2023年9月23日(土)、二番目に訪れたのはDie、サン=ニコラ礼拝堂(Chapelle Saint-Nicolas)です。
ここは、モザイクに心を奪われます。
2023年は6月15日〜9月23日の水曜と土曜10:00~12:00に開いていました。ディ・エ・デュ・ディオワ博物館(musée de Die et du Diois)が管理しています。有料(€2)。撮影禁止です。
Die では、2か所に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
<1> Église Notre-Dame de Die
<2> Chapelle Saint-Nicolas
目次
1. Chapelle Saint-Nicolas へ .
2. 概要 .
3. モザイク .
1. Chapelle Saint-Nicolas へ
ディ(Die)は、フランスのオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏ドローム県にある町で、アヴィニョンの約100km北東、ヴァランス(Valence、ドローム県の県庁所在地)の約40km南東にあります。
サン=ニコラ礼拝堂(Chapelle Saint-Nicolas)は司教館(palais épiscopal)の上の階にあります。
赤い矢印が礼拝堂に通じる門、青い矢印が礼拝堂への入り口です。
私は事前に、9月23日(土)10:00に見学したい旨を博物館に知らせました。博物館から「Nous vous ouvrirons avec plaisir la mosaïque le samedi 23 septembre à 10h.」と返信をもらっていたのですが、10:20まで待ってもサン=ニコラ礼拝堂(Chapelle Saint-Nicolas)は閉まったままでした。
仕方なく、私は礼拝堂の見学をあきらめ、ノートルダム教会(Église Notre-Dame)を見学したわけです。
そして私が教会の見学を終え、たまたま11:00頃に司教館(palais épiscopal)の前を通りかかった時、なんと、門が開いていました。
私は興奮して、かけ足で階段をあがりました。そこには、椅子に腰掛けて読書している博物館の係員がいました。
肩で息をしながら「モザイクを見学できますか?」と問う私に、係員は「はい、ご見学いただけます。」と答えました。
良かった!モザイクをみられる!
最初の写真にある青い矢印の扉を入ると、案内シートを置いたテーブルと、古びた木製の階段がありました。
階段の先には、「四つの川のモザイク➡️」という表示と、「撮影禁止」という表示があります。
私は係員に「撮影禁止なのでしょうか?」と尋ねてみました。すると係員は「私的な写真に限り、撮影いただけます。」とのこと。
良かった!!
でも、係員が続けます。「ただし、インターネットなどに掲載しないでください。」
あらら。
私は帰国後、博物館にメールを送りました。このブログに撮影した写真を掲載する許可を得るためです。なんと、ディ(Die)市文化部長(Ville de Die – Directeur culture)から、とても丁寧な返信をもらいました。それによると:
「四つの川のモザイクはロマネスク芸術の宝石ですが、ディ市の私有財産でもあり、市が所有する物件の中に保存されています。このモザイクは公共物ではないため、写真の公開は所有者の同意が必要です。私は、文化・教育・遺産を担当するDie市の副市長より、著作権の記載を条件として、ご要望の許可を得たことをお知らせいたします。この著作権の文言は、©2024-Ville de Dieまたは©2024-ご自身のお名前/Ville de Dieのいずれかをお選びください。」
良かった!!!
2. 概要
案内シートによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
聖ニコラス礼拝堂は、古い都ディ(Die)のローマ城壁の塔の上に建てられた小さな長方形の部屋である。壁は11世紀のもので、ヴォールトは、ハンマーで砕いた小石と瓦礫で形成されており、それを補強するアーチによって支えられている。
四つの川のモザイクは、1194年に初めて文書で言及された。
1906年に歴史的建造物に指定され、1912年に修復された。
1960年代に修復された。
この後も、案内シートを引用する時に太字で書きます。
3. モザイク
古びた階段をあがり、右を向くと、驚くようなモザイクがありました。
四つの川のモザイク
ロマネスク芸術の宝石
モザイクは11世紀のものである。世界を表し宇宙のすべての要素が描かれていると言われているが、その解釈は依然として難しい。
中央には北極星が描かれ、その周りを12個の円が取り囲んでいる。23個の大理石の三角形は、(モザイク画には23個しかないので作者のミスと仮定すれば)1日の時間を表していると考えられている。
異なる技法と素材を使った複数の芸術家の作品であるため、多くの不均一がある。
北極星を囲む円は、地上の楽園(『創世記』)の川の名前「ピション」、「ギホン」、「チグリス」、「ユーフラテス」を示している。
それぞれの名前は、人間と動物の両方の特徴を持つ頭部につながる。それぞれの頭の横には小さなモチーフがある。
ピションはロゼットまたはざくろ石(信仰の象徴)、ギホンはナイフ(イサクのいけにえに関連)、ユーフラテスはハサミ(羊の毛刈りに使う道具)、ティグリスは鍵(エデンの園への鍵)である。
ティグリス、凛々しいです。
これらの川は宇宙を灌漑しており、宇宙は三つの部分に分かれている:
水:波、海、海草、海の動物によって描かれる。
大地:実在、あるいは空想上の陸上動物や植物によって象徴される。
空気:鳥と二つの風(風は方角を示す)で表される。
生き物たちは活力にあふれ、躍動しています。
大きな鳥の足についているのは、水かきでしょうか。芸が細かい。
植物だって、葉を広げて生き生きしています。
(なぜ風は四つではなく二つなのか?このディ(Die)の地では、山が東風と西風を遮る。そのため、モザイクには北風と南風だけが描かれたのである。)
宇宙は三方を波打つ赤い帯に囲まれているが、これは川が流れる海を象徴している。
風は、四つ角のうち、東側の二つにだけ描かれています。
北風は、厳しい顔つきで口をとがらせています。強い風っぽい。
一方、南風は、陽気な笑顔です。なんだか楽しそう。
みればみるほど、不思議なモザイク。
サン=ニコラ礼拝堂(Chapelle Saint-Nicolas)。モザイクに心を奪われます。
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