タブリエガ(Tabliega)

2023年5月12日(金)の最後、五番目の訪問地は Tabliega。Iglesia de San Andrés です。

ここは、外観では持ち送り、内観では柱頭彫刻が素晴らしいです。

扉口に連絡先携帯番号が張り出してあります。私は4月のうちにWhatsAppして5月12日午前中の訪問を予約しました。訪問予定日の数日前にWhatsAppで再確認したところ「5月12日で大丈夫だが18:00以降にして欲しい」と言われたので、18時にしました。

目次

Tabliega へ .
概要 .
平面図 . .
東側外観(持ち送り)  .
内観(柱頭彫刻) . .

Tabliega へ

私はアルメンドレス(Almendres)から北に約21km、23分ほど運転して、小さな村の教会に着きました。17:45頃のことです。

東側外観

道は教会の北側にあるのですが、扉口は南側にあります。

この辺りのロマネスク教会は、東に祭壇があって南に扉口があることが多いです。たとえ地形が不便でも、典型的な配置に従って南に扉口を配置してあるんですねえ。

概要

教会の外に案内板がありました。自動翻訳(DeepL)に助けてもらいながら、私が一部を抜粋して太字で和訳します。

Tabliega
「この地は monesterio de Tabliga
のものである…」
設立年代は不明だが、タブリエガの大修道院(abadía)または修道院(monasterio)は、11世紀以降の中世の文書に、一族の庇護を受ける修道院として数多く記載されている。中世の文書には、教会は聖アンデレ(最も人気がある)と聖ペトロの奉献名で登場する。

修道院の栄華
この教会は、修道院の栄華のさまざまな時期に対応する、いくつかの建築段階に対応している。第一期は12世紀半ばのロマネスク様式(聖域、交差部、塔の下部)、第二期は15世紀末(身廊の第2部分)、そして最終期は16世紀半ば(内部の絵画装飾、鐘楼の上部、南側ファサードのポルティコ)である。

教会内部
ラテン十字のプランで、半円形の後陣を持つ。身廊の第1部分は交差部となっており、その上にはSan Pedro de Tejadaの塔を模倣して設計されたらしい塔がそびえる。勝利アーチは、興味深い柱頭を持つ一対の半円柱の上にある。二つのアーチは翼廊に通じており、翼廊は大規模なロマネスク建築に見られる三後陣を模倣した小後陣を持つ。内陣には、二つの壮麗な葬祭用アーチがあり、そのうちの一つには、Alfonso García de Bárcena大修道院長の墓がある。その壁を覆う卓越した絵画的アンサンブルは、15世紀から16世紀にかけてのものである。

後陣、持ち送り、扉口
外部では、後陣が注目の中心で、物語性のある柱頭、窓、動物や人物をあしらった興味深い図像を示す優れた持ち送りがある。ポルティコによって守られた後期ゴシック様式の扉口が開き、その上には碑文が刻まれた墓石が立っている。

この後も、案内板を引用するときは太字で書きます。

平面図

現地には平面図が見当たりませんでした。Románico Digital による平面図です。東が右です。

Románico Digital による平面図

さっそく、見学です。

東側外観(持ち送り)

後陣の持ち送りと柱頭をみます。後陣に、持ち送りは10個、柱頭は2個あります。

1:弦楽器奏者、だと思います。

私が一番好きな持ち送りです。傾けた頭や柔らかい表情が、音色を楽しんでいるように見えます。細く美しい指先も良いです。

持ち送り1

2:長い袖の衣服を着た女性、3:縦笛奏者、4:槍を持ち角笛を吹く男性、だと思います。

角笛を吹く男性が槍を持っている持ち送りは、エル・アルミニェ(El Almiñé)にもありました。別の石工の作品のようでした。よく使われたモチーフだったのかもしれません。

持ち送り2
持ち送り3
持ち送り4

5:イヌ、6シカ、7:四足獣、だと思います。

持ち送り5
持ち送り6
持ち送り7

8:ブタ、9:四足獣、10:鳥

10:鳥がね、大きな頭で小さいクチバシで、かわいいんです。

持ち送り8
持ち送り9
持ち送り10

柱頭をみます。

柱頭1は、男性が右手に動物の首を、左手に槍を掴んでいます。その動物は、腰の辺りを別の動物(イヌ?)に噛まれています。噛みついている動物は、首輪をしているように見えます。男性は、槍の穂先を、動物たちに当たらないように上に向けています。

柱頭1

柱頭2は、4羽のニワトリが一対ずつ向かい合っています。

柱頭2

持ち送りも柱頭も、シンプルな線で、優雅に彫ってあります。とても素敵です。

内観(柱頭彫刻)

鍵守りの婦人が来ました。教会の中に入ります。

ゴシック様式の南扉口から教会の中に入りました。

交差部にて東を向く
交差部にて西を向く

交差部、そして内陣(勝利アーチ)に合計8個の柱頭があります。

身廊に近い方から順にみます。

身廊と交差部の間にある二つの柱頭です。

北側にはX字の間に動物たち。南側には植物の間に男性の顔が二つ。

身廊と交差部の間(北側)
身廊と交差部の間(南側)

交差部(北西側)には、このあたりでよく見る、葉に包まれた丸い果実のような形がたくさん。

交差部(南西側)には、植物とバスケットのような模様。

交差部(北西側)
交差部(南西側)

交差部(北東側)には、様式化した植物のような模様。

交差部(北東側)

交差部(南東側)には、何やら恐ろしい姿。男性のように見えますが、頭に2本の角があります。彼は両足を開いていて、両足の足先は奇妙な顔に噛まれています。

交差部(南東側)

勝利アーチ(北側)には、2人の人物が足を開いて座っています。彼らは、両手で小さな頭のようなものから出ているものを持っています。

勝利アーチ(北側)

勝利アーチ(南側)には、振り返る四足獣がいます。その隣には、剣とカイト・シールドを持つ兵士がいます。

勝利アーチ(南側)

それぞれの柱頭彫刻にはきっと意味するところがあったのだと思いますが、想像するしかありません。

Iglesia de San Andrés。外観では持ち送り、内観では柱頭彫刻が素晴らしいです。

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