メイエ(Meillers)

2022年8月2日(火)の最後、四番目に訪れたのは Meillers 。Église Saint-Julien です。

ここは、最初に行ったときに教会が閉まっていて、絶望しかけました。

でも、地元の日本人の活動のおかげと、私のあきらめない姿勢が功を奏して、出直すことで内部の見学ができたんです。

順を追って話します。

Meillers へ

私はイェウール(Yzeure)から、西に28分ほど車を運転し、小さな村につきました。16時頃のことです。

Église Saint-Pierre(北西側外観)

事前にネットで調べたとき、毎日9時から18時まで開いているという情報があったので、てっきり開いていると思ったのですが、、、

がっちり閉まっていました。

もしかして役場(Mairie)に行けば開けてもらえるかと思い、行ってみましたが、、、

8月1日から8月21日まで夏休みでした。

そのあいだ、誰かが鍵を管理しているのでは?と思い、みまわしてみると、、、

Église Saint-Julienの北隣にある料理店

料理店がありました。開店準備中で、中に人がいます。

私が下手なフランス語で、教会を訪問したいが役場は閉まっているのでもしかして教会の鍵をお持ちでしょうか、と尋ねると、丁寧に答えてくれました。

「いいえ、教会の鍵は持っていません。」

そうですよね、持ってませんよね。ああ、残念、、、

「でも、今宵は教会でコンサートがありますから、その時に開きますよ。」

えええええ!

私は大いに興奮して、コンサートの開始時刻を確認しました。どうやら18時頃に戻ってくれば、コンサートの準備のために教会が開いており、お願いすれば入らせてもらえるかもしれないことが分かりました。

これは、ありがたい。

まずは外観を見学し、その後、いったん宿に戻って(ここから宿まで片道わずか7分)、18時に出直すことに決めました。

Église Saint-Julien の概要

教会の外に案内掲示がありました。一部を抜粋して和訳します。

サン・ムヌー(Saint-Menoux)のベネディクト会修道院に依存する小修道院に付属していたこの教会は、ロマネスク様式の建物であり、12世紀初頭に半円形の後陣とクワイヤが、その後に身廊と側廊が建築された。

15世紀に建築された北礼拝堂はリブ・ヴォールト式で、クワイヤの北側部分に隣接する。
19世紀には、第二礼拝堂と、それに隣接する聖具室が建設された。

調度品には二つの聖母子像がある。ひとつは1687年に作られた石造りのもの。もうひとつはブルボンヌ最古の黒い聖母のひとつで、ロマネスクの伝統を受け継いでいる。 

教会の扉口は、柱頭の装飾で知られている。動物の音楽隊である。ライオンが弦楽器を弾き、ロバがハープを弾くというもので、古代の寓話作家ファエドルス(紀元前15年〜紀元70年頃)をイメージしている。ティンパヌムには、中央に天蓋で保護された祝福するキリストが描かれ、その周りを2人の天使に支えられたマンドルラ(楕円形の栄光)が囲み、両側の半円アーチの下には使徒が彫られている。

フロアプラン

教会の外の案内掲示にフロアプランがありました。東が上です。

教会の外の案内掲示のフロアプラン

12世紀の初めにクワイヤが、その後に身廊と側廊が建築されました。

教会の見どころは、外観では鐘楼とファサードの扉口、内観では柱頭彫刻です。

Église Saint-Julien の外観:全体

鐘楼がかっこいいんです。

Église Saint-Pierre(北東側外観)

後陣と鐘楼の均整が良いです。

Église Saint-Pierre(東側外観)

さらに、ファサードの装飾が、素晴らしいんです。

Église Saint-Pierre(西側外観)

Église Saint-Julien の外観:ファサードの装飾

中央の祝福するキリスト、天使、使徒もいいのですが、

Église Saint-Pierre(西側外観、西扉口、部分)

賢そうなロバ(馬?)の存在感がすごい。

Église Saint-Pierre(西側外観、西扉口、部分)

盾をもち、槍で戦う人もいます。

Église Saint-Pierre(西側外観、西扉口、部分)

反対側には、植物や動物が描かれています。

弦楽器を弾くライオン、

Église Saint-Pierre(西側外観、西扉口、部分)

ハープを弾くロバ、

Église Saint-Pierre(西側外観、西扉口、部分)

あ、よくみたら、ロバの後ろに人がいました。

何をしてるのか分かりませんが。

Église Saint-Julien の内観:全体

私は、いったん宿に戻って時間調整し、内部を見学するために18時頃に教会に戻ってきました。

戻ってみると、ファサードの近くに受付台が設けられ、コンサートの準備が着々と進んでいました。

集まった人たちの中には、東洋人らしい顔立ちの人がたくさん。話を聞くと、今宵のコンサートは日本がテーマで、この村にはたくさんの日本人が移住しているんだそう。そういえば、役場の掲示板にポスターがありました。

「日本ーメイエの友好」をテーマにしたメイエまつりのポスター

たまたま私が来た日が、コンサートの開催日だったというわけです。地元の日本人と、このコンサートのことを教えてくれた料理店に感謝しました。

でも、最後にもうひとつハードルが、、、

西扉口で入場券を確認している男性に、私が下手なフランス語で、教会の中を訪問して良いですか?ロマネスク教会の写真を撮りたいのですとお願いすると、

「これからコンサートが始まるんですよ」

と断られてしまいました。

私は、あきらめきれず、10分だけですからどうかお願いしますと懇願して、なんとか中に入れてもらえました。

これは、大急ぎで見学しないといけません。

前置きが長くなりましたが、教会の中の、全体の様子です。

Église Saint-Julien(内観、身廊にて東を向く)

北側

Église Saint-Julien(内観、身廊にて北東を向く)

南側

Église Saint-Julien(内観、身廊にて南東を向く)

内部で注目したのは、ファサード裏の装飾です。

Église Saint-Julien の内観:ファサード裏の装飾

素朴な彫刻が四つあります。

Église Saint-Julien(内観、身廊にて西を向く)

愛嬌のあるアトラス

Église Saint-Julien(内観、ファサード裏の装飾)

華やかさはありませんが、調和のとれた簡素な美しさがあります。

Église Saint-Julien(内観、ファサード裏の柱頭彫刻)

植物デザイン

Église Saint-Julien(内観、ファサード裏の装飾)

組みひものような、ぐるぐる

Église Saint-Julien(内観、ファサード裏の柱頭彫刻)

Église Saint-Julien。教会外部では鐘楼のたたずまいと西扉口の装飾が、教会内部ではファサード裏の彫刻が、素晴らしい。

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