Castell de Mur の見学を終え、隣にある Església de Santa María de Mur の見学に向かいます。東に100m、徒歩1分の距離。
さっき行った受付のある入口から入って、そのまま、まっすぐ奥に進みます。
階段を上がって左に、トイレがあります。(城の中のトイレは使えませんが、ここのは、ちゃんと使えます。)
フロアプラン付き案内板がありました。
階段を上がって正面に、回廊。
南西の角から北方向を向く。
教会は1057年頃、Pallars の伯爵によって設立されました。回廊は12世紀から13世紀のロマネスク様式です。なーんて話をきいているとこ。
南廊に移動して北西を向く
人が居なくなった後、北西の角から南東を向く
西廊から東を向く
回廊の南東の角にある扉口から教会に入れます。
三身廊ですが、向かって左にある北側廊の保存は完全ではありません。
南側廊は、比較的よく保存されています。
主後陣と南小後陣には、それぞれフレスコ画がありますが、両方とも複製です。
1960年頃、時の司祭が雨漏りをなんとかしようと、普請資金のためにフレスコ画を売ったのだそう。
オリジナルはイタリア人の技術を使って剥がされ、美術館に移設されました。
南側廊の、上に設けられた通路を進みます。
南側廊には、小後陣の周囲にもフレスコ画が残っています。
でも、小後陣のフレスコ画は複製。
オリジナルはバルセロナのカタロニア国立美術館に移設展示されています。
Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona で、2019年9月5日に撮った写真がこちら。
比較的よく残っている部分を拡大。
表情の繊細さ、衣の鮮やかさ、手足の表現、とても良いロマネスク美術です。
見学は、南側廊から身廊に移動。
後陣を背にして主扉口を向く
主後陣を見ます。
フレスコ画は複製ですが、オリジナルの顔料の一部は奥にしみこんでおり、表の層を剥がした後も、ここに残りました。
窓から差し込む明るい自然光が良い照明効果をもたらします。
12世紀に、この山頂の教会で鮮やかなフレスコ画を見上げた人は、どんな祈りを捧げたのか。
主後陣のフレスコ画のオリジナル(12世紀)は、アメリカのボストン美術館にあります。
Museum of Fine Arts in Bostonの公式サイトからダウンロードした画像がこちら。
荘厳なのに、軽やかさも感じられる、リズム間に溢れる描写。色彩は気品に満ちて鮮やか。カタルーニャ・ロマネスク美術の傑作の一つと思います。
これらのフレスコ画がある、主後陣と南小後陣は、外から見ても美しい。
外に出て、教会の東側に行ってみましょう。
Església de Santa María de Mur。山頂の教会です。残念ながら主後陣と小後陣のフレスコ画はオリジナルではありません。でも剥がされずに残っている部分や立地を含め、佇まいが味わい深く、美術館だけでは分からない、ロマネスク美術のありようが伝わってきます。
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