Colegiata de San Martin de Elines、続きです。教会の中を見学します。
Colegiata de San Martin de Elines については、以下のように2回に分けて書いています。
<1> 外観
<2> 内観
目次
平面図 . .
内観(回廊) .
内観(交差部)
内観(内陣) .
内観(後陣) .
平面図
前回<1>に載せた平面図を再掲します。教会の中の様子が分かりやすくなると思うので。
Románico Digital による平面図です。東が右です。
さっそく、見学です。
内観(回廊)
教会に入るには、回廊を経由します。
この回廊は、16世紀に、以前の取り壊しで出た資材を使って再建されたものである。
ロマネスク様式の美しい石棺の蓋や洗礼盤が展示されています。
石棺の蓋には1183年にペドロ大修道院長が亡くなったことが記されている。
北壁には、プレ・ロマネスク(9〜10世紀のモサラベ様式)の窓があります。
簡素な装飾があります。
こちらは13世紀のものですが、他の見学者たちがとても注目していたことが印象的だったので、載せます。
これは、ゴシック様式の天蓋が保護する、1231年の石棺である。石棺の蓋に描かれた剣は騎士(貴族)であること、帆立はサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼を全うしたことを示している。何十年もの間、遠方から来た巡礼の騎士が修道院に立ち寄った際に亡くなったと考えられていた。最近に行われた研究では、この石棺はエル・シド(El Cid)の母方の子孫である Rodrigo Pérez Manrique のものであるという仮説が立てられている。
エル・シド(El Cid)は、11世紀後半のレコンキスタで活躍したカスティーリャ王国の貴族です。
ロマネスクに話を戻します。
こちらは正確な年代は分かりませんが、ロマネスク様式の石棺です。壮麗な装飾が施されています。
写真に少しだけ写っている黒い服は、ベネディクト会の僧服だと思います。僧服を2体の人形に着せて置いてありました。
回廊は、ベネディクト会修道士も歩いた場所です。
内観(交差部)
教会の中に入りました。
わお。
身廊と交差部の間にある柱頭彫刻をみます。
身廊から見て左(北)側には、向かい合う獅子たちが描かれています。同じ柱頭の別角度には、獅子を裂くサムソン(旧約聖書の『士師記』14章)が描かれています。
向かい合う獅子たちの図は、獅子の穴の中のダニエル(旧約聖書の『ダニエル書』6章)かもしれません。
身廊から見て右(南)側には、東方三博士の礼拝(新約聖書の『マタイによる福音書』2章)が描かれています 。同じ柱頭の別角度には、幼児虐殺(新約聖書の『マタイによる福音書』2章) が描かれています。
聖母マリアが美しいです。
内観(内陣)
交差部と内陣の間にある勝利アーチの柱頭彫刻をみます。
身廊から見て左(北)側には、男性と2頭の獅子が描かれています。同じ柱頭の別角度には、獅子にまたがる男性が描かれています。
身廊から見て右(南)側には、松ぼっくりが描かれています 。同じ柱頭の別角度には、人々を食う2頭の獅子が描かれています。
私は松ぼっくりと書きましたが、ぶどうかもしれません。
内陣には他にも窓や盲アーチの下に柱頭彫刻がありますが、割愛します。
内観(後陣)
後陣は、内陣から続くフリーズやアーチの装飾がすごく美しいです。
後陣には、ロマネスク様式の壁画があります。
カンタブリアで唯一の、12世紀に描かれたロマネスク壁画の原画である。
後陣の柱頭彫刻をみます。後陣の下の層には五つの柱頭彫刻があります。
気になるのは、後陣1で、飛んでいるように見えるこの人。
躍動感があって、素敵です。
他に気になるのは、後陣5のこの2人。武器を持って戦っています。
実は、後陣5は、どうやら反対側も戦いの図なんです。
2人は足を交差させ、向かって右の人は向かって左の人の右腕と左足を持っています。向かって左の人は、左手で、向かって右の人の頭を触っています。
素手で戦っているようです。
前回に教会の外側で見た内陣の持ち送りのひとつが似た構図でした。この持ち送りも、素手で戦っている図なのかもしれません。
<1> と<2>の2回にわたって書いた Colegiata de San Martin de Elines、終わりです。
外観では身廊、内陣、後陣とランタン、内観では回廊、交差部、内陣と後陣が素晴らしいです。
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