2024年8月6日(火)、二番目に訪れたのはBari、Museo Diocesano & Museo della Cattedraleです。
ここは、ExultetとBenedizionaleが素晴らしいです。
2024年、博物館は4月から9月は毎日9:00〜21:00、10月から3月は毎日9:00〜18:00に開いていました。(ただし、宗教行事中は入館できません。)博物館だけの入館料は€4、大聖堂との混合入館料は€9でした。
Bari では、3か所に行きました。以下のように3回に分けて書きます。
<1> Basilica Cattedrale Metropolitana Primaziale San Sabino (Cattedrale di S. Maria)
<2> Museo Diocesano & Museo della Cattedrale
<3> Basilica Pontificia San Nicola
目次
1. Bari へ .
2. 概要 .
3. ExultetとBenedizionale .
1. Bari へ
バーリ(Bari)は、プーリア州バーリ県の県都であり州都です。アドリア海に面した港湾都市で、首都ローマの約374km南東にあります。

博物館は、Basilica Cattedrale Metropolitana Primaziale San Sabino (Cattedrale di S. Maria) から約100メートル南にあります。
2. 概要
公式ウェブサイトによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
司教区博物館(Museo Diocesano)
大司教宮殿の2階にある司教区博物館(Museo Diocesano)は、別名「エクスルテット博物館(Museo degli Exultet)」とも呼ばれ、バジリカや司教区の教会から集められ保管されていた、あるいは散逸しかけていた美術品を収集・保存している。絵画、彫刻、典礼用物品、聖具などであるが、何よりもこの博物館の真の宝であるExultetとBenedizionale(ベネヴェンタの儀式による火と水の祝福)が収蔵されている。展示は、初期キリスト教時代から中世、トレント公会議の時代からバロック、そして19世紀、20世紀へと年代順に展開されている。
ExultetとBenedizionaleの展示室
コレクション全体において重要な位置を占めるのは、10世紀から13世紀にかけて、復活祭の典礼で使用されたExultetとBenedizionaleである。非常に長い(4~5メートル)羊皮紙の巻物で、テキスト、楽譜、聖なる場面の描写が特徴である。バーリの聖ベネディクト修道院または大聖堂の写字室で、ベネヴェンタナ・バーリ体と呼ばれる呼ばれる書体で作成された。助祭が説教壇の上から聖歌を歌いつつ巻物を垂らすと、下にいる信者たちは文章とは逆向きに描かれている挿絵を見ることができた。
この後は、ジャカ・ブック(Jaca Book)PATRIMONIO ARTISTICO ITALIANO『PUGLIA ROMANICA』を引用する時に太字で書きます。
3. ExultetとBenedizionale
ExultetとBenedizionaleの展示室に行きます。

博物館には、バーリ大聖堂が誇るExultet I、Exultet IIとBenedizionaleの巻物が保存されている。
エクスルテット(Exultet)とは、かつて聖土曜日の儀式の際に説教壇から垂れ下げられるように意図された羊皮紙の長い巻物である。
そこには、イースター・キャンドルの祝福の際に歌われた「Exultet iam angelica turba coelorum」という歌詞で始まる典礼賛歌が、ベネヴェンタナ・バーリ体と呼ばれる書体によるラテン語で書かれ、楽譜が添えられている。

挿絵は、信者が説教壇の下から見やすいよう、助祭が説教壇の上から朗読するための文字とは逆向きに描かれている。

より重要なのは、最も古いエクスルテットI(Exultet I)である。長さ5メートルを超える羊皮紙の巻物全体を縁取る帯装飾は、ギリシア教会の聖人を描いたメダイヨンで飾られ、ギリシア語で書かれている。
聖なる場面には、テトラモルフと天使を従えた栄光のキリストが描かれ、ビザンティンの図像学による、両手に2本の木を持つ母なる大地がそれに続いている。

重要なのは、類似の巻物に一般的に見られる、玉座の教皇と堅く正面を向き権力を誇示するような地上の支配者(この場合、バシレイオス2世とコンスタンティノス8世とされる2人の皇帝)の厳粛な描写である。公式の像や神聖な場面は、ビザンチン様式に依拠している。
もっと生き生きとしていて、宮廷的なモデルから自由なのは典礼の場面で、実物からとられた細部に富み、11世紀のバーリに典型的な文化の織り成しを雄弁に表現している。
遅くとも1050年頃、おそらくベネディクト会修道院の写字室かあるいは大聖堂でこのエクスルテット(Exultet)が書かれ、彩色されたことは間違いない(その年代は、ページの下に置かれた支配者の名前を記した文から推測できる)。
Benedizionaleでは、ラテン語の構成要素の方が優勢であるが、これは構造的特徴や機能(水盤の祝福の際に読まれる)において前者に類似している。同じく11世紀のものだが、数十年後、アンドレア2世(1062-1078)の時代に作られたもので、ビザンチンの伝統との結びつきはエクスルテット(Exultet)よりもはるかに弱い。

オメガの中の玉座のキリストには、最も「ギリシャ風」の挿絵である祈り(デエシス)が含まれている。これは原型に忠実な優れた画家の作品であり、キリストの足元には寄進者である参事会長シルヴェストロ(primicerio Silvestro)が描かれている。
文字が挿絵とは逆向きなのが不思議な感じですが、文字は説教壇の上にいる助祭が読みやすいように書いてあります。

厳かな典礼で、説教壇から羊皮紙の巻物がゆっくりと垂れ下げられていたことでしょう。極彩色の挿絵を見た信者たちは、敬虔な気持ちになったかもしれません。
Museo Diocesano & Museo della Cattedrale。ExultetとBenedizionaleが素晴らしいです。
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