モノポリ(Monopoli)

2024年8月8日(木)、最初に訪れたのはMonopoli、Museo e Sito Archeologico Cripta Romanicaです。

ここは、まぐさの浮き彫りが素晴らしいです。失われたロマネスク様式の大聖堂の生き残りです。

2024年8月、博物館は木曜から日曜の9:30〜13:30と16:00〜20:00に開館していました。入館料は€5でした。

目次

1. Monopoli へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 地下聖堂 .
5. まぐさ .

1. Monopoli へ

モノポリ(Monopoli)は、プーリア州バーリ県にあるアドリア海に面した町で、県都であり州都であるバーリ(Bari)の約41km南東にあります。

博物館の入口は、大きくて立派なバロック様式の大聖堂の北東側にあります。

博物館の入口

2. 概要

博物館の中に案内掲示や案内シートがありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

この博物館は、バロック様式のモノポリ大聖堂(cattedrale barocca di Monopoli)の地下部分の修復後に開設された。

破壊されたロマネスク様式の教会(1107年から1117年の間に建てられた第2教会)の、破壊を免れた建築要素の展示を行うことが目的であった。

考古学的に重要な発見があったため、修復域は拡大され、より多くの介入を行うこととなった。これにより、考古学的遺跡の上に展示ルートが作られた。この修復は、18世紀の建物全体を横断するもので、Via ArgentoからVia Muliniまで、上部の教会の内陣と翼廊に対応する形で行われた。この修復工事中、プーリア考古学遺産管理局によって行われた調査では、中期青銅器時代(紀元前15世紀)から18世紀までの町の歴史的変遷を記録する発見物が得られた。

中世初期の証拠としては、7世紀から8世紀にさかのぼる岩壁に掘られた墳墓があり、これはおそらくこの地に建てられた第1教会で、ロマネスク様式の第2教会を建設するために取り壊された宗教建築物に属するものである。第1教会の唯一の遺構は、地下聖堂の周囲の壁と柱、そして凱旋の祭室(cappella del trionfo)の基礎部分のみである。

1742年に着工されたバロック様式の大聖堂(第3教会)の建設のために、人口増加により手狭になったロマネスク様式の第2教会や、聖カタルド教会(basilica di S. Cataldo)などを破壊することが決定された。サン・メルクリオ(S. Mercurio)に捧げられた岩窟教会も埋められた。第3教会の地下のスペースは、主に死者の埋葬に使用された。

この後も、案内掲示や案内シートを引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

案内シートによる平面図です。東が左です。

案内シートより

白線:バロック様式の大聖堂
赤線:ロマネスク様式の大聖堂
黄線:サン・カタルド教会(basilica di S. Cataldo)

クリーム色で塗られた部分が、博物館の展示ルートです。

4. 地下聖堂

12世紀に建てられたロマネスク様式の地下聖堂の遺構があります。

ロマネスク様式の大聖堂の地下聖堂

考古学調査は、この大きな部屋から開始された。舗装を簡易に撤去したところ、ロマネスク様式の大聖堂の地下聖堂の後陣(1)と天井を支えていた柱の土台(2)が姿を現し、舗装の帯(3)と後壁(4)も現れた。洗浄により、7世紀から8世紀に遡る先史時代の教会の埋葬地(5)が浮き彫りにされた。この埋葬地は、凝灰岩に掘られた穴で構成されており、その跡は至る所に点在している。また、最初の居住区を形成していた小屋の柱穴(6)や、青銅器時代の集落が発見された。重要な発見は、18世紀の壁に一部隠された半地下式墓(7)で、その隣から青銅器時代の壺が発見された。

案内シートより(東が下)

紀元前15世紀に遡る歴史が明らかにされました。

5. まぐさ

ロマネスク様式のまぐさをみます。

ロマネスク様式のまぐさ

このまぐさは、ロマネスク様式の大聖堂に隣接していたサン・カタルド教会(basilica di S. Cataldo)に通じる扉口の一部であった。

ロマネスク様式のまぐさ

まぐさには、復活祭にまつわる寓意的な図像が描かれている。

その中心は、空っぽの墓に立つ天使が3人の女性にイエスの復活を告げる場面で、その足元にはノルマン様式の鎧を身にまとった兵士たちが眠っている。その上には聖霊の鳩と香炉を持つ天使が描かれている。鉛でできた目が、顔の表情を際立たせている。

天使、とっても得意げ。

ロマネスク様式のまぐさ

右側には、アリマタヤのヨセフとニコデモの立ち会いのもと、息子の手を顔に当てるマリアの優しげな仕草と、十字架から降ろされるキリストが描かれている。

イエスの手に打たれた釘を抜くのは、ニコデモです。

上を向いた後ろ姿が斬新で、かわいい。

ロマネスク様式のまぐさ

左側には、復活したキリストが冥府に降り立ち、鎖につながれた悪魔が見守る中、キリストの到来前に亡くなった義人の魂を解放するために、扉(下部に描かれている)を破って入るという活気あふれる「冥府降下」の場面がある。魂たちは互いにしがみつき、蛇の巻きつくのを逃れようとしている。先頭に立つのはアダムで、キリストの手を握っている。

悪魔の口元、なんとも言えない。

ロマネスク様式のまぐさ

左端には蛇に噛まれた裸の女性の姿があり、罪の寓意を表している。

ロマネスク様式のまぐさ

一方、右側には東方の修道士が執筆に専念し、背後には西方の司教がいる。

ロマネスク様式のまぐさ

このまぐさは、ノルマン人の新支配者(彼らは1049年にモノポリを征服した)が望んだ異文化間の調和を強調している。彼らは、11世紀第3四半期に作られたこの貴重な彫刻のパトロンであった。

Museo e Sito Archeologico Cripta Romanica。まぐさの浮き彫りが素晴らしいです。失われたロマネスク様式の大聖堂の生き残りです。

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