2025年5月2日(金)の最後、三番目に訪れたのはTollevast、Église Saint-Martin de Tollevastです。
ここは、私がすごく行きたいと思っていた教会です。持ち送り、勝利アーチやクワイヤのヴォールトの基部に、独創的な彫刻があります。
目次
1. Tollevast .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(持ち送り) .
5. 外観(西扉口) .
6. 内観(勝利アーチ) .
7. 内観(クワイヤ) .
1. Tollevast
トルヴァ(Tollevast)は、ノルマンディー地域圏マンシュ県にある村で、県都サン=ローの約60km北西にあります。
教会は、村の北西側にあり、墓地に囲まれています。

2. 概要
教会の中に案内掲示とリーフレットがありました。リーフレットによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
1066年、アンリ・ド・トルヴァ卿(Seigneur Henri DE TOLLEVAST)はギヨーム公と共にイングランド征服へ赴いた。ヘイスティングスの戦いで顕著な功績を挙げ、ワイト(Wight)島の大規模な領地を授かった。この土地の収入で、彼は自らの領地にこの教会を建立した。建設は11世紀末に始まり、12世紀初頭に完成した。
1217年、その子孫であるトマ・ド・トルヴァ(Thomas DE TOLLEVAST)がこの領主教会をシェルブールのヴォー修道院(Abbaye du Vœu de Cherbourg)に寄進した。1346年、イングランド軍がトルヴァ城を破壊し、鐘楼の西壁の解体を開始した。修道士たちがこれを修復し、後陣に二つの窓を追加、さらにクワイヤの南側にも二つの窓を設けた。
1716年には大嵐により身廊の屋根が損壊し、1757年には身廊南側に三つの大きな窓が設けられた。1862年、壁板の設置を容易にするためクワイヤの柱が部分的に撤去され、1937年に再建された。1944年には身廊内で2発の砲弾が爆発し、木造骨組みと石造屋根に深刻な損傷を与えた。1950年、教会は歴史的建造物に指定され、その後数年間で全面修復が行われた。1987年10月の大嵐により屋根が再び損傷し、後陣とクワイヤの屋根が再建された。
この後も、リーフレットを引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
ゾディアック(Zodiaque) la nuit des temps『Normandie Romane 1』案内掲示による平面図です。東が左です。

4. 外観(持ち送り)
東に行きます。
後陣の二つの拡大された窓と再建された鐘楼の窓を除いて、ほぼ純粋なロマネスク様式です。

110個ある持ち送り(屋根の軒下に置かれた石)の数、精巧さ、多様性を鑑賞せよ。幾何学模様や人物の頭部を持つものもあるが、圧倒的多数は動物の頭部を特徴としている。
持ち送りを八つご紹介します。
持ち送り1: 羊だと思います。舌を出しているようです。

持ち送り2: ケンタウロスだと思います。

持ち送り3: ライオンだと思います。

持ち送り4: 出産する女性だと思います。曲がった鼻と口が印象的です。

持ち送り5: ライオンと男性だと思います。「獅子を裂くサムソン」(『士師記』14章)かもしれません。

持ち送り6: 裸の男性だと思います。

持ち送り7: 雄鹿だと思います。

持ち送り8: 幻想的な生き物だと思います。

5. 外観(西扉口)
西に行きます。

西扉口をみます。
アーキヴォルトの幾何学模様がかっこいい。

柱頭には、簡素な彫刻があります。

左側の柱頭は極めて簡素なデザインで、隅に螺旋模様がある。右側の柱頭はより装飾的で、内側には絡み合う蔦、中央には木の葉を食むリスが座り、外側には植物の装飾が施されている。
はっきり見えませんが、中央の柱頭では、リスが木の葉を食んでいるのだそう。

6. 内観(勝利アーチ)
教会の中に入ります。

勝利アーチには、ギザギザ模様があります。

勝利アーチの柱頭は、左(北)側に四つ足で歩く2匹の猿が彫られています。
猿たち、かわいい。

1匹の猿の口元には、男性の顔が彫られています。

右(南)側の柱頭には、2頭の四足獣が彫られています。

7. 内観(クワイヤ)
クワイヤは二つの柱間で構成されています。

クワイヤのヴォールトは、レセ修道院教会(abbatiale de Lessay)のものを模しているが、その輪郭は不安定であり、非常に独創的な基部に載っている。
こうした基部まわりの彫刻は、サン=ガブリエル(Saint-Gabriel)にもあります。でも、彫刻の特徴は異なります。
柱間ごとに、ヴォールトの基部の彫刻をみます。
第1柱間の彫刻
第1柱間の左(北)側には、二本の小さな足と大きな頭を持つ男性。

その先には、口髭を生やした男性の頭部と、その両側に二つの頭部、そして足の間にも口髭を生やした男性の頭部。
怖い。

右(南)側には座った男、さらに先には前足を上げて牙をむく生き物。
第2柱間の彫刻
第2柱間の左(北)側には、髭をたくわえ、しゃがむ男性の上に2頭の動物がいます。

その先には、口ひげを生やし、小さなテーブルのようなものを両足の間に挟んでいる男性がいます。

右(南)側には、口ひげを生やした男性の頭部。

その奥には、大きなローブをまとった聖人が、蛇に巻きつかれ顔を喰われている裸の男の手を握っています。

ここトルヴァ(Tollevast)の彫刻は、力強さや活力に満ちていて、独創的です。
Église Saint-Martin de Tollevast。持ち送り、勝利アーチやクワイヤのヴォールトの基部に、独創的な彫刻があります。
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