バルレッタ(Barletta)<2>

2024年8月4日(日)、二番目に訪れたのはBarletta、Basilica Concattedrale Santa Maria Maggioreです。

ここは、外観ではファサードと身廊に心を奪われる彫刻があります。内観では柱頭彫刻が素晴らしいです。

Barletta では、3か所に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
<1> Basilica del Santo Sepolcro
<2> Basilica Concattedrale Santa Maria Maggiore
<3> Parrocchia Sant’Andrea

目次

1. Barletta へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
5. 外観(西側) .
6. 外観(南側) .
7. 外観(東側) .
8. 外観(北側) .

1. Barletta へ

バルレッタ(Barletta)は、プーリア州バルレッタ=アンドリア=トラーニ県の県都とされている都市のひとつで、アドリア海に面した港湾都市です。州都バーリ(Bari)の約54km北西にあります。

北西側外観

大聖堂は、11世紀にノルマンによって建てられたバルレッタ城の西隣、アドリア海のほとりにあります。

2. 概要

教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

町の最古の地区にあるサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂は、ダウニア・ローマ時代のネクロポリス(共同墓地)と6世紀と10世紀から11世紀の二つのバシリカ式の建物の上に建てられている。

現在の形は、12世紀に始まり、何度も中断を繰り返しながら17世紀末に完成した、複雑な建設段階の複合的な結果である。

12世紀半ば、教会は建設中であったことが、内部の柱頭の碑文に記されている。この碑文には、1153年にムスカトゥス(Muscatus)という人物が、2本の柱を購入するために200ドゥカートを寄付したことが記されており、左側の扉には、リッカルド(Riccardo)という人物が、扉を建設するために寄付したことが記されている。一方、1162年の文書には建築家たちの名前が記されており、シミアッカ・プロトマジステル(Simiacca protomagister)とその息子ルカ(Luca)という名前が挙げられている。

この後も、案内板を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

案内板による平面図です。東が上です。

案内板より

ロマネスク様式の建物は、現在の大聖堂の最も古い部分に相当し、三廊式の配置で、二重アーチのアーチを持つ列柱で区切られている。身廊には擬似的なマトロネウムとトラスがある。建物は三つの後陣によって閉じられていた。その輪郭は現在の床に再現されている。

フランス・ゴシック様式を模した建物が14世紀初頭に増築され、現在の内陣部分が追加された。複合柱にリブ付きクロスヴォールトが架けられ、五つの放射状祭室で閉じられている。

4. 内観

教会の中に入ります。

身廊にて東を向く

柱が立派で、柱頭彫刻が美しいです。

柱頭彫刻

左(北)側廊に、地下に下りる階段があります。

地下には、ダウニア・ローマ時代の墓、初期キリスト教時代と初期中世時代のバシリカの遺構やラピダリウムがあるようです。

閉まっていたので私は見学しませんでした。

北側廊

5. 外観(西側)

外に出て、ファサードをみます。

風雨にさらされたファサードは、付け柱によって三つの部分に分けられ、三つの扉口がある。
中央のルネサンス様式の扉口は古い扉に代わるもので、古い扉口の断片は聖具室の入り口付近の壁に埋め込まれている。両脇の扉口にはオリジナルの装飾が残っている。小扉口の上にある二つの窓、動物の装飾で縁取られたバラ窓、12世紀末に始まった再建工事中に作られた窓によって完成されている。

西側外観

オリジナルの装飾が残っている両脇の扉口をみます。

アーチ部分の彫刻、心を奪われるやつです。

左(北)側の小扉口には、主に植物と幻想的な生き物たちが絡み合っています。

西側外観:左(北)側の小扉口

中央には、男性の上半身と獣の下半身の生き物。

西側外観:左(北)側の小扉口

右(南)側の小扉口には、主に人物たちや動物たちが描かれています。

西側外観:右(南)側の小扉口

中央には、「獅子を裂くサムソン」(『士師記』14章)が描かれていると思います。

そして、その両側で、強そうな生き物たちが睨みをきかせています。

西側外観:右(南)側の小扉口

強そうな生き物たちが睨みをきかせる先には、男性たちと動物たちが葛藤しているようです。

写本の挿絵のような、滑稽でかわいらしい姿が並びます。

西側外観:右(南)側の小扉口
西側外観:右(南)側の小扉口

6. 外観(南側)

南に行きます。

南側外観

身廊の窓に、魑魅魍魎が跋扈しています。

南側外観:窓装飾

尾をからめてかっこよく。

南側外観:窓装飾

7. 外観(東側)

東に行きます。

現在の内陣から東は、14世紀にフランス・ゴシック様式を模して増築されました。

東側外観

バットレスに、浮き彫りが埋め込まれています。

四福音書記者の象徴のようです。

東側外観
東側外観
東側外観
東側外観

8. 外観(北側)

北に行きます。

鐘楼も12世紀末に始まった再建工事中に作られたもので、トラーニ(Trani)やカゼルタ・ヴェッキア(Caserta Vecchia)と同様に、その基部にはアーチ型の開口部がある。

北東側外観

北壁にも、いい彫刻があります。

植物と動物と人間のコラボレーション。

北側外観

窓装飾も、もちろん、いいです。

二股人魚と幻想的な生き物たち。

北側外観

強そうな象たち。

北側外観

Basilica Concattedrale Santa Maria Maggiore。外観ではファサードと身廊に心を奪われる彫刻があります。内観では柱頭彫刻が素晴らしいです。

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