2024年8月7日（水）の最後、三番目に訪れたのはMottola、サン・グレゴリオ岩窟教会（Chiesa Rupestre di San Gregorio）です。

ここは、岩に掘られた神聖建築の宝石です。天井や柱が美しいです。

訪問にはガイドツアーを予約します。私はvisitmottola.comのウェブサイトから予約しました。三つの岩窟教会を巡るガイドツアーが2人分で€50でした。これに加えて、基礎自治体（comune）に1人あたり€3を支払いました。

Bari では、3か所に行きました。以下のように3回に分けて書きます。
＜1＞ Chiesa rupestre di San Nicola
＜2＞ Chiesa rupestre di Sant’Angelo
＜3＞ Chiesa Rupestre di San Gregorio

なお、上記三つの他に Chiesa Rupestre di Santa Margherita がありますが見学不可でした。2024年現在、見学再開予定は未定でした。

目次

1. Mottolaへ　.
2. 概要　.
3. 内観　.

1. Mottola へ

モットラ（Mottola）は、プーリア州ターラント県にある町です。県都ターラントの約26km北西にあります。

サン・グレゴリオ岩窟教会（Chiesa Rupestre di San Gregorio）は、モットラ（Mottola）の歴史的中心地から東に約2kmの道のりで、旧国道100号線（現在はVia Salvatore Allende）沿いにあります。

道路から階段を下り、教会の入口に着きました。

教会は半地下にあります。

2. 概要

観光ガイドのMaria Grottolaさんから聞き取った話とvisitmottola.comによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

モットラ（Mottola）の岩窟教会群のうち、建築とフレスコ画（11世紀から14世紀のものと考えられる）の観点から最も重要な四つは、以下である。
1. Chiesa rupestre di San Nicola
2. Chiesa rupestre di Sant’Angelo
3. Chiesa Rupestre di San Gregorio
4. Chiesa Rupestre di Santa Margherita
（ただし現在、Santa Margheritaは役所の都合で見学不可となっている。）

サン・グレゴリオ岩窟教会は、岩に掘られた神聖建築の真の宝石である。

この後も、聞き取った話とvisitmottola.comを引用する時に太字で書きます。

3. 内観

教会の中に入ります。

この教会は、ギリシャ十字形のバシリカプランで、長さ7メートル、幅8メートルの大きさがあり、三つの身廊と、三つの半円形の後陣がある。

その最初の建設は9世紀から10世紀頃にさかのぼると考えられ、重要な装飾は12世紀から行われたと推測される。

身廊は4本の大きな十字形の柱で仕切られており、台座の上に置かれ、2列の帯状装飾のある四角形の柱頭で覆われ、そこから円形アーチが枝分かれしている。

2段の階段でアクセスできる内陣は、身廊より40cmほど高い。もともと内陣と身廊とを仕切っていたイコノスタシスは後に取り壊された。

主後陣には、十字架を戴く象徴的なドームがある。

左（北）小後陣には二つの同心円からなる擬似ドーム、右（南）小後陣には切石によるドームがあるが、これは崩壊したものである。

側廊の天井も装飾的に彫られています。

天井もアーチも柱も、美しい。

ジュルディニャーノ（Giurdignano）でも天井が美しかったことを思い出します。

フレスコ画

フレスコ画をみます。三つが残っています。

三つのフレスコ画の中で最も重要で有名なものは、間違いなく、後陣の中央ドームに半身像として描かれた威厳ある「パンクトラトル」である。右手で祝福するキリストは、赤い枠で縁取られた、下部の黄土色と上部の青色の2つの部分からなる背景に描かれている。その顔は悲しげで思索的であり、長いウェーブのかかった髪と二股の髭が特徴的である。また、白いビーズで囲まれた大きな黄土色の十字ニンブスがあり、その両側には「IC XC」と書かれている。彼は赤いチュニックと大きな青いマントを身にまとい、左手には開いた本を持ち、その本にはギリシャ文字が書かれている。

この美しい「パンクトラトル」は、様式上の類似点が多いことから、12世紀のシチリアで最も有名かつ重要なモザイク画のひとつであるモンレアーレ大聖堂（Cattedrale di Monreale）のものと比較されてきた。そのため、シチリアのモデルに影響を受けたギリシャ系シチリア人の画家によって描かれたもので、12世紀末から13世紀の間に制作されたという仮説が立てられている。おそらく、この絵画は岩に直接描かれた下絵（シノピア）を元に描かれたものであろう。岩窟教会の後陣に描かれた「パンクトラトル」の描写は、この地域ではかなり珍しい（岩窟教会の後陣にはデエシスの描写が一般的である）。

南側廊、後陣に近いアーチの中に、聖母子と使徒聖バルトロメオの2人が描かれている。

やはり南側廊、聖母子と使徒聖バルトロメオの右隣に、ひどく顔が損傷した聖ニコラウスの像があり、ラテン語で書かれた説明もあるが、これも14世紀にさかのぼるものである。

十字架

おそらく、この教会の当初の絵画装飾は、円形または楕円形の中にフレスコ画で描かれた十字架だったであろう。壁の窪みには、少なくとも六つの十字架の跡が残っており、これらは10世紀のものと推定される。

フレスコ画の十字架は、よく見えませんでした。

こちらは、主祭壇と身廊とを区切っているイコノスタシスに刻まれた十字架です。

たぶん、この教会が最初に建設された9世紀から10世紀頃、主な装飾は十字架だったのかなと思います。

サン・グレゴリオ岩窟教会（Chiesa Rupestre di San Gregorio）。岩に掘られた神聖建築の宝石です。天井や柱が美しいです。

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