サン・フアン・デ・オルテガ(San Juan de Ortega)

2024年9月3日(火)の最後、四番目に訪れたのはSan Juan de Ortega、サン・フアン・デ・オルテガ修道院(Monasterio de San Juan de Ortega)です。

ここは、北小後陣の内観(彫刻)が素晴らしいです。後陣の内観と外観も良いです。

2024年9月、教会は毎日13時〜20時に開いていました。ただし、月〜土18:00の聖ミサのときは見学できませんでした。

目次

1. San Juan de Ortega へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(後陣) .
5. 内観(主後陣) .
6. 内観(南翼廊) .
7. 内観(北小後陣) .

1. San Juan de Ortega へ

サン・フアン・デ・オルテガ(San Juan de Ortega)は、カスティーリャ・イ・レオン州ブルゴス県にある村で、県都ブルゴスの約20km東にあります。

修道院は、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路の途中、森に近いのどかな場所にあります。

西側外観

2. 概要

観光局のウェブサイトによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

サン・フアン・デ・オルテガの町と修道院が歴史に登場したのは、12世紀の最初の数十年間、1080年にキンタナオルトゥニョ(Quintanaortuño)で生まれたカスティーリャの貴族フアン・デ・オルテガ(Juan de Ortega)が、モンテス・デ・オカ(Montes de Oca)の雑木林に隠遁することを決めた時である。

それ以前の数年間、フアン・デ・オルテガ(Juan de Ortega)は、サント・ドミンゴ・デ・ラ・カルサーダ(Santo Domingo de la Calzada)と共にラ・リオハの橋の建設と修理に協力し、1114年には聖地巡礼に旅立った。聖地巡礼から戻った彼は、バーリ(Bari)の聖ニコラウスに敬意を表して礼拝堂を建てることを約束した。

サン・ニコラス礼拝堂は、サン・フアン・デ・オルテガの事業の始まりとなった。巡礼者の増加に伴い、彼は礼拝堂の隣に巡礼者のための小さなホステルを建てた。フアン・デ・オルテガの死後、ここは彼の遺品を保管する場所として、サンティアゴへの巡礼路で絶大な名声を得た。

聖域には、聖アウグスティヌス会の修道士からなる共同体が設立されたが、15世紀には衰退し、ヒエロニムス修道会に取って代わられ、19世紀に廃寺となった。

教会はロマネスク様式である。12世紀の最後の3分の1期に交差部まで建設され、15世紀半ばに身廊が増築された。間取りは、三つの身廊、突出する翼廊、三後陣となっている。

注目すべきは、後期ロマネスク時代の柱頭の数々である。北側後陣にある三重の柱頭が最も傑出しており、受胎告知、訪問、降誕、羊飼いへの告知の場面が描かれている。3月21日と9月22日には、窓から差し込む夕日が直接に降り注ぎ、約5分間、彫刻を照らすという有名な「光の奇跡」がこの上で起こる。

注目すべきは、12世紀末に作られたロマネスク様式の石棺で、一連の彫刻が施されているが、使用されることはなかった。現在は右後陣にある。

ロマネスク様式の石棺は、Románico Digital の画像を見ても、かつては確かに右(南)小後陣にあったようです。でも、私は12世紀に作られたロマネスク様式の石棺を見つけることができませんでした。

この後は、Románico Digital を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

Románico Digital による平面図です。東が右です。

Románico Digital より

4. 外観(後陣)

東に行きます。

ブルゴスのロマネスク建築の中でも数少ない三後陣を持つ建物である。これは、三つの身廊が相応するものであったが、工事が中断されたため、ロマネスク様式では完成しなかった。聖人の死は1163年であり、12世紀後半の初頭に建築が始まったと考えられる。三つの後陣の大きさから、聖人の建築計画を知ることができ、装飾に細心の注意が払われていることから、建築家が当時の嗜好に精通していたこと、そして質の高い建物を請け負うだけの経済的な余裕があったことがわかる。

南東側外観

整った三後陣です。

北東側外観

上品な装飾があります。

後陣の装飾

5. 内観(主後陣)

教会の中に入ります。

身廊にて東を向く

交差部から内陣、後陣にかけては、鉄柵があるために侵入できません。

鉄柵の間からのぞいてみると、後陣には上品な装飾がありました。

後陣の装飾

6. 内観(南翼廊)

南翼廊の柱頭が興味深いです。

南側廊にて東を向く

こちらは騎士の戦いの場面です。

南翼廊の柱頭

7. 内観(北小後陣)

必見は、北小後陣の柱頭です。

北側廊にて東を向く

イエスの生誕に関連する場面が展開します。

まず「受胎告知」(『ルカによる福音書』1章)、次に「ご訪問」(『ルカによる福音書』1章)。

北小後陣の柱頭

さらに「ご生誕」(『マタイによる福音書』1章、『ルカによる福音書』2章)。

北小後陣の柱頭(別角度)

最後に「羊飼いへの告知」(『ルカによる福音書』2章)が彫られています。

北小後陣の柱頭(別角度)

この柱頭には、毎年3月21日と9月22日に窓から夕日が差し、約5分間、彫刻を照らすそうです。

サン・アンドレス教会(Iglesia de San Andrés)。内観では北小後陣の彫刻が素晴らしいです。後陣の内観と外観も良いです。

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