バルバディージョ・デ・エレロス(Barbadillo de Herreros)

2024年9月5日(木)、三番目に訪れたのはBarbadillo de Herreros、Ermita de los Santos Cosme y Damiánです。

ここは、後陣外観の装飾が素晴らしいです。

Ermita は閉まっていました。私は Ermita の中に入りませんでした。

目次

1. Barbadillo de Herreros へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
5. 外観(後陣の持ち送り) .
6. 外観(後陣の柱頭) .
7. 外観(後陣の窓) .

1. Barbadillo de Herreros へ

バルバディージョ・デ・エレロス(Barbadillo de Herreros)は、カスティーリャ・イ・レオン州ブルゴス県にある村で、県都ブルゴスの約50km南東にあります。

Ermita は、村の集落から2.75kmほど北東に離れた場所にあります。

私は、村の集落からナヘラ(Nájera)に向かう道(BU-825)を2.5kmほど進んで車を停め、そこから北へ伸びる未舗装の道(Cmo. de Los Martires)を1kmほど歩きました。

未舗装の道(Cmo. de Los Martires)を進む

樫の林の中にひっそりと佇むのが、Ermita de los Santos Cosme y Damián です。

南西側外観

殉教者礼拝堂(Ermita de Los Martires)とも呼ばれています。

2. 概要

Románico Digital による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

バルバディージョ・デ・エレロス(Barbadillo de Herreros)は、デマンダ山脈(Sierra de la Demanda)の中心部に位置する。地名「デ・エレロス(de Herreros)」は説明不要だ。この地域には金属の採掘や加工に関連する地名が数多く存在するからである。ペドロソ(Pedroso)川の流路を利用した冶金活動の痕跡は今もこの村に残っている。

この村に関する最初の文献は1027年にさかのぼる。そこでは、ウラカ王女(infanta Urraca)がこの土地の権利を購入したことが記されている。また、1044年にライン・ゴンサレス(Laín González)がサン・ペドロ・デ・アルランサ修道院(monasterio de San Pedro de Arlanza)に寄贈した山岳地帯の村のひとつとして言及されている。

殉教者礼拝堂(Ermita de Los Martires)は、バルバディージョ・デ・エレロス(Barbadillo de Herreros)とモンテルビオ・デ・ラ・デマンダ(Monterrubio de la Demanda)との間にあり、山の斜面に位置する。

Ermitaは、廃村となった集落で唯一残された建造物である。失われた村の名前は、杳として知れない。

この後も、Románico Digital を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

Románico Digital による平面図です。東が右です。

Románico Digital より

4. 内観

私は Ermita の中に入りませんでした。Románico Digital による画像です。

Románico Digital より

山岳部の教会に多く見られる堅牢な石積みで造られており、単身廊と内陣から成る。身廊は大規模な改築を経て、現在は屋根梁で覆われている。

建物の崩壊により、身廊から内陣へと続く勝利アーチは失われた。現存する支柱から判断すると、その勝利アーチは西側に向かって広がっていたに違いない。

5. 外観(後陣の持ち送り)

主な装飾は、後陣に集中しています。

後陣の軒下には持ち送りと柱頭、そして後陣の窓にも彫刻があります。

南東側外観

後陣の持ち送りを四つご紹介します。

持ち送り1: 人間の頭を食う動物の頭部 、持ち送り2: 樽から飲む男性、だと思います。

持ち送り1
持ち送り2

持ち送り3: 様式化された植物、持ち送り4: 円筒形、だと思います。

持ち送り3
持ち送り4

6. 外観(後陣の柱頭)

後陣には、柱頭が二つあります。

北東側外観

後陣の柱頭をご紹介します。

後陣の柱頭1: 2頭の猫のような動物です。ライオンかもしれません。

後陣の柱頭1

後陣の柱頭2: 編み込み模様と様式化された植物だと思います。

後陣の柱頭2

7. 外観(後陣の窓)

いちばん装飾に凝っているのが、後陣の窓です。

後陣の窓

後陣窓の柱頭には、二股人魚や植物模様が彫られています。

二股人魚は、荒々しい姿で、ハラミージョ・デ・ラ・フエンテ(Jaramillo de la Fuente)の扉口の柱頭を思い出します。

後陣窓の柱頭(二股人魚)

後陣窓のもうひとつの特徴が、ティンパヌムです。

後陣窓の開口部の上に、浮き彫りがあります。

後陣窓(ティンパヌム)

このようなティンパヌムは、Neila(Iglesia de San Miguel)や ビスカイノス(Vizcaínos)(Iglesia de San Martín de Tours)といったシエラ(Sierra)派のロマネスク教会にあります。

「Sierra」はギザギザに連なる山々を指す言葉です。これらの教会はデマンダ山脈(Sierra de la Demanda)にあります。

この Ermita と他のシエラ(Sierra)派のロマネスク教会とは、その装飾が類似しています。このため、この Ermita は12世紀に建てられたと思います。

Ermita de los Santos Cosme y Damián。後陣外観の装飾が素晴らしいです。

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