2023年8月24日(木)、最初に訪れたのは Vaprio d’Adda。Chiesa di San Colombano です。
ここは、内陣の装飾に驚きます。外観では、後陣と三つの扉口が素晴らしいです。
役場によると、この教会はいつも開いているわけではないようです。私は念の為に事前に教区に電話して、訪問を確実にしました。
目次
1. Vaprio d’Adda へ .
2. 概要 .
3. 航空写真 .
4. 外観(西扉口) .
5. 内観 .
6. 外観(西扉口以外) .
1. Vaprio d’Adda へ
私は Airbnb から南に約44km、44分ほど運転してアッダ(Adda)川右岸の町に着きました。9:30頃のことです。
幸い、電話で親切な婦人と教区司祭が教えてくれた通り、教会の扉は開けてありました。
「もし閉まっていたら、教会の前にあるBarで教区司祭の名前と訪問の許可がもらってある旨を告げるように」とのことでしたが、その必要はありませんでした。
2. 概要
教会の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
7世紀に建てられた古い寺院の上に、11~12世紀に建てられたロマネスク様式の教会である。
7世紀の寺院については、アイルランドの修道士であり、驚異的な伝道者であった聖コルンバヌス自身が、612年頃にロンバルディアに滞在していた時に創建したという伝承がある。
聖コルンバヌスについては、ボッビオ(Bobbio)に行った時に読みました。
この後も、案内掲示を引用するときに太字で書きます。
3. 航空写真
現地には平面図は見当たりませんでした。Googleマップによる航空写真です。
4. 外観(西扉口)
西扉口の装飾はかなり摩滅しています。
柱頭彫刻は、北側に人物や動物たち、南側に植物が描かれています。
柱頭彫刻の下をみます。
北側の角柱には二股人魚、天使と小さな人、生き物たちのような塊、が描かれています。南側の角柱には交差模様、羊のような生き物、膝の上に本を持つ人物の坐像、が描かれています。
5. 内観
教会の中に入ります。
わお。
内陣の周りに、すごく装飾を凝らしてあります。
南北の礼拝室と内陣との間は壁が無く、アーチの支柱は、角柱一つと半円柱四つを束ねた多柱式です。
柱頭彫刻が、かっこいいです。
中央の柱頭には、二つの対称的で対極的な像が見られる。左側の柱頭には、二体の怪物が人間を圧倒している姿が描かれている。
一方、右側の柱頭には、悪魔の誘惑を象徴する動物を、信仰によって強くなった男が自分の手で掴んでいる姿が描かれている。
やや目立たない場所ですが、二股人魚や、牙をむく生き物もいます。
歯がいっぱい生えています。
6. 外観(西扉口以外)
後陣や南北の扉口を外側から見るためには、身廊にある南扉口から外に出ます。
私が撮影した南扉口の写真に番号をふりました。
ガッチリ閉めてあるので戸惑いますが、私でも開けることができました。手順は以下①〜⑤の通りです。
①丸いところを下に引っ張り、上に刺さっている棒を抜く。②丸い金具のついた閂を左にずらす。③丸い金具のついた閂を左にずらす。④丸いところを上に引っ張り、床に刺さっている棒を抜く。⑤金具を上に持ち上げながら扉を引く。
外に出ました。
南扉口のルネッタは、牧杖を持った聖コルンバヌスと石の塊を持った石工たちを表している。
東に行きます。
コーナー・バットレスの角には聖書を想起させる2人の人物が彫られている。
『使徒言行録』4章11節
この方こそ、/『あなたがた家を建てる者に捨てられたが、/隅の親石となった石』/です。
ペトロが、ユダヤの大祭司やイスラエルの民に向けて、イエスを指して言いました。
確かに、これらの石は「隅の親石」ですが、、、。
浮き彫りは、生き物にまたがる人物と、何かを持つ人物のように見えます。
後陣が、良いんです。
怪物みたいな顔
平和な顔
両手を広げる人
最後に北扉口をみます。
北扉口のルネッタには狩猟の情景が描かれており、オルフェウスとしてのキリストの寓意かもしれない。
中央の人物は左手に鷹をとまらせて、彼の足元ではイヌがウサギを追っているようです。
Chiesa di San Colombano。内陣の装飾に驚きます。外観では、後陣と三つの扉口が素晴らしいです。
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