カルトハル(Caltojar)

2024年8月29日(木)の最後、四番目に訪れたのはCaltojar、Iglesia románica de San Miguelです。

ここは、外観では後陣と扉口、内観では柱頭がいいです。

2024年、教会は、木曜の18:30〜19:30と日曜の13:30〜14:30に開いていました。見学には教会への寄付(€1)が求められる旨の掲示がありました。

目次

1. Caltojar へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(北扉口) .
5. 外観(後陣) .
6. 外観(南扉口) .
7. 内観 .

1. Caltojar へ

カルトハル(Caltojar)は、カスティーリャ・イ・レオン州ソリア県にある村で、県都ソリアの約46km南西にあります。

教会は、村の中心にあります。

北東側外観

教会は18:30を過ぎても閉まっていて、私は教会の外に掲示されている番号に電話をしましたが応答はありませんでした。

私が困っていると、教会の前を通りかかったご婦人が、鍵守りの家を教えてくれました。「教会のすぐ西の家です。彼女はきっと家にいますから、呼んでごらんなさい。」

親切なご婦人の言った通りでした。

教会は、18:45頃に開きました。

2. 概要

教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

エスカロテ(Escalote)川とトレテ(Torete)川の合流地点にあるこの地域は、1060年にフェルディナンド1世によってキリスト教徒の手に渡り、イスラム教徒との摩擦が遠ざかった。

それでも、1113年にイスラム教徒の軍隊はアラゴン家のアルフォンソ1世とレオン家のウラカの結婚による不和に乗じてベルランガ(Berlanga)を包囲した。その際、イスラム教徒の軍隊はエスカロテ河岸を通過したに違いない。アルフォンソ1世の軍事介入により、この地域は平定され、1134年にカスティーリャに再統合されるまでアラゴンの手にあった。

この教会は、後期ソリア・ロマネスク様式の最も注目すべき野心的な建築のひとつであり、すでにゴシック的な要素も見られる。

その設計の野心的さ(より典型的な都市型教会)、堅固さと優れた建築作法から、ソリアの農村ロマネスク建築群の中では、まさに例外的な存在である。

シトー会建築、特にサンタ・マリア・デ・ウエルタ修道院(monasterio de Santa María de Huerta)やアルマザン(Almazán)のロマネスク建築に着想を得たことが明らかであること、柱頭と南扉口にゴシック風の植物装飾が施されていることから、1215年から1230年にかけての建築である可能性が高い。

この後も、案内板を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

Románico Digital による平面図です。東が右です。

Románico Digital より

4. 外観(北扉口)

北に行きます。

北小後陣は、聖具保管室が増築されたため、半円形の始まる部分だけが残されています。

北側の聖具保管室は17世紀の改築である。

北側外観

教会への出入り口は南北にひとつずつあります。

北扉口は、最も忠実にロマネスク様式を取り入れたデザインとなっている。

北扉口

北扉口は閉じられており、現在は使われていません。

5. 外観(後陣)

東に行きます。

三後陣ですが、半円形をとどめているのは主後陣だけです。

南東側外観

身廊の東の部分の南側にある正方形の塔は、高さはかなり改築されているものの、身廊の壁と完璧に調和していることから、その下部はロマネスク様式に起源を持つと思われる。

6. 外観(南扉口)

南に行きます。

南側外観

南扉口をみます。

この扉口には、厳格主義的修道院芸術の建築と装飾の典型的な影響が顕著に見られる。

この装飾は、サンタ・マリア・デ・ウエルタ(Santa María de Huerta)を筆頭とする周辺のシトー会修道院の扉口からとられたようだが、セゴビアのサンタ・マリア・デ・ラ・シエラ(Santa María de la Sierra)の回廊の西扉口、サンタ・マリア・デ・マヴェ(Santa María de Mave)の西扉口、パレンシアのサン・アンドレス・デ・アロヨ(San Andrés de Arroyo)の回廊の扉口のような、離れた地域にある扉口からもとられている。

南扉口

この扉口には、不思議なティンパヌムがあります。二つの半円アーチがあって、その縁は外側のアーチと同様の葉で装飾されています。

ティンパヌムの中央には、この教会が捧げられている大天使聖ミカエルが右手を上げ、もう一方の手で槍を持つ浮き彫りがある。

南扉口のティンパヌム

7. 内観

教会の中に入ります。

身廊にて東を向く

身廊と南側廊との間に、説教壇があります。

鍵守りによると、ムデハル様式とのこと。

説教壇

柱頭をみます。

柱頭を三つご紹介します。

柱頭1:様式化された植物だと思います。

柱頭1

柱頭2:ハルピュイアたちだと思います。

小さな顔に大きな体。

柱頭2

柱頭3:三つの人物の顔だと思います。

整った顔。

柱頭3

Iglesia románica de San Miguel。外観では後陣と扉口、内観では柱頭がいいです。

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