2024年8月10日(土)、最初に訪れたのはGiurdignano、Cripta di San Salvatoreです。
ここは、ビザンチン様式の地下聖堂です。柱も天井もイコノスタシスも岩を掘って作られていて、こだわりの天井に驚きます。フレスコ画も残っています。
ジュルディニャーノ文化観光振興会(Associazione Pro Loco Giurdignano)に予約することで訪問できます。私はWhatsAppでメッセージを送って予約しました。
目次
1. Giurdignano へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
1. Giurdignano へ
ジュルディニャーノ(Giurdignano)は、プーリア州レッチェ県にある町で、県都レッチェの約20km南東、州都バーリ(Bari)の約107km南東にあります。長靴のようなイタリア半島の踵の先です。
夫と私は INFO POINT の前に車を駐車し、その中にあるジュルディニャーノ文化観光振興会(Associazione Pro Loco Giurdignano)のオフィスに行きました。そこから、担当者と一緒に地下聖堂まで170メートルほど歩きました。
地下聖堂に着きました。

地下聖堂には、赤い矢印で示した扉から入ります。
青丸で示したところが地下聖堂の薔薇窓です。
薔薇窓をのぞくと、扉口のアーチが見えます。
2. 概要
地下聖堂の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
地下聖堂は、サレントにおけるビザンチン芸術と文化の最高傑作のひとつである。
この建造物は8世紀から10世紀の間に遡り、サン・バジリオ修道会(Ordine di San Basilio)のビザンチン修道士たちによって、地下の岩を掘って造られた。
地下聖堂にはフレスコ画があり、レッチェ石の柔軟性により、天井には特別な工法が用いられている。この建造物は、古代ギリシャ語の文字が数多く残されているが、まだ完全には翻訳されていないため、国際的に著名な学者たちによる研究の対象となっている。
この後は、地下聖堂の中にあった案内掲示を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
案内掲示による平面図です。東が上です。

4. 内観
地上から階段を下りて、地下聖堂の扉口に来ました。
この扉口は、地上で薔薇窓からのぞいたときに見えたものです。
コムーネ(基礎自治体)のウェブサイトによると、地下聖堂は日没時に特別な光の効果を生み出すように設計されていて、太陽光が主祭壇を照らすのだそう。
地下聖堂に入るには、さらに階段を下ります。

完全に地下にあるこの教会は、三つの身廊があり、4本の十字形の柱があります。

イコノスタシスを経て三つの半円形の後陣があり、それぞれに石造りの祭壇があります。
岩を掘って掘って、こんなすごい建物をつくっちゃうとは、びっくりです。
天井
後陣が東を向いていること、三つの内陣の天井が同心円状にくり抜かれてドームを模しその中央にギリシャ十字が彫られていることから、地下聖堂は9世紀から10世紀のものだと考えられている。
同心円はドームを模しているんですねえ。

一方、11世紀のビザンチン様式に位置づけることができる細部もある。
十字形の柱や天井からはっきりと区別されたアーチは、構造システムの力強いラインを強調するという典型的なロマネスクの原則に対応している。

天井は、内陣ではビザンチンのドームを想起させるが、身廊では直線的な梁で切妻屋根を模している。

身廊の天井は多様です。
案内掲示に天井の詳細が描かれていました。

モットラ(Mottola)のサン・グレゴリオ岩窟教会(Chiesa Rupestre di San Gregorio)でも天井が美しかったことを思い出します。
フレスコ画
最後に、フレスコ画をみます。
ジュルディニャーノ文化観光振興会(Associazione Pro Loco Giurdignano)の担当者によると、フレスコ画は壁画は12世紀のものだそう。
北小後陣の北側壁には、使徒たちが描かれているようです。

南側壁には、聖人たちが描かれています。司教姿の聖人たちもいます。

主後陣には、聖母子と2人の天使が描かれています。

Cripta di San Salvatore。ビザンチン様式の地下聖堂です。柱も天井もイコノスタシスも岩を掘って作られていて、こだわりの天井に驚きます。フレスコ画も残っています。
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