2018年9月の旅行十二日目、三番目の目的地はVauban。シャトーヌフ(Châteauneuf)から北に約7km、車でわずか約10分の道のりです。
ここでの目的はサン=サテュルナン教会(Eglise Saint-Saturnin)。
あっという間に村に着いて教会の近くに車を停めました。まずは周囲を見ます。
北側のfaçadeに近い所には身障者用の駐車スペースがあります。
後陣と鐘楼が良い感じです。私の趣味を言わせてもらうと、あの巨大な聖母像は、いらない。
早速、中へ入ります。
身廊は真っ白に塗られて、すっかり新しい姿です。
リーフレットがありました。それによると、教会(Eglise Saint-Saturnin)は3世紀にトゥールーズの司祭だったサン=サテュルナン(サン=セルナンとも呼ばれる)に捧げられています。
1839年における人口は875人と記録されています。人が増えて教会が狭くなってしまったため1853年から1857年にかけて改築され、古い身廊が取り壊されて再建されました。
12世紀初め頃のロマネスク建築がクワイヤ、後陣と鐘楼に残っていて、クワイヤの柱頭に彫刻があります。
クワイヤと後陣を見ます。
ふっふっふ。良さそうな彫刻があります。
この、顔をくっつけあう4人組み、見覚えがあります。サン=ローラン=アン=ブリオネ(Saint-Laurent-en-Brionnais)でよく似た柱頭を見ました。
ここヴォバン(Vauban)とサン=ローラン=アン=ブリオネ(Saint-Laurent-en-Brionnais)とは、わずか3.5kmの道のり。徒歩でも45分くらいの近さです。
どちらも、そのロマネスク様式が残る部分は12世紀初めに遡ります。この4人組み、その頃この辺りで人気だったのかも。
そして、サン=ローラン=アン=ブリオネ(Saint-Laurent-en-Brionnais)の柱頭は側面にも人物が配されていましたが、ここヴォバン(Vauban)の柱頭は側面には人物ではなく怪物のような動物が配されているのも、興味深いです。
サン=ローラン=アン=ブリオネ(Saint-Laurent-en-Brionnais)では、この柱頭の隣に、あたまガジガジの柱頭がありました(下の写真)。その側面は、ここヴォバン(Vauban)の柱頭の側面によく似ています。
もしかして、ヴォバン(Vauban)では、上の写真の、二つの柱頭を合体させて正面と側面に描いたのかもしれないと私は個人的に考えています。
そんな類似性はさておき、彫刻そのものが実に味わい深くて、見る人の心をとらえます。
サン=サテュルナン教会(Eglise Saint-Saturnin)、すごく面白い柱頭彫刻が迎えてくれます。
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