2024年8月3日(土)、三番目に訪れたのはTrani、Polo Museale Diocesano Traniです。
ここは、トラーニ大聖堂やその他の教会で発掘や解体が行われた際に発見された石や彫刻が展示されています。
Trani では、3か所に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
<1> Chiesa di Ognissanti
<2> Basilica Cattedrale Beata Maria Vergine Assunta
<3> Polo Museale Diocesano Trani
目次
1. Trani へ .
2. 概要 .
3. 柱頭と柱(13世紀) .
4. グリフォンの頭部(12世紀) .
5. 大理石板(11世紀) .
6. 大理石の浅浮き彫り(11世紀) .
7. 柱頭(11世紀) .
1. Trani へ
トラーニ(Trani)は、プーリア州バルレッタ=アンドリア=トラーニ県の県都とされている都市のひとつで、アドリア海に面した港湾都市です。州都バーリ(Bari)の約42km北西にあります。
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博物館は、大聖堂(Basilica Cattedrale Beata Maria Vergine Assunta)の西隣にあります。
2. 概要
リーフレットによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
トラーニ・バルレッタ・ビシェリエ・ナザレ大司教区博物館(Museo dell’Arcidiocesi di Trani-Barletta-Bisceglie-Nazareth)は、大司教ジュゼッペ・カラタの命により、1975年にアッダツィ宮殿(Palazzo Addazi、旧大司教神学校)で開館した。これは、トラーニの大聖堂やその他の教会で発掘や解体が行われた際に発見された石や彫刻を、より適切な形で展示するためであった。長年にわたり、美術館の収蔵品は芸術的にも歴史的にも非常に価値の高い作品や工芸品によって大幅に充実したため、1998年には、トラーニのミュージアム・ポールの要である隣接する17世紀のロディスポート宮殿(Palazzo Lodispoto)の部屋も利用し、コレクションの新しい配置を設けることが適切であると判断された。魅力的なドゥオーモ広場に位置するこの建物は、4層のフロアに教区博物館、S.E.C.A.財団タイプライター博物館、文化エリアを収容している。
ちなみに、夫はタイプライター博物館が面白かったと言っていました。
この後は、展示品の隣に置かれている説明を引用する時に太字で書きます。
3. 柱頭と柱(13世紀)
大理石の柱頭(13世紀)
トラーニ大聖堂(Cattedrale – Trani)
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柱(13世紀)
トラーニ大聖堂(Cattedrale – Trani)
濃い色の柱は「エジプト産の斑岩製」と書いてありました。エジプトから海路を運ばれてきたのかなと想像します。
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4. グリフォンの頭部(12世紀)
グリフォンの頭部(12世紀)
ギリシャ産の大理石で作られたこの二つの遺物は、1970年から1971年にかけて行われた発掘調査の際、かつてのサンタ・マリア・デッラ・スカラ教会(Chiesa di S. Maria della Scala)の場所で発見された。若き日のニコラ・ピサーノ(Nicola Pisano)の作品である可能性が高く、司教の玉座または説教壇の一部であったと考えられている。
サンタ・マリア・デッラ・スカラ(S. Maria della Scala)、トラーニ大聖堂(Cattedrale – Trani)
突出して出来の良い彫刻です。
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5. 大理石板(11世紀)
大理石板(11世紀)
二つのパネルには、左側にグリフォン、右側にライオンが描かれている。その図像様式はビザンチンやイスラムの象牙細工の装飾を思わせ、当時のプーリア彫刻に影響を与えた可能性がある。おそらく内陣の囲いの一部であったと思われる。
出所不明
足がかわいい。
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6. 大理石の浅浮き彫り(11世紀)
大理石の浅浮き彫り(11世紀)
その装飾は1040年に彫刻家アケプトゥス(Acceptus)が制作し、モンテ・サンタンジェロのSantuario di San Michele Arcangelo に置かれていた説教壇の断片に見られる要素を彷彿とさせる。1725年には、この断片はサン・ニコラ・ペッレグリノ地下聖堂(Cripta di San Nicola Pellegrino)の主祭壇の一部として使用された。この祭壇は1955年から1960年の間に取り壊された。
サンタ・マリア・デッラ・スカラ教会(chiesa di S. Maria della Scala)
トラーニ大聖堂(Cattedrale – Trani)
素朴な美しさ。
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7. 柱頭(11世紀)
柱頭(11世紀)
ギリシア産の大理石で作られたこの柱頭は、片面が破損しているが、もう片面には円の中にギリシア十字架が描かれている。
サンタ・マリア・デッラ・スカラ教会(Chiesa di S. Maria della Scala)
トラーニ大聖堂(Cattedrale – Trani)
この形の柱頭が並んでいた時代があったのだと思います。
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Polo Museale Diocesano Trani。トラーニ大聖堂やその他の教会で発掘や解体が行われた際に発見された石や彫刻が展示されています。
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