2019年GWの旅行六日目、最初の目的地はPonte allo Spino。泊まっているシエナ(Siena)から西に約15km、車で約22分の道のりです。
4月29日(月)に訪れたのは5か所。
18. ポンテ・アッロ・スピーノ(Ponte allo Spino)
19. トッリ(Torri)
20. マッサ・マリッティマ(Massa Marittima)
21 ~ 22. モンティチアーノ(Monticiano)
27日(土)、28日(日)の二日間に比べると、この日の予定は余裕があります。
Ponte allo Spinoでの目的はサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会(Pieve di San Giovanni Battista a Ponte allo Spino)。ここは基本的に閉まっているので、事前にコムーネ(自治体役場)に連絡して鍵を開けてもらえるよう頼みました。
来る途中、教会が見えて美しかったので車を停めました。
約束した9:30少し前に到着。 車は教会の北側に停めました。
わくわくしながら教会の中に入ると、女性が二人いました。
おばあさんが私にききます。「あなたが教会を訪問したいと連絡くれた人かしらね?」
互いに自己紹介しました。マルゲリータ(Margherita)という名前の、このおばあさんが教会に詳しい人。もう一人の女性マリネッラ(Marinella)は私の希望をマルゲリータに伝えてくれた人のようでした。
マルゲリータは四ヶ国語に訳されたリーフレットを指差して「こういうのがあるけど、良かったら私から説明しましょうか?」
私は「是非お願いします!」マリネッラも「ちゃんと聞いたこと無いから私も聞きたいです。」とのことで、ガイドツアーの始まりです。
マルゲリータ:教会の建設は1050年頃。1333年のピサとシエナとの戦いで甚大な被害があって、18世紀にはバロック様式で修築されてしまってね。でもその後、1950年から行われた工事で鐘楼、南壁、後陣が修復されて元の姿に戻ったの。さらに18世紀に建てられた教会に隣接する建物が取り除かれて、その時、回廊が再発見されたの。この回廊はトッリ(Torri)のによく似てるのよ。
トッリ(Torri)は、この教会からわずか8kmのところにある修道院です。
マルゲリータ:古代ローマ時代の街道に沿うこの場所には、その昔、テルメ(共同浴場)があって。1950年の工事の時、この真下(現在の鐘楼の辺りの地下)から、古代の温風排出ダクトと2世紀頃のモザイクが見つかったのよ。
マリネッラと私:古代ローマのモザイク!?ご覧になったこと、ありますか?
マルゲリータ:いいえ、残念ながら。でも、つい昨日、とても興味深いことがあったの。話してた相手が、偶然、1950年の工事をした職人の息子さんでね。お父さんに会いに、この工事現場に来てたっていうのよ。
マリネッラと私:えええええ!!すごい!それで?その人はモザイクを見たんですか?
マルゲリータ:それがねえ。。。覚えてないそうよ。
松竹の新喜劇か?ってくらいズッコケましたよ私。マルゲリータばあさん、笑いの間が最高で。( ̄∇ ̄) こういう人、大好き。
教会内部の様子です。
南側廊のファサードに近い場所に鐘楼があります。
一旦、外に出てファサードを見ます。
窓の下に浮き彫りがあります。
回廊に行きます。オレンジ色の車の向こうのアーチをくぐります。
アーチをくぐり抜けて振り返ると
鐘楼と教会の南壁に隣接するように回廊があります。
さて、教会の中に戻って装飾をじっくりと見ます。柱頭がすっごいから。
交差部のアーチ部分にも、小さな彫刻があります。
マルゲリータによると、この教会は個人の持ち物ではなくて公のものだけど、ここではもう聖ミサは行われていません。結婚式や葬式といった式典の時にだけ使われるそう。だから中を見学したい人は事前連絡必須です。
サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会(Pieve di San Giovanni Battista a Ponte allo Spino)、地下に眠る2世紀のモザイクに思いをしながら、魅力溢れる彫刻を楽しめます。
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