サン=ティレール(Saint-Hilaire)

2022年8月1日(月)の最後、四番目に訪れたのは Saint-Hilaire 。Église Saint Loup です。

Saint-Hilaire へ

私はフランシュス(Franchesse)から南に18分ほど車を運転してAirbnbのある Saint-Hilaire 村に戻ってきました。

Église Saint Loup(北側外観)

Église Saint Loup の概要

上の写真↑に写っていますが、教会の外に案内板がありました。一部を抜粋して和訳します。

黄砂岩のロマネスク様式の建物で、かつてはスヴィニー(Souvigny)に属していました。

教会は何度か改築されました。身廊は12世紀後半のものですが、19世紀にはファサードとの間に柱間がひとつ加えられました。12世紀の西扉口は19世紀に再構築されました。

側壁と後陣には、中世の持ち送りが残っています。オーヴェルニュ地方やブルボンヌ地方の典型的な円柱形を線状に並べた装飾が、窓の上に断片的に残されています。

教会内部には、15世紀の洗礼盤がありサン=ティレール家の紋章が描かれています。柱頭にはグリフォン、動物、植物などが丁寧に描かれています。

フロアプラン

教会の外にあった案内板に、フロアプランがありました。東が上です。

教会の外にあった案内板のフロアプラン

ロマネスク様式がかなり残っています。

Église Saint Loup の内観:全体

こちらの教会は基本的に閉まっているので、役場(mairie)で身分証明書と引き換えに鍵を借りました。早めに鍵を返すために、先に内部を見学です。

教会の中の、全体の様子。

Église Saint Loup(内観、身廊にて東を向く)

西扉口の内側に鉄柵がありますが、置いてあるだけで、もう使われていないようです。

北翼廊

Église Saint Loup(内観、交差部にて北を向く)

南翼廊

Église Saint Loup(内観、交差部にて南を向く)

西側をふりかえります。

Église Saint Loup(内観、交差部にて西を向く)

柱頭彫刻に注目です。

Église Saint Loup の内観:柱頭彫刻

こちらの髪の長い人、平べったいと思ったら

Église Saint Loup(内観、柱頭彫刻)

浮き彫りはなく、ペイントだけでした。

Église Saint Loup(内観、柱頭彫刻)

向かい側には植物

Église Saint Loup(内観、柱頭彫刻)

編み目模様と人

Église Saint Loup(内観、柱頭彫刻)

交差する模様と生き物?

Église Saint Loup(内観、柱頭彫刻)

似てるけど、少し違うバージョン

Église Saint Loup(内観、柱頭彫刻)

こういう簡素なロマネスク彫刻もいいです。

Église Saint Loup の外観

教会を施錠して役場(mairie)に教会の鍵を返し、のんびりと外観を見学です。

Église Saint Loup(南西側外観)

12世紀の西扉口は、19世紀に柱間ひとつぶん増築したとき、再構築されました。

Église Saint Loup(外観、西扉口)

ふと、この場所の歴史を示す案内板を見つけたんです。

この場所の歴史を示す案内板

ガロ・ローマ時代(紀元1~5世紀)の遺構があります。教会の壁に、ガロ・ローマ時代の特徴である穴の開いた砂岩ブロックがあるとかで。

ガロ・ローマ時代の特徴

教会の東側、赤い矢印の部分。12世紀の壁の中です。

Église Saint Loup(南東側外観)

この場所に、霊廟、聖域、浴場あるいは別荘などの古代建造物が存在した可能性を示します。

また、1979年の建築工事でメロヴィング期(紀元6~8世紀)の石棺が20ほど発見されました。これらは中世に再利用されています。

ロマネスク様式の教会が建つ前の、初期キリスト教時代の教会の遺構がいまも眠っているかもしれません。考えると、つい、わくわくしてしまう。。。

ロマネスク教会の外観の見学に話を戻します。

Église Saint Loup(東側外観)

持ち送りがいいです。

Église Saint Loup 。ガロ・ローマ時代の遺構が残る12世紀のロマネスク教会です。素朴な柱頭と持ち送りが魅力的です。

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