Talignano の Pieve di San Biagio、続きです。教会の内部を見ます。
西扉口の前で、約束の時刻5分前に来てくれたパトリツィアさんに会い、教会を見学させてもらうことに。
北側へと歩きます。
鐘楼下の、小さな北扉口の鍵を開けてくれました。
フロアプラン
構造が分かりにくいと思うので、ゾディアック(Zodiaque)の la nuit des temps によるフロアプランを載せます。
フロアプランの、左上の正方形が鐘楼です。ここの扉口から教会の中に入りました。
教会の中の概観
教会の外側とくらべると、内側は、あまりロマネスク様式を感じません。
おそらく、何世紀もの間に天井がいくどか崩落して、改築したためです。最後の崩落は1877年で、このときに石積みのヴォールトに改築され、今のような姿になりました。
身廊の側壁に窓が五つあるんですが、よく見ると、やわらかな光がさしています。
パトリツィアさんによると、はめこんであるのはガラスではなく、アラバスター(雪花石膏)だそう。
なんだか、良いわあ。
聖職者の場所
聖職者の場所に、後陣は一つです。
教区教会として、毎週土曜19時から聖ミサが行われていますから、しつらえも現役ばりばりです。
非常に古い鉢
そして、教会内部での私の楽しみは、こちら。
持ち運ぶための持ち手は、尾を噛む2匹の蛇で、永遠を象徴する円を描くような姿です。
西暦1000年頃のものと言われる非常に古い鉢で、元々はふたがついていた(壊れてしまった)ので、おそらく聖餐式のランプの油を入れていたものと考えられています。
聖水盤として使われた時期もありました。
中庭で鶏の水飲みに使っていた家から教区司祭が回収したものだそう。
この家はタリニャニ(Talignani)という姓を持ち、何世紀にもわたってこの家の人々がだいだい受け継いできましたが、それが神聖なものとして教会に置かれるということで納得し、引き渡しに応じた、とのこと。
同じような鉢がもうひとつあるんですが、そちらは保存状態が悪いです。
こちらの鉢には、持ち手に、人の顔が描かれています。
片方の持ち手が破損して修繕したっぽいんですが、そのときに描いたのか、反対側の顔は、印象が違います。
まあ、かわいいから、いっか。
次回、教会外部を詳しく見ます。
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