名前は何度も聞いていたけれど実物を見たことが無かった、Zodiaque の la nuit des temps 。
ロマネスクが気になる人ならとっくに見たことがあって当然、ことによったら何冊も持ってるのが当たり前なのかも知れませんが、フランス語だし、洋書だし。分不相応と思っていました。
ご縁があれば、将来、どこかで手にすることがあるかも知れないなあ、と。
でも、2月下旬に試しにネット検索してみたら見つけたんです。
3月に予定している旅行先の、ルシヨン(Roussillon) を紹介している一冊が、渋谷の古書店にあるって。
しかも「東京都渋谷区に実店舗がございます。WEBに掲載されている書籍は店舗にて実際に手に取ってご確認いただくことが可能です。」と書いてあります。
これは、もう、行くでしょう。
在庫を確認して、とりおきを依頼してから、いそいそと出かけました。
東塔堂 totodo に着いて、本を出してもらいます。
おお~。
初めて見るZodiaque。
思ったより、ちっちゃい。
手にとります。ドキドキする。
ページをめくると印象的な写真がいっぱいです。
ヤケが少しありますが、古書ですから当然。
それどころか、とてもいい状態です。
買っちゃいました。
家に帰って夢中でページを繰りました。
一番、気に入ったのは、地図のページです。
どこに何と言う聖堂があるか、だけじゃなく、フレスコ画がある、とか回廊がある、とか一覧できるんです。
素晴らしい!!
その後、時間がかかりましたが、Google翻訳の力を借りて読みました。
フランス語→英語にすれば、何とか読めるので、旅行に出発する前に読み終えることができました。
例えば、SAINT-MICHEL DE CUXAの書き出しはこうです。(Google翻訳そのまま)
SAINT-MICHEL DE CUXA
AND THE PASSAGE OF PREROMAN ART TO THE ROMAN
The Benedictine Monastery of St. Michael of Cuxa is interesting in more ways than one. It illustrates the patronage of the county house of Cerdagne reached the highest degree of its power. One can also follow, at the turn of the year 1000, the passage of pre-Romanesque architecture to that of the first southern Romanesque art. Finally, it was for the ornamentation of this abbey that the first of the great workshops of Roussillois Roman sculptors of the twelfth century was formed.
Greatness and woes of Cuxa
At the beginning there is a monastic foundation of family character, as it happened during the early Middle Ages. The small community settled near the hot springs of Eixalada (now Thuès) in the Haut-Conflent, in an impressive site, corresponding to the place where the Tet sinks into the deep gorge of Canaveilles. She led a rickety life until a group of religious from Urgell came together, headed by the Archpriest Protais and comprising three priests, a monk and a subdeacon: was July 16, 864 (or 865). This new impulse, however, nearly broke down almost immediately by a natural disaster. In 878, probably at the beginning of autumn, following torrential rains and perhaps also a landslide, the monastic buildings of Eixalada were washed away by the flooded river and several monks found death.
このベネディクト修道院は、多くの点で興味深いのです。まず、セルダーニュ(Cerdagne)地方のパトロンの力が最高度に達したこと。次に、西暦1000年頃、プレ・ロマネスク建築が最初の南ロマネスク様式の芸術に継承されたこと。最後に、この修道院の装飾のために、12世紀のルシヨン・ロマネスクの彫刻家の偉大な工房が形成されたことです。
こんな感じで修道院の魅力を紹介する言葉があって、それに続く本文(Greatness and…)では、その興味深い点を、こと細かく述べてるんです。
後に歴史学者が筆を入れるようになったとは言え、そもそも修道士が修道院で作った本ですから、もっと宗教の話が多いかと思っていましたが、予想は良い形でハズレました。
ロマネスクの時代、地域性が育んだ純粋で大胆で味わい深い文化について、どんな背景があったか、本を手にとった人に伝わるように丁寧に描写してあります。
買って良かった!です。
・
・
・
・
・