的なのに対して、その胸、、、かわいすぎませんか。
<南翼廊にある柱頭>
翼廊にも柱頭があるんですが、
一番左の柱頭をよく見たら
つぶらな瞳が魅力的です。
Collégiale Saint-Victor et Sainte-Couronne。柱頭彫刻が見逃せません。
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