トスコラノ・マデルノ(Toscolano Maderno)

2023年8月20日(日)、最初に訪れたのは Toscolano Maderno。Chiesa monumentale di Sant’Andrea Apostolo です。

ここは、ガルダ(Garda)湖畔に佇む美しい教会です。ファサードに見逃せない彫刻がいっぱいです。教会の中にも美しい彫刻があります。

2023年は毎日8:30-11:30と14:30-18:30に開いていました。

目次

1. Toscolano Maderno へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
5. 外観 .

1. Toscolano Maderno へ

私は Airbnb から東に約56km、52分ほど運転して、心躍る町に着きました。

ガルダ(Garda)湖の水面の美しさ、朝食をとる人たちの優雅さ、そしてロマネスク教会。

南西側遠景

車は近くの広場(Piazzale Salvo D’Acquisto)の公共有料駐車場に停めました。

8:45頃のことです。

2. 概要

教会の中に小冊子がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

ロマネスク様式の教会は、12世紀初頭に司教の主導で、おそらくすでに小礼拝堂(sacello)があった場所に建てられた。この教会は、洗礼堂を持つ地方教会である「ピエヴェ(pieve)」としても機能し、南側の教区司祭館と洗礼堂、向かいの墓地を含む複合施設の一部であった。

この後も、小冊子を引用するときに太字で書きます。

3. 平面図

教会の中にあった小冊子に平面図がありました。東が上です。

小冊子より

何世紀もの間、教会は大きな変貌を遂げ、主に建物内部において、当初の姿を大きく変えた。

当初、三つの身廊は丸いアーチを支える柱の列によって区切られ、木製のトラスで覆われていた。半円形の後陣で終わり、その下に聖ヘルクラヌスの聖遺物が保管されていた地下聖堂があった。

1469年、円錐形の屋根を持つ鐘楼が南側廊の端に建てられた。15世紀末には、側廊の木造勾配天井が十字穹窿に取り替えられた。16世紀後半、身廊の天井が十字穹窿に改修された。
また、建物内にもっと光を取り込むため、各柱間の中央に大きな長方形の窓が両側に開けられ、ファサードの主扉口の上の丸窓が拡大された。さらに、ドーム屋根が建設され、半円形の後陣は長方形に置き換えられた。

4. 内観

まず、教会の中をみます。

身廊にて東を向く

主祭壇の前面は、かつてのプルテオ(pluteo)、すなわち、信者らと司祭を隔てる囲いの一部をなす大理石の板である。中世初期のものであり、ロマネスク様式の教会が建設される以前に存在した小礼拝堂(sacello)の、現存する数少ない証のひとつである。

主祭壇の前面

主祭壇の下には地下聖堂があります。でも、割愛します。

小冊子によると、地下聖堂は、16世紀末に、主祭壇をより見ることができるように内陣の床レベルが下げられ、閉じられました。1959年から1962年にかけて行われた修復プロジェクトで、かつての構造をなぞって再建されました。その際、ヴォールト、柱、柱頭はコンクリートで作られたか、地下聖堂が再開された際に発見された材料が再利用されました。

注目したいのは、地上部分の、柱頭彫刻です。

柱頭彫刻

繊細な植物模様。

柱頭彫刻

教会内部のすべての面を豊かにしていたオリジナルの絵画装飾のうち、残っているのは柱頭の赤い地色だけである。

柱頭彫刻

美しいロマネスク教会だったことでしょう。

5. 外観

教会の外をみます。

南西側外観

北西の角には、ローマ時代の石が再利用されています。

ファサードの下部と側壁の始まりには、ローマ時代の建築要素が見られる。碑文と三つの浮き彫り(二輪馬車に乗ったキューピッド、牛頭模様、旗手)である。

北西側外観

ロマネスクに戻ります。

西側外観

上から順に、私が気になった部分について書きます。

中央の一番上に、二股人魚がいます。

その下に描かれている小さい人物たちも、興味深いです。

二股人魚

こちらは、四つ足のライオンのような動物が鳥に噛みついているようです。

四つ足のライオンのような動物と鳥

こちらは、鳥の足元に丸いものがたくさんあります。卵かもしれません。

鳥の足元に丸いものがたくさん

こちらは、すごく不思議な図です。

左の人物は胸がありますし女性だと思います。彼女は股間をあらわにして横たわっているようです。生き物がいて、その隣にいる右の人物は、胸に左手を当てています。

2人の人物と生き物

盲アーチを支える持ち出し(peduccio)には、多様な彫刻が施されています。人や動物の顔が多いです。柱頭の上に置かれたピンク色の石にも、人の顔が彫られています。

人の顔がいっぱい

私が好きな彫刻が、こちら。

悪魔だと思います。爪は短く切りそろえてあります。

歯を食いしばっていますが、虫歯が痛いわけじゃないはず。

歯を食いしばる

窓の装飾も素晴らしいです。

ライオンたちの爪、牙、渦を巻くたてがみ、実に素敵です。

窓(別角度)

主扉口。

主扉口

繊細な彫刻がびっしりで、十字架も丁寧に装飾してあります。

十字架

おまけに、かわいい。

Chiesa monumentale di Sant’Andrea Apostolo。ガルダ(Garda)湖畔に佇む美しい教会です。ファサードに見逃せない彫刻がいっぱいです。教会の中にも美しい彫刻があります。

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