パレンシア(Palencia)<1>

2024年9月6日(金)、最初に訪れたのはPalencia、サン・アントリン大聖堂(Catedral de San Antolín)です。

ここは、地下聖堂に西ゴート時代や初期ロマネスク時代の遺構があります。また、上部大聖堂にはロマネスク時代の鉄格子が残っています。

2024年、大聖堂は月曜から土曜10:00〜14:00と16:00〜19:00、日祝10:00〜13:00と16:00〜20:00に開いていました。有料(€6)でした。

Palencia では、2か所に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
<1> Catedral de San Antolín
<2> Museo Diocesano de Arte Sacro

目次

1. Palencia へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観(鉄格子) .
5. 内観(地下聖堂) .

1. Palencia へ

パレンシア(Palencia)は、カスティーリャ・イ・レオン州パレンシア県の県都で、首都マドリードの約180km北にあります。

大聖堂には、インマクラーダ広場(Pl. de la Inmaculada)に面する回廊から入ります。

南側外観

上の写真で赤い矢印に従って進むと、入口があります。

2. 概要

大聖堂の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

大聖堂は、1321年から1516年の間に建てられたゴシック様式である。この建物は、その痕跡が今も残るロマネスク様式の古い建物の上に建てられた。それ以前、この場所には二つの部分からなる地下聖堂があった。地下聖堂は、7世紀の西ゴート様式と11世紀の初期ロマネスク様式で、地下にあり見学できる。

この後は、大聖堂の中にあった説明板を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

大聖堂の中にあった平面図です。東が右です。

地下聖堂は「CORO」の地下に、鉄格子は「CAPILLA SAGRARIO」の南側にあります。

4. 内観(鉄格子)

Capilla del Sagrarioと周歩廊との間に、ロマネスク様式の鉄格子があります。

Capilla del Sagrario
16世紀初頭まで、ここは大聖堂の最初の主祭室であった。

鉄格子(周歩廊にて北を向く)

鉄格子(12世紀
作者不詳、錬鉄製

2枚の錬鉄製の葉で構成された美しい作品で、頑丈な木枠に組み込まれています。C字型のモチーフがペアで配置されています。

鉄格子(Capilla del Sagrarioにて南を向く)

5. 内観(地下聖堂)

地下聖堂に行きます。

現在は地面より下にありますが、かつては地面より上にあったと思います。

聖アントリンの地下聖堂
ここは大聖堂の心臓部である。おそらく西ゴート族の殉教者記念堂で、ローマ時代の遺跡の上に建てられた。ムスリム到来以前のパレンシア初代教区の建築的遺構であり、1035年にサンチョ3世によって修復された。伝説によれば、王がイノシシ狩りをしていた時に聖アントリンがここに現れたという。サンチョはここに復活した教区の最初の大聖堂を再建することを決め、その上にロマネスク様式の大聖堂が建てられ、さらにその上に現在のゴシック様式の大聖堂が築かれた。1400年以上にわたる複雑な歴史的過程の中で、建築要素が追加され、破壊され、置き換えられ、あるいは重なり合うことで、大聖堂の層が形成されたのである。

地下聖堂の空間は、二つの部分に分かれている。

1034年に、半円形の後陣を冠した身廊と、円筒形天井を補強する飛梁を備えた、初期ロマネスク様式の拡張部分が建設された。この部分は、パンプローナ王でありカスティーリャ伯であった大王(el Mayor)サンチョ3世と、彼の友人であるオビエド(Oviedo)の司教ポンセによるものである。

クワイヤから階段をおりると、まず、ロマネスク様式の拡張部分があります。パレンシア県最古級のロマネスク建築です。

地下聖堂にて北東を向く

奥に行きます。

奥にはより狭く深い領域があり、これは7世紀後半の西ゴート時代の遺構に相当する。

地下聖堂にて東を向く

内陣は直線的で、後部に仕切りがあります。その仕切りは、2本の柱とそれに対応する柱頭で支えられていて、その上に三つの馬蹄形のアーチが架けられています。

地下聖堂にて東を向く

柱頭に彫刻があります。

地下聖堂の柱頭

幾何学模様や様式化された植物が彫られています。

地下聖堂の柱頭

西ゴート時代の貴重な遺構です。

サン・アントリン大聖堂(Catedral de San Antolín)。地下聖堂に西ゴート時代や初期ロマネスク時代の遺構があります。また、上部大聖堂にはロマネスク時代の鉄格子が残っています。

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