2019年9月の旅行三日目の最後、三番目の目的地はCervera。ベルドゥ(Verdú)から北東に約17km、車で約22分の道のりです。
ここでの目的は、小さな教会(Sant Pere Gros)。
車を走らせていると標識があったので、降車して写真撮影。
指し示す方を向くと、おお、あれか。
事前に問い合わせると、観光案内所から返信がもらえました。中に入るにはガイドツアーが必要で、€15かかるそう。よし、わかった!ってことで英語ガイドを17:30に依頼しました。現地待ち合わせです。
現地に到着。
ずんぐりむっくりの教会の日陰に、ガイドさんがいました。
€15をお渡しすると、セルベラ市役所のハンコ付きの領収書をくれまして。
説明によると、円形の建物の元の使用目的は明らかではありません。屋根の上へ昇る階段は元の時代からのものですが、鐘は教会として使用されるようになってからつけられたもの。また、半円形の後陣も後からつけられたものです。
教会名は Sant Pere Gros 。聖ペトロに捧げられています。Gros は英語で bulk(容積、多量)を意味しますから、こんな小さな教会には不釣り合いですが、この地域の呼び名です。
教会に関する最初の文書記録は1072年。1081年にはリポイのサンタ・マリア修道院傘下のベネディクト会修道院になり、黒死病の流行時は病院になるなど発展しましたが、その後は衰退。18世紀あるいは19世紀の9月に洪水に見舞われ、建物にも被害が及びました。
こんな、乾燥してそうな場所で洪水?と思った私は、二度も聞き返してしまいました。川があるんですって。近くに。
北を流れるオンダラ川までは約120m、徒歩1分です。行ってみると水位は低く、水は濁っていました。
川との間には、かつて修道院だった建物があります。
かつて修道院だった建物の西側(教会の北側)には、ワインを作っていた建物の遺構があります。
上の写真に写っている木製の扉から、教会に入ります。
教会の壁の厚さにビックリです。2メートル以上ありそう。
入ってすぐ左を振り返ると、素朴な聖水盤があります。
聖水盤に近寄ります。
教会の中心部から後陣を向くと、
ブルーシートで覆われているのはベンチ。毎年、聖ペトロの聖名祝日である6月29日に聖ミサを行う他、ときどき洗礼式に使われるそうです。
入り口の隣、西側の壁には上に昇る階段が。
下のほうの数段は梯子状の鉄棒のみ。その上は石段で、屋根の上に行けるそうです(私は行ってません)。
屋根の上に行けるのは、教会として使われる前からの構造だそう。
なお、鐘を鳴らすために上に昇る必要は、ありません。
ガイドさんがどうぞと言ってくれたので、上の写真の壁に留めてある輪っかを引いたんです。おおーきな鐘の音が鳴り響きました。そりゃもう、びっくり仰天の大音量で。
視線を下に移動させて教会内部の壁を見ると、くぼみがあって、それが美しい。
くぼみに見とれるって、どうなのよ?と思いつつも、、、
後陣は後からつけられたそうですから、もともとの建物には、その部分の壁にもくぼみがあったとすると、当時は八つのくぼみが美しく並んでいたはず。
Sant Pere Gros、ぱっと見のかわいらしさと、重厚な石積みとのギャップに魅了されました。
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