Talignano の Pieve di San Biagio、続きです。教会の外部を見ます。
外側の概観
ずんぐりとした鐘楼が往時の様子を伝えてくれます。
後陣の姿も、ロマネスク様式です。
軒下のキザギザ、その下のロンバルディア帯、つけ柱。
南西側を見ていると、パトリツィアさんが興味深いことを教えてくれました。
地下通路
教会の南東にある家々と教会とをつなぐ地下通路が、いまも残っているそうです。
この場所には、修道士たちがフランチジェーナ街道を旅する巡礼者たちに物心両面の支援をするために建てた施設がありましたから、施設と教会とを行き来するためのものだったのでしょう。
数百年前、灯りを手にした修道士が地下通路をいく姿を想像して、私の心が中世にとびました。
西扉口の浮き彫り
ファサードに戻り、
西扉口の浮き彫りをみます。
この彫刻は、フォルノヴォ・ディ・ターロやバルドーネに残るロマネスク彫刻と共通する特徴があり、アンテラミ派の訓練を受けた技術者によって制作されたもので、おそらく1200年頃に制作されたものと思われます。
「魂の計量」は、イタリアでは非常に珍しいテーマですが、フランスのロマネスク様式の教会や、スペインのコンポステーラへの道にある教会では、よく見られます。
構図の中央にある天秤は、裁きを受ける魂を象徴する二つの頭を皿の上に乗せており、右には悪魔たち、左には剣を抜いた大天使ミカエルという、告発者と弁護者の2人の敵対者によって支えられています。
これは、善と悪の戦いです。
悪の側には、上にいる悪魔が片手で天秤を押し、足元にうずくまっている悪魔がフックで引きずり下ろしています。こうした悪魔たちの行いは、うそや欺瞞を示します。
哀れにも、悪魔の尻尾の下には、すでに悪の側に落ちた一人の人物の頭があります。
それでも、天秤は善の側に傾いているように見えます。善が勝利をおさめようとしているのでしょう。
この教会は聖ミカエルにではなく、聖ブラシウスに捧げられています。このため、この浮き彫りは16世紀に熱心な司教の要請で取り外され、西扉口の装飾は聖ブラシウスのフレスコ画にかえられました。
この浮き彫りは、しばらく地面に放置されたままでしたが、
隣の農家でパンを焼くための石として使われ、、、
聖具室の壁にかけられると、わんぱく小僧たちに雪玉の的にされ、、、
教会の内壁にかけられると、カーテンで覆われ、、、
ようやく1932年に元の場所に戻され、この小さなロマネスク教会を訪れるおおくの人々から賞賛されています。
Talignano の Pieve di San Biagio、丘の上の小さな集落にあるロマネスク教会です。教会の中に非常に古い愛らしい鉢があり、西扉口に見応えのあるロマネスク様式の彫刻があります。
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