アチェレンツァ(Acerenza)

2024年8月13日(火)の最後、三番目に訪れたのはAcerenza、Cattedrale di Santa Maria Assunta e San Canioです。

ここは、西扉口に目を奪われます。

2024年、大聖堂は毎日8:00〜19:00に開いていました。

目次

1. Acerenza へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観(身廊と周歩廊) .
5. 内観(地下聖堂) .
6. 外観(西扉口) .

1. Acerenza へ

アチェレンツァ(Acerenza)は、バジリカータ州ポテンツァ県にある町で、県都であり州都でもあるポテンツァの約22km北東にあります。

町は丘の上にあり、大聖堂の北には眺望がひらけています。

眺望を背にして大聖堂を向くと、放射状祭室と北小後陣があり、フランスの教会を思い出します。(画像はGoogleマップのスクリーンショットです。)

Googleマップより、北東側外観

2. 概要

大聖堂の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

クリュニー・ロマネスク様式の大聖堂は、1059年のメルフ公会議の主要人物であったゴダノ司教の命により建設が開始された。ロベール・ギスカール(ロベルト・イル・グイスカルド・ダルタヴィッラ)から資金援助を受け、1080年に大聖堂を献堂したのはアルナルド大司教であった。

この大聖堂は、初期キリスト教時代の教会の跡地に建てられたもので、その初期キリスト教時代の教会は、ヘラクレス・アケルンティヌスを祀る異教の神殿の跡地に建てられたものであった。

この後も、案内掲示を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

案内掲示による平面図です。東が右です。

案内掲示より

全長69メートル、身廊の幅23メートル、交差部と翼廊の39メートル、10本の巨大な柱、三つの身廊、二つの小後陣を持つ翼廊、八角形のドーム、周歩廊と三つの放射状礼拝堂を持つクワイヤ、そして小塔がある。

4. 内観(身廊と周歩廊)

大聖堂の中に入ります。

身廊にて東を向く

珍しいことに、周歩廊があります。

放射状祭室を持つ周歩廊は、フランスに多く、イタリアには少ないです。数少ない例のいくつかを挙げると、トスカーナ州のサンタンティモ修道院(Abbazia di Sant’Antimo)、カンパニア州のアヴェルサ(Aversa)、バジリカータ州のヴェノーザ(Venosa)です。ここアチェレンツァ(Acerenza)もバジリカータ州ですから、南部に集中しています。ノルマン人による南イタリア支配が影響しているのかなと思います。

北翼廊にて南東を向く

5. 内観(地下聖堂)

内陣の下に地下聖堂があります。

地下聖堂(16世紀)

地下聖堂にて東を向く

6. 外観(西扉口)

大聖堂の外に出ます。

南西側外観

ファサードには、扉口が二つあります。

北西側外観

主扉口をみます。

西扉口:全体

通常、柱を支える獅子は凛々しいのですが、こちらでは悪魔のような姿です。

しかも、なんだかうれしそう。

西扉口:柱を支える獅子

悪魔のような獅子が支える柱の上には、天使が彫られています。

ほとんどの迫石が失われていますが、もともと2本の柱はアーチを支えていたのでしょう。この天使が彫られている石は、かろうじて残った迫石のひとつだと思います。

西扉口:天使

私は扉口をふちどる彫刻に目を奪われました。

西扉口

不思議な情景が展開しています。

植物を吐く男性や、立派な衣装に身を包みながら背中を丸めて何やらむさぼっている女性がいます。

西扉口

こちらでは、立派な衣装に身を包んだ女性が袖をひらひらさせて踊り、彼女の隣では音楽家たちが楽器を奏でているようです。

西扉口

不思議な情景あり、活気に満ちた世俗の姿あり、さらにはケンタウロスと二股人魚などの幻想的な生き物まで彫られています。

写本挿絵を思い出します。

Cattedrale di Santa Maria Assunta e San Canio。西扉口に目を奪われます。

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