2022年8月1日(月)、二番目に訪れたのは Le Montet 。Église Saint-Gervais et Saint-Protais です。
Le Montet へ
私はコロンビエ(Colombier)から北東に30分ほど車を運転すると、小高い丘の上にそびえ立つ教会がみえました。12時頃のことです。
教会の前の駐車場に車を停め、教会の外観を見学します。
Église Saint-Gervais et Saint-Protais の外観
北西の角には近代的な鐘楼があります。
北側は建物が迫っているので広角で撮影。
南側には広場が続いていて、
その先の東側には墓地があります。
外観では、なんと言っても西扉口が素晴らしいです。
びっしりと細かい浮き彫りが並んでいて、フリーズの装飾が多様で驚きます。
Église Saint-Gervais et Saint-Protais の概要
教会の外に案内板がありました。一部を抜粋して和訳します。
このロマネスク様式の教会は、11世紀にブルボン公アルシャンボー2世によって創設された古い小修道院(prieuré)の中心として12世紀に建てられ、ピエモンテのトリノ近郊にあるサクラ・ディ・サンミケーレ修道院に属していました。
教会は、19世紀にその東部が取り壊され、12世紀の建築部分としては身廊と二つの側廊、そしてクワイヤが残っています。
柱頭と西扉口には美しい彫刻が施されています。ギリシャ風のフリーズと右手の蛇が正統なロマネスク様式である西扉口は、サクラ・ディ・サンミケーレ修道院の門の一つを思わせます。
モニュメントの北西隅にある鐘楼は、パリの建築家ラッス(Lassus、1856年没)の作品であり、 この鐘楼が完成したのは、20世紀初頭です。
フロアプラン
教会の外にあった案内板に、フロアプランがありました。東が上です。
取り壊されて現存しない部分が大きすぎて、心の中で悲鳴をあげてしまいました。
まさかの、交差部、翼廊、聖域、周歩廊に、放射状祭室まで。
12世紀のロマネスク様式ですよ?
聖域とその周囲は特に念入りに装飾することが多いですから、取り壊された部分には、さぞや素晴らしいロマネスク美術があったに違いなく、、、減築する際に再利用されなかった装飾が数多くあったに違いなく、、、😭
Église Saint-Gervais et Saint-Protais の内観:全体
教会の中の、全体の様子です。
北側廊
南側廊
柱頭彫刻に見惚れます。
Église Saint-Gervais et Saint-Protais の内観:柱頭彫刻
植物と人との組み合わせ
人も植物も動物も、確かな線で美しく彫ってあります。
こちら↓は向かいあって飲む動物。
よくみると、翼があるし鳥のような頭ですが、4本足です。グリフォンでしょう。グリフォンは鷲の翼と上半身、獅子の下半身をもつとされています。
こちらは、人がいっぱい。
別の角度から
残念ながら、何を表そうとしたものか、わかりません。
この↑謎の柱頭の内陣を挟んで反対側に、もう一つ不思議な柱頭↓があります。
左右のまんまるなのが、ひまわりみたいでかわいいんですが、
顔の周りにあるホワホワのやつは、きっと獅子のたてがみだと思います。
だから最初は、獅子の穴の中のダニエル(旧約聖書の『ダニエル書』6章) かな、と思ったんです。
でもね、なんだか変なんです。
翼があるし、前肢は牛のようなヒヅメです。
さらに、尻尾の先に動物の頭があって、足元に蛇がいるんです。
なんだろう?
『エゼキエル書』第1章や『ダニエル書』第7章に出てくるような、テトラモルフ?
それとも、キマイラ(ギリシア神話で獅子、山羊、蛇の頭をもつ怪物)?
あるいは、スフィンクス(ギリシア神話で女の顔と獅子の身体に翼をもつ怪物)?
私にはわかりません。。。
Église Saint-Gervais et Saint-Protais 。西扉口と柱頭彫刻が素晴らしい。
・
・
・
・
・