2022年12月11日(日)、四番目の目的地はClasse。Basilica di Sant’Apollinare in Classeです。
ここは、モザイクが圧巻です。チボリウムや石棺たちも素晴らしいです。
ラヴェンナの南東約8kmの小さな町にあるBasilicaです。ラヴェンナ市内の他の建築物とともに「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」として1996年にユネスコの世界遺産に登録されています。
毎日開いています。有料(€5)です。
月曜~土曜 8:30~19:30
日曜と祭日 13:30~19:30
*祭日は12月8日、12月26日、1月1日と1月6日です。
(2022年現在)
目次
Classe へ .
概要 .
鐘楼 .
内観全体 .
石棺 .
チボリウムと床モザイク .
地下聖堂(入れません) .
モザイク .
アルファベットは、基本的にイタリア語またはラテン語です。
Classe へ
私はカンピアーノ(Campiano)から北に約15km、16分ほど運転して、壮大な教会が鎮座する村に着きました。12:30頃のことです。
教会の北側にある無料公共駐車場に車を停め、この日は日曜でしたから、13:30まで教会が開くのを待ちました。
概要
教会の中に詳しい案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
Basilica は、ラヴェンナの聖職者の希望により、後援者 Giuliano Argentarius の資金援助を受けて建設され、549年5月9日に司教 Massimiano によって奉献された。
この建物の素晴らしさは、540年のビザンチンによるラヴェンナ征服の結果、教会の権力が強化されたことに関係している。ゴート族の支配とアリウス信仰の拡大後、ラヴェンナでは正統性が再確立された。この時代、ユスティニアヌス帝から直接任命された大司教(arcivescovo)の Massimiano は、この Basilica を初代司教で殉教者の Apollinare の栄誉に捧げる場所とした。
この建物の構造は、ラヴェンナと東地中海の文化的対話を際立たせている。「giulianei」と呼ばれる典型的な細長いレンガで構成された石組み、外側は多角形で内側は円形の後陣、パストフォリア(pastophoria)の特徴的な付属建築物、そして、鐘楼である。
この後も、案内掲示を引用するときは太字で書きます。
鐘楼
円形の鐘楼が美しいです。
イタリア文化省エミリア・ロマーニャ州博物館総局のサイト(ちなみに、このサイトにて入場チケットをオンライン購入できます。)によると、高さは37メートル以上あって、10世紀の建築と考えられるそう。
13時半になったのでBasilicaの中に入ります。
内観全体
息をのみました。圧巻です。
側廊に、石棺がいっぱい置いてあります。
石棺
通路に置かれた石棺は、5世紀から8世紀にかけてのラヴェンナの彫刻の発展を物語っている。いわゆる「十二使徒の石棺」は5世紀のもので、優れた技巧の浮き彫りが施されている;正面には、初期キリスト教の石棺によく見られる「トラディティオ・レギス(Traditio Legis、法の授与)」をテーマとした構図が描かれている。
中央にキリスト、向かって右隣に十字架を肩に担いだペトロ、向かって左隣に巻物を受け取るパウロが描かれています。
惜しみなく四方に浮き彫りが施されていて、その迫力は抜群です。
後期の石棺では、孔雀や子羊といった古い図像の要素が簡略化された構図で繰り返され、エレガントな浮き彫りや厳格なシンメトリーが少ないことが特徴である。
たぶん、こういう石棺のことを言っていると思います。
これは、これで、かわいいから私は好きです。
チボリウムと床モザイク
バシリカの内部には、オリジナルの床モザイクが大きく二つ残っている。
北側身廊にあるものは、消失した chiesa di Sant’Eleucadio から持ち込まれた、9世紀のチボリウムがその上に乗っている。
チボリウムの彫刻が、素晴らしいんです。
素朴で美しいです。
地下聖堂(入れません)
内陣の下に地下聖堂がありますが、入ることはできないようです。
9世紀には、後陣部分に中央回廊を持つ半環状地下聖堂がつくられ、内陣が高く配置された。構造上、この地下聖堂はもう安全基準を満たしていない。
モザイク
勝利アーチは、6世紀から12世紀にかけての五つの横帯に分かれている。
中央にイエス、その両側に四福音書記者の象徴が描かれています。
最近の修復により、この第1エリアは6世紀のものであることが判明している。
7世紀に制作された第2エリアでは、キリストの肖像画に向かって昇る2列の子羊が描かれている。使徒たち、すなわち教会を象徴し、彼らがベツレヘムとエルサレムの双子の都市から出現してくることを示している。
7世紀に制作された第3エリアではなつめやしが描かれ、6世紀に制作された第4エリアでは大天使ミカエルとガブリエルが、豪華な儀式用の衣をまとい、三位一体を賛美するギリシャ語の銘が入った旗を携えている。
下段の第5エリアでは、2人の使徒を表す胸像が描かれているが、これはほとんどが12世紀の修復によるもので、壁の湿気によるテッセラの剥離のために必要になったものである。
後陣の上方では、神の手が雲から浮かび上がる。両側にはモーゼとエリヤの胸像と3匹の羊(使徒ペトロ、ヤコブ、ヨハネ)がいて、変容を象徴している。
神の手の下には十字架があります。よくみると、宝石で飾られた十字架の中央にイエスの胸像があります。
中央には、雄弁の象徴である金の蜂がついた式服と白いチュニックを身につけ、祈る姿勢の Sant’Apollinare の大きな像が立っている。彼の言葉によって、信者である下方の12匹の羊の群れは、至福の楽園にアクセスすることができるのである。
五つの窓の間に描かれているのはラヴェンナの4人の高位聖職者(presuli)のEcclesius, Severus, Ursus, Ursicinusです。Ecclesiusの左には666年に皇帝コンスタンツ2世がMauro大司教に行ったラヴェンナ教会の独立性の承認、または、675年にコンスタンツ4世が Reparato に行った税の免除が描かれています。Ursicinusの右にはアベル、メルキゼデクとアブラハムの奉献が描かれています。(これらの画像は割愛します。)
岩や木、色とりどりの鳥が、花が咲き乱れる楽園的な風景の中にいるのが、私は好きです。
Basilica di Sant’Apollinare in Classe。モザイクが圧巻です。チボリウムや石棺たちも素晴らしいです。
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