ル・ピュイ=アン=ヴレ(Le Puy-en-Velay)<8>

2022年9月8日(木)、この日に訪れたのは Musée Crozatier だけです。

ここは、先史時代から現代、さらには科学にいたるまで幅広く扱っている、まさに博物館です。どれも面白いのですが、、、

このページでは、 Cathédrale Notre-Dame-du-Puy(大聖堂)とBaptistère Saint-Jean(洗礼堂)に直接関係するものに限定してご紹介します。このため、2世紀頃から12世紀頃まで、となります。

目次

Musée Crozatier に向かう .
割引チケット〜 .
フロアプラン .
(2世紀または3世紀)大聖堂の後陣外壁の動物の彫刻 .
(2世紀または3世紀)大聖堂の鐘楼の下のブドウの彫刻 .
(4世紀)洗礼堂の石棺前面の彫刻 .
(4世紀?)S字を並べたような彫刻 .
(8世紀〜9世紀)交錯文様を施した台座 .
(10世紀)大聖堂の内陣の彫刻 .
(11世紀?)大聖堂の交差部の柱頭彫刻 .
(11世紀後半~12世紀前半)大聖堂の南翼廊のフレスコ画 .
(11世紀〜12世紀)大聖堂の回廊の柱頭彫刻 .
(12世紀)大聖堂の回廊のフリーズ .
(12世紀?)大聖堂の回廊の柱頭彫刻 .
Le Puy-en-Velay 終了〜 .

Musée Crozatier に向かう

私は駅から徒歩2分の宿を出発し、南西に約1km、15分ほど歩いてMusée Crozatierに着きました。11時頃のことです。

Musée Crozatier 外観

受付で€6を支払います。

〜割引チケット〜

もし、Musée Crozatier を含めて3か所以上に行く場合は、割引チケットがあるかもしれません。2022年には、72時間有効のこんな割引チケットがあって、€12で3か所、€16で5か所全部に入場できました。

対象は以下の5か所でした:
1. Cloître de la Cathédrale
2. Rocher Saint-Michel d’Aiguilhe
3. Musée Crozatier
4. Statue Notre-Dame de France
5. Forteresse de Polignac

それぞれの場所で払うより、割引チケットの方が、€5以上安くなります。

フロアプラン

受付でもらえるリーフレットです。南が上です。

クリックで拡大できます
古代の展示

受付と同じ階に、古代から中世の展示があります。

(2世紀または3世紀)大聖堂の後陣外壁の動物の彫刻

大聖堂の後陣外壁の彫刻の片割れが Musée Crozatier にあります。

<2>の「⑤後陣外壁の装飾」でご紹介した動物の彫刻です。

大聖堂の後陣外壁の方は、雌鹿が後ろをふりかえりながら駆けています。でも、雌鹿の後ろ脚がありません。

その後ろ脚が、Musée Crozatier にあります。

雌鹿がふりかえってみていたのは、大きな角を持つ牡鹿だったようです。

大聖堂の後陣
Musée Crozatier

(2世紀または3世紀)大聖堂の鐘楼の下のブドウの彫刻

大聖堂について書いたときは割愛したのですが、鐘楼の下に、古い彫刻が埋め込まれている場所があります。Musée Crozatierにあるこのプットの彫刻は、それの別の断片。

大聖堂の鐘楼の下の彫刻は、ヘラクレスと恋人たちがブドウを砕くために杵を扱う場面を表しています。

Musée Crozatierにある彫刻の右側では、1人のプットが痛そうに仲間の一人に足を差し出して、とげを抜いてもらっています。左側のプットは、ブドウをかごに入れながら、仲間と話しています。

収穫するプット

(4世紀)洗礼堂の石棺前面の彫刻

石棺の前面、大理石製。Baptistère Saint-Jean(洗礼堂)で発見されました。ガロ・ローマ美術がキリスト教美術につながっていくような作品です。

石棺の前面

(4世紀?)S字を並べたような彫刻

どこにあったものか、わかりません。花崗砂岩製、4世紀?と書いてありました。

<1>の「②南翼廊の東にあるPorche du For」のPorte papaleの上のアーチや、<2>の「⑤後陣外壁の装飾」にある装飾によく似ています。

S字を並べたような彫刻
S字を並べたような彫刻

(8世紀〜9世紀)交錯文様を施した台座

どこにあったものか、わかりません。多色使いの痕跡がある、花崗砂岩製、交錯文様を施した台座と書いてありました。

交錯文様を施した台座

(10世紀)大聖堂の内陣の彫刻

聖域と信者のための身廊とを区別していました。多色使いの痕跡があります。

大聖堂の内陣の彫刻

(11世紀?)大聖堂の交差部の柱頭彫刻

19世紀に大聖堂の交差部で発見された柱頭です。

大聖堂の交差部の柱頭

(11世紀後半~12世紀前半)大聖堂の南翼廊のフレスコ画

これらの三つの断片は、大聖堂の南翼廊のフレスコ画の遺構です。1866年頃の再建時に取り壊され、残っているのは、この三つの頭部だけです。

消失する前に、描かれた水彩画の模写には、旧約聖書と新約聖書が描かれていて、キリストの教えを聞く使徒たちが描かれています。

大聖堂の南翼廊のフレスコ画

(11世紀〜12世紀)大聖堂の回廊の柱頭彫刻

大聖堂の回廊にあった柱頭です。花崗砂岩または玄武岩角礫岩製。

大聖堂の回廊の柱頭

大聖堂の回廊にそっくりなのがありますが、大聖堂の回廊にある柱頭の一部は19世紀につくられたコピーです。

回廊の柱頭
回廊の柱頭
回廊の柱頭

(12世紀)大聖堂の回廊のフリーズ

回廊にあったフリーズです。多色使いの痕跡がある、花崗砂岩製。

回廊のフリーズ
回廊のフリーズ
回廊のフリーズ

(12世紀?)大聖堂の回廊の柱頭彫刻

大聖堂の回廊にあった柱頭です。花崗砂岩製。

回廊の柱頭
回廊の柱頭
回廊の柱頭

Cathédrale Notre-Dame-du-Puy(大聖堂)とBaptistère Saint-Jean(洗礼堂)に直接関係するものに限定して、選び抜いてご紹介しました。

<1>の「②南翼廊の東にあるPorche du For」のPorte papaleじゃない方の扉口にある二つのドアノブはコピーで、そのオリジナルが Musée Crozatier にあると思ったのですが、見つけられませんでした。ロマネスク期の青銅製のドアノブです。)

Musée Crozatier 。ここは、先史時代から現代、さらには科学にいたるまで幅広く扱っている、まさに博物館です。こちらのページでは、そのほとんどを割愛しましたが、すっごく魅力的なロマネスクがたくさんあります。

〜Le Puy-en-Velay 終了〜

全8回に分けて書いた、Le Puy-en-Velay、終了です。
<1>大聖堂(大聖堂のみどころ①〜③)
<2>大聖堂(大聖堂のみどころ⑤〜⑦)
<3>Chapelle Saint-Clair d’Aiguilhe
<4>Rocher Saint-Michel d’Aiguilhe
<5>大聖堂(大聖堂のみどころ⑧)
<6>大聖堂(回廊ガイドツアー⑴⑵)
<7>大聖堂(回廊ガイドツアー⑶⑷)
<8>Musée Crozatier

おかげさまで、とても良い滞在でした。

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