Parrocchia San Geminiano、続きです。最後に洗礼盤を見ます。
洗礼盤
直径が約1メートル、高さが約70センチメートル。
北側廊の西端の、階段の上に設置してあります。
東西南北の4か所に5人の人物が描かれています。
東面に描かれているのは、祝福する司祭と福音書を持ち上げるのを手伝う人のようです。
これらの彫刻はおそらく、6本の柱の柱頭彫刻と同じ職人による仕事です。簡素だけれども、とても表情が豊か。
南面に描かれているのは、右手に十字架をもち、左手につり香炉をもつ助祭のようです。
西面に描かれているのは、大きいろうそくを持つ人で、ろうそくには火がともっているようです。
北面に描かれているのも、大きいろうそくを持つ人で、ろうそくには火がともっているようです。
かすかに微笑むくちもとや、小さい手がキチッと神聖なつとめを果たしている様子が、もう、たまりません。
Parrocchia San Geminianoのロマネスク様式の彫刻は、やわらかで簡素な表現です。
そこに写実性は無く、鬼気迫る大迫力や精緻な技巧とは対極にあります。人によっては物足りないとか、稚拙だとか、感じるかも知れません。
私は、この味わい深い彫刻が良いと思います。
内部の見学を終えてファサードに行くと、先ほどの男性が飾りつけの仕事を終えて、イルミネーションが輝いていました。
小さな村の小さな教会です。村で出会ったひとりひとりが、とても優しくて、
(私がトイレを使わせてもらおうとバルに行ったら、店員が「トイレに行きたいのに、何か飲み物を注文するって?そんなの、いらないよ!さあ、トイレはここですよ。どうぞどうぞ!」なんて言ってくれちゃう)
温かい、何度も来たくなる村です。
この村には、ロマネスク彫刻がずっと大切にされていて欲しいです。
Parrocchia San Geminiano、悶絶するほどに愛らしいロマネスク彫刻を楽しめます。
ホテルにチェックイン
この日の見学を終えて、パルマ(Parma)に移動し、チェックインしたのはこちらの宿。
Hotel NH
Viale Paolo Borsellino, 31, 43122 Parma
洗濯機もキッチンもついていない、駅前ホテルです。バスタブ付きの部屋をリクエストして、二泊総額€162でした。電車駅の真横なので(特にレンタカー返却後の)移動が便利でした。
五日目、12月10日(火)の旅路
五日目、12月10日(火)に見学したのは、以下の四箇所でした。
11. ヴィゴロ・マルケーゼ(Vigolo Marchese)
12. カステッラルクアート(Castell’Arquato)
13. フィデンツァ(Fidenza)
19. ヴィコフェルティレ(Vicofertile)
次回は六日目、12月11日(水)の見学について書きます。
ターロ川に散りばめられた珠玉のロマネスク教会の数々をご紹介します。
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