ボワ=サント=マリー(Bois-Sainte-Marie)

2018年9月の旅行十一日目、二番目の目的地はBois-Sainte-Marie。キュルビニー(Curbigny)から東に約5km、車でわずか約8分の道のりです。

ここでの目的はノートル=ダム=ドゥ=ラ=ナティヴィテ教会(Eglise Notre-dame-de-la-Nativité)。

車を走らせていると、目指す方角の丘の上に鐘楼が見えました。

近づくと、町への道を横切る川がありました。

グーグルマップを編集しました

丘の上の教会と手前の川の情景が良いなあ、と思って車を路肩に寄せて、停車すると

わらわらと、牛たちが一斉にこちらに向かって来ました。私も最初は少し驚きましたが、よくみると子牛もいて皆さん毛ヅヤも良くて、愛らしい。

車のエンジンを切って少し待ち、牛たちが少し落ち着いた頃を見計らって、ようやく撮りました。丘の上の教会。

牛たちの熱い視線の向こうに、丘の上の教会

細い上り坂を進んで教会に着き、

車は近くの駐車スペースに停めました。

花だらけ。

façade

教会の外側を見ます。

南東側

柱頭に彫刻があります。

持ち送りにも、印象的な彫刻があります。

反対側も見てみます。

北西側

façadeに戻って、

西扉口

中に入ります。

花だらけのfaçadeから中に入る様子の動画をユーチューブにアップしました。

façadeを背にして東を向く
北側廊、東奥に見えるのは周歩廊
南側廊、東奥に見えるのは周歩廊

リーフレットがありました。それによると「Bois-Sainte-Marie」の名は998年に記録されています。城壁に囲まれた城塞都市として12世紀後半から繁栄しましたが、15世紀以降は近隣都市との競争やカルヴァン派による破壊などで衰退し、教会だけが過去の繁栄を偲ぶよすがになっています。

12世紀に建てられたロマネスク教会も町の衰退と共に荒れていきましたが、19世紀半ばに、廃墟のようになっていた教会を建築家の Millet が再建しました。

どうやら、この19世紀の再建がとても上手くて、12世紀のオリジナル部分と19世紀の再建部分が、バランス良く調和しているようです。

案内掲示もありました。

フロアプランを拡大します。

周歩廊がある聖堂はトゥルニュ(Tournus)で見て以来、ごぶさたで。久しぶりです。

周歩廊の様子を撮った動画をユーチューブにアップしました。

周歩廊の真ん中(東の端)から、西を向くと

祭壇を背にして西をみると

身廊の柱頭彫刻も、興味深いです。

獰猛な犬または難聴(Le chien furieux ou la perte de l’ouïe)

柱に難解な説明がついてて、しかも、それが表具で仕上げてあるという。おっしゃれ~。

ペリカンまたは4番に関する哲学者の幾何学(Les pélicans ou la géométrie philosophale du nombre quatre)

ペリカンだったとは。

四頭の馬の二つの頭と三輪のバラ(Les deux têtes de quatre chevaux aux trois roses)

馬だったの。

戦士たちの戦い、または、善悪の対決(Le combat des guerriers ou l’affrontement du bien et du mal)

うん、確かに、戦ってる感じ。

言葉または原始の庭(La parole ou le jardin primordial)

この垂れ目、ライオンだそうです。

セイレーンまたは良心の審問(La Sirène ou <<l’examen de conscience>>)

おなじみ、セイレーンです。

レスラーまたは宇宙の起源(les Lutteurs ou la cosmogonie)

ちょっと、よく分からないです。

獅子の穴の中のダニエル(Daniel dans la fosse aux lions)

おなじみ、 獅子の穴の中のダニエル(旧約聖書のダニエル書6章) 。

嘆きまたは顧みられない愛??(La lamentation or l’Amour délaissé??)

あちゃ~、って仕草にみえます。両手を頭にのせてショック受けてる感じで。

この「La lamentation or l’Amour délaissé??」って、すごく詩的なタイトルです。私には思いつかない。

おしゃべりの偽証または懲罰(Le parjure ou châtiment du bavard)

口はわざわいのもとと言いますが。。。舌を切られる場面って、誰の目にも怖いからか、よく目にする図像のように思います。

南扉口には、19世紀に造られたティンパヌムがあります。
教会の中の柱頭を含めて、他の彫刻ももしかしたらいくつか19世紀のものかも知れません。

19世紀の再建が上手く調和していて、説明がおしゃれで、花が沢山かざられてて。ここ絶対、町の人から大切にされてる教会です。

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