2024年8月9日(金)、三番目に訪れたのはBrindisi、サン・ジョヴァンニ・アル・セポルクロ教会(Chiesa di San Giovanni al Sepolcro)です。
ここは、西扉口と北扉口の装飾が素晴らしいです。
2024年8月、教会は木曜から火曜8:00〜19:50に開いていました。有料(€3)です。
Brindisi では、5か所に行きました。以下のように5回に分けて書きます。
<1> Museo Archeologico Francesco Ribezzo
<2> Chiesa di San Giovanni al Sepolcro
<3> Chiesa Santa Lucia vergine e martire
<4> Chiesa e Chiostro di San Benedetto
<5> Cattedrale di San Giovanni Battista
目次
1. Brindisi へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(北扉口) .
5. 内観 .
6. 外観(南扉口) .
7. 外観(西扉口) .
1. Brindisi へ
ブリンディジ(Brindisi)は、プーリア州ブリンディジ県の県都で、州都バーリ(Bari)の約106km南東にあります。

サン・ジョヴァンニ・アル・セポルクロ教会(Chiesa di San Giovanni al Sepolcro)は、ブリンディジ(Brindisi)の歴史的中心地にあります。
2. 概要
教会の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
教会は、1128年以前に、サン・セポルクロ会(Canonici Regolari del Santo Sepolcro)騎士団によって建てられた。
この修道会の廃止に伴い、その所有はエルサレム聖ヨハネ騎士団(またはマルタ騎士団)、そして大司教区資産管理機関(Mensa Arcivescovile)に移った。17世紀初頭、教会は放置され、劣悪な状態にあったようで、1868年に自治体が購入するまでその状態が続いた。1881年から1883年にかけて修復工事が行われた後、教会は市民博物館となった。
この建物は、十字軍の時代におけるブリンディジ市と聖地との密接な関係を物語っている。当時 「umbilicus mundi」(世界の臍)と考えられていたエルサレムの聖墳墓教会を模して設計された。巡礼者の記念用であったが、聖地を実際に見る機会のない人々の一種の「バーチャル」な巡礼用でもあった。
この後も、案内掲示を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
案内掲示による平面図です。東が左です。

白色:教会の平面図
灰色:ローマ時代の邸宅
格子:ローマ時代のモザイク
4. 外観(北扉口)
教会へのアクセスは、もともと三つの扉口からであった。
北扉口のポーチは大理石で作られた2頭のライオンが向かい合っています。

2頭のライオンはそれぞれ白い大理石の柱を支えていて、その柱頭には彫刻が施されています。
東側の柱頭では、6人の男女が手をつないで踊り、音楽家が演奏しています。
踊る6人の男女は、(1)男性、(2)豪華な装いの女性、(3)女性、(4)豪華な装いの女性、

(5)男性、(6)豪華な装いの女性です。

西側の柱頭では、男性たちが鳥たちに耳をつつかれています。

扉口の縁は植物のモチーフで飾られていて、人物、動物、幻想的な生き物などが彫られています。
こちらは「獅子を裂くサムソン」(『士師記』14章)だと思います。

こちらは、象に乗った人物たちが角笛を吹いているようです。

5. 内観
教会の中に入ります。
間取りは円形で、東側は長方形の壁で遮断されています。8本の円柱からなる中央の環は、円形アーチによって周囲の壁に組み込まれた円柱とつながっています。
絵画装飾は、この建物が建てられた時代と比べると後期で、13世紀から14世紀にかけてのいくつかの段階が見られる。ビザンチンの伝統と十字軍に関連した文化を思い起こさせる絵画は、より現代的な表現で重ね合わされている。

北扉口を入って右(西)側に下におりる階段があります。下にはローマ時代の邸宅の遺構があります。受付の人によると、地下は今のところ訪問不可です。将来的に資金繰りができて文化遺産の保護や訪問者の安全のための対策が整えば、訪問できるようになるかもしれないそうです。
下にはおりられませんが、中央の円形の穴から下をのぞくことができます。
ローマ時代のモザイクは、帝政時代(1~2世紀)のドムス(神殿の周囲を取り囲むように建てられた大きな邸宅)のものである。

再利用された柱の軸は、大理石の種類、高さや先細り具合に違いがあり、様々な種類と年代の柱頭を支えている。19世紀末の修復時には屋根がなかったため、オリジナルの屋根の詳細は不明である。

6. 外観(南扉口)
西扉口から外に出て南に行きます。
南には、約500平方メートルの豊かな庭園があります。
教会にはもともと、北と西と南に三つの扉口がありました。
南扉口は現在、壁で閉じられています。簡素なまぐさで、庭園に向かって開かれていました。

7. 外観(西扉口)
西扉口に戻って、装飾をみます。
建物の主軸に沿って配置された西扉口は、もともと、正面の扉口であった。

東方趣味の装飾が施されている。

扉口の縁の彫刻が素晴らしいです。
古風な意匠で、ひきつけられます。
サン・ジョヴァンニ・アル・セポルクロ教会(Chiesa di San Giovanni al Sepolcro)。西扉口と北扉口の装飾が素晴らしいです。
・
・
・