バリオ・デ・サンタ・マリア(Barrio de Santa María)

2024年9月10日(火)の最後、四番目に訪れたのはBarrio de Santa María、Ermita de Santa Eulaliaです。

ここは、パレンシアのロマネスク様式の宝石のひとつです。後陣の窓の彫刻が素晴らしいです。

Ermita は閉まっていました。私は Ermita の中に入りませんでした。

目次

1. Barrio de Santa María へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
5. 外観(北扉口) .
6. 外観(後陣の窓) .

1. Barrio de Santa María へ

バリオ・デ・サンタ・マリア(Barrio de Santa María)は、カスティーリャ・イ・レオン州パレンシア県にある村で、県都パレンシアの約90km北にあります。

Ermita は、貯水池(Embalse de Aguilar)の左岸沿いの地方道路の南にあります。

北側遠景

2. 概要

教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

廃村となった中世の村と同じ名前を持つ旧教区教会で、1966年に歴史的芸術的記念物に指定された。パレンシアのロマネスク様式の宝石のひとつである。
その調和のとれたコンパクトな構造は、パレンシア北部の山岳地帯のロマネスク様式を形作り、定義づけている。
その平面図は、半円形の聖堂後陣で終わる単一の身廊で構成されている。その主扉口は北側に開いており、この種の建築物としては珍しい。窓のひとつには、アダムとエバと楽園の木として知られる、非常に美しく自然主義的な柱頭が保存されている。内部では、身廊、内陣、後陣が階段状に配置されており、建物全体に特別な遠近感を与えている。
後陣は殻型アーチで覆われ、その他の部分は半円アーチで覆われている。
13世紀のロマネスク様式の壁画の残骸が今でも見られ、四福音書記者の象徴を伴った、色彩豊かな全能者(パントクラトル)の姿がうかがえる。
また、内陣の南側の壁には、使徒たちの一部や天国と地獄の場面、その他の登場人物たちが描かれている。

この後は、Románico Digital を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

Románico Digital による平面図です。東が右です。

Románico Digital より

4. 内観

私は Ermita の中に入っていません。Románico Digital による画像です。

後陣の壁と身廊の南側壁の一部を飾る興味深い絵画群を内部に保存している。それらは、十字架、鋸歯、チェッカー模様など、さまざまな幾何学模様で装飾された帯で区切られた、一連の場面を表している。ミンゴランセ・イ・リカルト(Mingorance i Ricart)によれば、この図像は最後の審判と地獄の罰を表している。
全体的に、使用されている色彩は非常に限られており、黄土色、赤、青、黒、白が主流である。その年代についてはさまざまな意見がある。ガルシア・ギネア(García Guinea)は、それらが教会建設(13世紀初頭)と同時代のものであると考えているが、スレダ(Sureda)は13世紀後半のものだと見なしている。一方、ミンゴランセ(Mingorance)は、これらの絵画をゴシック様式(1300年頃)とみなし、「新しい様式をまだ完全には吸収していない二流の親方」によって制作されたものであり、民衆的な色合いが強い作品であるにもかかわらず、顕著な線描と強力な物語性を特徴としていると評価している。いずれにせよ、この絵画は、パレンシア県で最も興味深く、最も保存状態の良い中世の絵画群のひとつとみなすべきである。ロヘンディオとロドリゲス(Lojendio y Rodríguez)によれば、建築、絵画、彫刻の共生により、この建物は「パレンシアで最も美しく、最も完璧に設計された記念碑のひとつ」となっている。

Románico Digital より

5. 外観(北扉口)

北扉口をみます。

アーキヴォルトは、優美な植物の柱頭を冠する4本の半円柱と4本の円柱で支えられています。扉には、中世の金属細工の一部が残っています。

北扉口

6. 外観(後陣の窓)

東に行きます。

後陣の窓の彫刻が素晴らしいです。

南東側外観
後陣南窓

後陣南窓をみます。

ティンパヌムには、半円形が彫られています。

後陣南窓

柱頭には、向かい合うハルピュイア、グリフォンとライオンの戦い、が彫られていると思います。

後陣南窓:左(南)側の柱頭

柱頭とアーチの間にある冠飾りには、波状の茎が彫られていて、真珠のような模様や2本の溝で装飾されています。レボジェド・デ・ラ・トレ(Rebolledo de la Torre)を思い出します。

後陣南窓:右(北)側の柱頭
後陣中央窓

後陣中央窓をみます。

ティンパヌムには祝福する天使が彫られていて、柱頭には様式化された植物が彫られていると思います。

後陣中央窓
後陣北窓

後陣北窓をみます。

ティンパヌムには半円形が彫られています。

後陣北窓

柱頭には、様式化された植物、「アダムとエバ」(『創世記』3章)、が彫られていると思います。

ポサンコス(Pozancos)の作品も同様の図像でしたが、別の石工による彫刻のようです。

後陣北窓(「アダムとエバ」の柱頭)

Ermita de Santa Eulalia。パレンシアのロマネスク様式の宝石のひとつです。後陣の窓の彫刻が素晴らしいです。

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