カステル・サンテリア(Castel Sant’Elia)

2022年12月4日(日)の最後、五番目の目的地はCastel Sant’Elia。Basilica di Sant’Eliaです。

ここは、外観ではファサードの扉口と後陣、内観では床モザイクとフレスコ画と柱頭彫刻が素晴らしいです。

博物館として運営されています(2022年現在)。 .
月曜 休館 .
火曜 14:00-19:00 .
水曜 15:00-18:00 .
木曜 14:00-19:00 .
金曜 14:00-19:00 .
土曜 9:00-13:00と15:00-19:00 .
日曜 10:00-12:00と15:00-17:00 .
祝日 10:00-12:00と15:00-17:00(ただし、1月1日、8月15日、12月25日は閉館) .
入館料は€5です。 .

目次

Castel Sant’Elia へ .
概要 .
平面図 .
外観:南側、東側(後陣) .
外観:西側(ファサード) .
内観:全体、柱頭彫刻 .
内観:床モザイク、説教壇 .
内観:後陣(フレスコ画) .
内観:地下聖堂 .
Airbnb .

アルファベットは、基本的に全てイタリア語です。

Castel Sant’Elia へ

私はネピ(Nepi)から東に約3km、6分ほど運転して、落ち着いた町はずれに着きました。14:45頃のことです。

南西側外観

この日は日曜でしたから、15時に開館予定。

概要

公式サイトに案内がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

8世紀から9世紀に建設された聖堂は、スッペントニア(Suppentonia)渓谷の中央に位置し、かつて修道院があった場所にある。

この後も、案内板を引用するときは太字で書きます。

平面図

現地には平面図はみあたりませんでした。ゾディアック(Zodiaque) la nuit des temps の『Rome et Latium romans』による平面図です。東が上です。

平面図

開館まで、外観を見学します。

外観:南側、東側(後陣)

南側と東側には墓地があります。

南側外観

東側には、主後陣がひとつ。

東側外観

頂部の装飾が美しいです。

外観:西側(ファサード)

ファサードには、扉口が三つあります。

ファサード

彫刻された古い大理石を再利用したものです。

ファサードの北扉口
ファサードの主扉口
ファサードの南扉口

主扉口の両脇に雄羊がいます。

雄羊

主扉口のまぐさの動物たち。

まぐさ

主扉口の柱の花柄(星柄?)、怪物に噛まれる人、平べったいライオン、情けない表情の人。

花柄(星柄?)、怪物に噛まれる人
平べったいライオン
情けない表情の人

みればみるほど、面白い。

ファサードの北扉口は、断片を組み合わせています。ロンゴバルド時代のチボリウムかな、と思いますが、思い切った再利用のやり方にびっくりです。

ファサードの北扉口

ファサードの南扉口は、バランス良く、きれいにまとまっています。アーチとまぐさの彫刻も、たいへん美しい。

開館しました。さっそく、見学です。

受付で€5を払おうとすると「今日は€2.5です。」とのことでした。第一日曜は値引きしてもらえるのだそう。

内観:全体、柱頭彫刻

三身廊。柱頭を持つ二列の柱で区切られています。

これらの柱は、近くにある古代ローマのvillaにあったものであることが判明している。

身廊にて東を向く

ファサード裏の柱頭だけは、違う様式です。

身廊にて南西を向く

すごく魅力的。

柱頭彫刻(8~11世紀)
柱頭彫刻(8~11世紀)

聖堂の建設の頃につくられたものかもしれません。

内観:床モザイク、説教壇

床にはモザイクがあります。

床モザイク、説教壇

見事です。

床モザイク
床モザイク

説教壇は、大理石のアイテムを組み合わせてつくられたもののようです。

説教壇の階段
説教壇

彫刻はロンゴバルドの特徴を持っているように思います。

内観:後陣(フレスコ画)

後陣は、贖罪のキリストと弟子たちを象徴する12匹の子羊の姿を表すフレスコ画で完全に装飾されている。

後陣

その下には、聖なる乙女たちの行列が、中央の人物に向かっている。全体は明らかにビザンチンの影響を受けており、11世紀に描かれたものである。

後陣

右と左の壁のフレスコ画は、ステファノ(Stefano)とジョヴァンニ(Giovanni)の兄弟(おそらくここに住んでいた修道士のうちの二人)が描いたものと思われる。特に、聖『ヨハネの黙示録』を表現した場面を見ることができる。

フレスコ画

カラフルで、とてもきれいです。

内観:地下聖堂

南側廊から地下聖堂に行けます。

南側廊にて東を向く

地下聖堂には、San Anastasio の墓があります。

Tomba di S. Anastasio
Tomba di S. Anastasio

6世紀に、この場所に修道院を創設した人だそう。

Basilica di Sant’Elia。外観ではファサードの扉口と後陣、内観では床モザイクとフレスコ画と柱頭彫刻が素晴らしいです。

Airbnb

この日の見学を全て終えた私は、北西に40km、50分ほど車を運転して、Viterboという町にあるAirbnbにチェックインしました。台所兼食堂兼居間、風呂トイレ、寝室一つという間取りの、マンションの屋根裏部分です。駐車場はついていないので、徒歩5分の場所にある広い無料公共駐車場を利用しました。

4泊の総額が€ 194.09 EURでした。

Airbnbの台所兼食堂兼居間
Airbnbの台所兼食堂兼居間

私ひとりには十分な広さがあり、もちろん洗濯機もありました。

暖房がよくきいて、あたたかい部屋でした。

バスタブもあったので、久しぶりにゆっくり湯につかることができました。

この日は特に、合計300km(延べ5時間)以上にわたって運転をしつつ、5か所を見学した後でしたから、リラックスできてホッとしました。

“カステル・サンテリア(Castel Sant’Elia)” への2件の返信

  1. イタリア美術史の権威の先生のもとその知人ばかりの内輪なイタリア9日間の旅から昨夜帰国したところです。その先生が最初に選んだ訪問地がここ「カステル・サンテリーア」でした。そのあといくつも壮麗、壮大な教会を巡ることにはなるのですがここを見学した時の衝撃的な感動は忘れることができません。今朝、その旅行の記録の整理にあたって当教会のことを調べてみようとネット検索して Emiliaさんのこのサイトを見つけました。その先生曰く、「まず普通のツァーでは訪れることはない当地」の詳細をここまで詳しく掲載されていることに驚きと感謝を覚え」その気持ちをお伝えしたいと思い一筆啓上させていただきました。

    1. イタリア9日間の旅お疲れさまでした、お帰りなさい。
      イタリア美術はローマ、ルネサンスやバロックなどが注目されがちです。これらは偉大で壮麗ですし、便利な立地に多く残っています。
      そんな中、イタリア美術史の権威の先生が最初に選んだ訪問地が中世だったこと、なんだかうれしいです。
      読んでくださり、ありがとうございます。

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