2024年9月2日(月)、最初に訪れたのはAndaluz、Iglesia de San Miguel Arcángelです。
ここは、ポルティコと南扉口が素晴らしいです。
教会は閉まっていました。私は教会の中に入りませんでした。私が行った2024年9月当時、あまり頻繁に開けられていないようでした。掲示板には、「開かれたロマネスク(románico abierto)」と題した7月20日(土)19:00と7月21日(日)13:00の訪問可能日時の告知が、掲示されたままになっていました。
目次
1. Andaluz へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(ポルティコ) .
5. 外観(南扉口) .
1. Andaluz へ
アンダルス(Andaluz)は、カスティーリャ・イ・レオン州ソリア県にある村で、県都ソリアの約40km南西にあります。
教会は、村の北東端のもっとも高い場所にあり、周囲の家々から離れています。

2. 概要
教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
この教会(1114年に奉献)は、中世以降に何度も改築されたにもかかわらず、ロマネスク様式の特徴をよく残している。
この後も、案内板を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
案内板による平面図です。東が右です。

黒い部分:ロマネスク時代の建築
①ポルティコ
②鐘楼
③内陣・後陣
④聖具室
⑤ロマネスク様式の扉口
⑥展示スペース
⑦洗礼盤
ポルティコ(①)は、最も傑出した部分である。これは、おそらく教会の奉献から1世紀後である13世紀に建てられたもので、後に位置が変更されたため、不規則な形になっている。北側(現在は墓地になっている)と西側に持ち送りが残っている。後に北側が解体され、通常のように南側に開かれて西側が残されたため、現在のようなL字型となった。柱頭と持ち送りの装飾は鑑賞に値する。
17世紀に建てられた鐘楼(②)と、18世紀に建てられたゴシック様式の内陣と後陣(③)と聖具室(④)が、現在の教会を構成している。
特に興味深いのは扉口(④)で、四つの柱頭と四つのアーキボルトがある。
扉口の正面には、教会の建設年(1114年)と建築家の名前「Subpiranus」を示す碑文がある。この碑文はおそらく、現在見られるロマネスク様式の装飾が施されていない、建築の第一段階を指しているのだろう。
教会の西側にある小さな展示スペース(⑥)は、教会に施された様々な改修工事で回収された柱頭、持ち送りや墓石を見ることができる。
教会内にある、簡素な装飾が施されたロマネスク様式の洗礼盤(⑦)は特筆に値する。
4. 外観(ポルティコ)
ポルティコをみます。

ポルティコの持ち送りには、ロゼット、動物、幾何学的な図形などが彫られています。
南側のポルティコから、持ち送りを四つご紹介します。
南側のポルティコには柱頭が六つあり、植物などの装飾が施されています。

南側のポルティコは、六つの柱頭の装飾が重厚で、柱も立派な円形と十字形が交互に並んでいて、荘厳です。

西側のポルティコには柱頭がひとつあり、4頭のライオンのような動物と2人の人物が彫られています。

ライオン、かわいい。

5. 外観(南扉口)
南扉口をみます。

上部の左右に浮き彫りがあります。
左(西)側には、ライオン。
浮き彫りの下に碑文があります。Románico Digital によると、以下のように書かれているそうです。
IN NOMINE DINI NRI IHU XPI/ IN HONOR EX MICAEL ARCAN/GELI ERA MEC QUINCUAGEN/ ANSUR PIR[I]ANUS ME FECIT
1114年の奉献を記した碑文と考えられています(1112年と読む説もあります)。
ソリア最古級のロマネスク教会であるサン・エステバン・デ・ゴルマス(San Esteban de Gormaz)にあるサン・ミゲル教会(Iglesia de San Miguel)のポルティコに刻まれた年代が1081年。
それから約30年後ですから、ここアンダルス(Andaluz)のサン・ミゲル教会(Iglesia de San Miguel)も、ソリアで最も古いロマネスク教会のひとつです。

右(東)側には、グリフォン。
爪が鋭そうです。

Iglesia de San Miguel Arcángel。ポルティコと南扉口が素晴らしいです。
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