2024年8月18日(日)、唯一訪れたのはCefalù、チェファル大聖堂(Duomo di Cefalù)です。
ここは、後陣のモザイクと回廊が必見です。
世界遺産「パレルモのアラブ=ノルマン様式の建造物群及びチェファルとモンレアーレの大聖堂」の一部で、ノルマン人がシチリア島を支配していた時代(1130年~1194年)に建てられた九つの宗教的・市民的建造物群のひとつです。
2024年、大聖堂は毎日8:00〜13:00と15:00〜18:00に開いていました。後陣のモザイクをよく見られるように内陣に入るためと、回廊に入るためには、入場券(€10)が必要でした。
目次
1. Cefalù へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観(身廊) .
6. 内観(交差部) .
7. 内観(後陣) .
8. 内観(回廊) .
1. Cefalù へ
チェファル(Cefalù)は、ティレニア海沿岸にあるシチリア州パレルモ県の町で、州都であり県都であるパレルモの約58km東にあります。
大聖堂は、ティレニア海を望む岩山の裾にあります。

大聖堂前の広場(Piazza del Duomo)では、飲食店が繁盛していました。
2. 概要
教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
大聖堂は、1131年にノルマン王ルッジェーロ2世の命により建設された。難破から生き延びることができたら教会を建てるという彼の誓いを果たすためである。「もし私が波から無事に逃れることができれば(中略)救い主と使徒の名誉と栄光のために、私は神殿を建て、ローマ教皇の許可を得て司教座を置く」。 時が経つにつれ、その建設は様々に変化し、ルッジェーロ2世の当初の計画とは、やや異なるものとなった。
大聖堂は、三つの後陣を持つラテン十字形のバシリカ式の平面を持ち、三つの身廊はそれぞれ8本の円柱2列の上にアーチで仕切られている。屋根は木製のトラスで支えられている。交差部と翼廊は身廊よりも高く、フランスとイギリスの遺産である典型的な北欧・ノルマン様式を反映している。内部には、年代の異なる三つのグループに帰属するモザイク画があるが、これらはビザンチン建築家と労働者によって制作されたもので、当方風の装飾とは対照的に、北欧・ノルマン建築様式に強く影響を受けている。その結果は洗練されたものとなり、ビザンチン様式のモザイク芸術の典型的な表現のひとつである「パントクラトル(全能者)のキリスト」を鑑賞することができる。キリストは、福音書の中で自らを「世の光」と宣言し、裁きを下す師である。ラテン語とギリシャ語の「私は世の光である。私に従う者は闇の中を歩かず、命の光を持つだろう」という一節が引用されている。
この後も、案内板を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
案内板による平面図です。東が左です。

1. 祭壇
2. 十字架
3. 大司教座
4. 内陣と参事会員のクワイヤ
5. プロテシス
6. ディアコニコン
7. 洗礼盤
8. 説教壇
9. 復活祭用燭台
4. 外観
大きな階段の向こうに二つの塔が聳えています。

二つの塔は、まるで要塞のような印象を与えます。

上部は、ギザギザの入った、凝った盲アーチで装飾されています。

豊かに彫刻された大理石の扉口は、なんだか王宮っぽい。

5. 内観(身廊)
大聖堂の中に入ります。

復活祭用燭台
身廊の右(南)側に復活祭用燭台があります。

上部の彫刻は、膝を噛まれる人たちと、彼らに踏みつけられる人たち。

翼を広げる鷲が1羽。

下部には、2頭のライオン。

洗礼盤
復活祭用燭台の隣に、洗礼盤があります。

ライオンたちが彫られています。

6. 内観(交差部)
交差部は、柱頭彫刻が良いです。

人物たちが植物に絡まっています。

7. 内観(後陣)
南小後陣で入場券を提示すると、内陣へと行くことができます。
教会内陣の壁を覆うモザイク装飾には、中央に大きな後陣があり、そこにはパントクラトル(全能者)のキリスト(1148年)の堂々とした姿が、非常によい状態で保存されている。

キリスト、ど迫力。

天使たち、神々しい。

8. 内観(回廊)
回廊に行きます。

大聖堂には、装飾された柱頭をもつ対の円柱が並ぶ優雅な回廊が併設されている。シチリア島におけるロマネスク彫刻の最も素晴らしい例のひとつである。

ダブルの円柱は、装飾が施されたものもあります。

柱頭は、植物、渦巻き模様、動物、天使、幻想的な生き物などが彫られています。
中には『創世記』の物語らしいものも。こちらは「ノアの箱舟」だと思います。

この記念碑的な複合施設は、ユネスコの世界遺産「パレルモのアラブ=ノルマン様式の建造物群及びチェファルとモンレアーレの大聖堂」の一部であり、ノルマン人がシチリア島を支配していた時代(1130年~1194年)に建てられた九つの宗教的・市民的建造物群のひとつである。それらは、西洋、ビザンチン、イスラム文化の融合の優れた例である。この交流により、空間、構造、装飾の新しい概念に基づく建築的・芸術的表現が生まれ、地中海地域全体に広がった。
チェファル大聖堂(Duomo di Cefalù)。後陣のモザイクと回廊が必見です。
・
・
・