シポント(Siponto)

2024年8月2日(金)、二番目に訪れたのはSiponto、Abbazia San Leonardo Abate in Lama Volara di Sipontoです。

ここは、プーリア・ロマネスク建築の素晴らしい例で、幹線道路に面した北扉口に豪華な彫刻があります。

2024年、教会は以下の日程で開いていました。
6月〜8月:月曜から土曜は9:00〜19:00、日曜は9:00〜20:00
9月〜5月:月曜から土曜は9:00〜18:00、日曜は9:00〜18:00
ただし、12月25日、12月26日と1月1日は12:00に閉まります。

目次

1. Siponto へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(北側) .
5. 外観(東側) .
6. 外観(西側) .
7. 内観 .

1. Siponto へ

シポント(Siponto)は、プーリア州フォッジャ県にあるかつての港町です。県都フォッジャ(Foggia)の約27km東にあります。

修道院は、数多くの車が時速約120kmでビュンビュンと疾走する、州道ガルガニカ89号線(Strada Statale 89 Garganica)沿いにあります。

北側外観

道路と教会との間に、大きめの駐車場があります。

2. 概要

公式ウェブサイトによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

5世紀末、キリスト教と聖ミカエル信仰が台頭すると、旅の危険にもかかわらず、長い巡礼者の列がモンテ・サンタンジェロ(Monte Sant’Angelo)にやってきて、精神を新たにし、ロンゴバルド時代から南イタリアの人々に特に崇拝されていた守護聖人の足元で祝福と許しを請うた。他国からも巡礼者が訪れ、各地に巡礼者のための施設が数多くできた。モンテ・サンタンジェロや、聖地巡礼に多用されたヴェネツィアのガレー船が必ず寄港したシポント(Siponto)は言うまでもない。

サン・レオナルド修道院は、11世紀末から12世紀初頭にかけて、聖アウグスティヌス会律修司祭ら(Canonici Agostiniani)によって設立されたと考えられている。

この頃、敬虔な教皇インノケンティウス2世(在位:1130年〜1143年)は、多くの南イタリアの聖職者が内縁関係を持っていたことを問題視し、聖職者たちに規範的な生活を導入していました。

ノルマン王政期における修道院の発展により、律修司祭たち(Canonici Regolari di S. Agostino)は、その活動をシポント(Siponto)領外にまで広げることができた。教皇インノケンティウス2世の後を継いだ教皇たちは、律修司祭たちの要請に従って、聖アウグスティヌスの会則の遵守を維持することを条件に、司教権の免除を定めた簡約を繰り返し更新し、同時に、修道院が運営する九つの農場を含む、所有権、寄付、その他の不動産の購入を伴う教会の併合を相次いで承認した。これは黄金時代であった。

13世紀以降、サラセン人の相次ぐ襲撃や、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世とローマ教皇庁の対立に端を発する王国の動乱などが影を落とし、修道院は衰退の一途をたどります。19世紀末には廃墟となっていましたが、修復が行われ、1950年に教会が再び礼拝のために開かれました。

現在の建物は12世紀に遡る古い複合施設で、教会、修道院、病院から構成されている。2014年より、この複合施設全体を完全に利用できるようにするための大規模な修復・改修工事が開始された。

修道院はまもなく再び一般公開され、聖レオナルドと巡礼をテーマにした博物館も併設される予定である。

この後も、公式ウェブサイトを引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

ジャカ・ブック(Jaca Book)PATRIMONIO ARTISTICO ITALIANO『PUGLIA ROMANICA』による平面図です。東が上です。

『PUGLIA ROMANICA』より

4. 外観(北側)

北扉口をみます。

修道院教会は、プーリア・ロマネスク建築の素晴らしい例であり、幹線道路に面した北扉口は非常に重要である。

この教会は、12世紀末(または13世紀初頭)に、その見事な彫刻芸術で豊かにされた。おそらくこの扉口は、その頃に2頭のライオンとともに教会のこちら側にはめ込まれたのであろう。

彫刻が実に豪華です。

北扉口

左(東)側の柱頭には、天使、馬に乗る男性とドラゴンを退治する聖ミカエルが描かれています。

左(東)側の柱頭

聖ミカエルは衣装も立派。

気になるのは、ニンブスです。単純な円だけでなく、半円形が花びらのように並んでいます。

左(東)側の柱頭:聖ミカエル

右(西)側の柱頭には、「東方三博士の礼拝」(『マタイによる福音書』2章)が描かれています。

右(西)側の柱頭

三博士は髪が長くて、冠をかぶっていません。

右(西)側の柱頭
右(西)側の柱頭

ルネッタには、祝福するイエスの両側に天使がいます。ルネッタを囲むアーチには、四福音書記者の象徴、ハープを持つケンタウロス、角笛を吹くケンタウロス、鹿やグリフォンが植物に絡まっています。

北扉口

5. 外観(東側)

東に行きます。

北東側外観

後陣は三つ。

東側外観

主後陣の付け柱のひとつに碑文があります。「GUILLELMUS SACERDOS」と読めます。人の名前のようです。

主後陣:「GUILLELMUS SACERDOS

主後陣は、軒下や窓に豪華な装飾があります。

主後陣

持ち送りは怪物や植物が彫られています。

主後陣の持ち送り

怪物たち、ちょっと愛嬌があります。

主後陣の持ち送り

6. 外観(西側)

通りに面した北側は豪華ですが、西側は簡素です。

北西側外観

7. 内観

教会の中に入ります。

教会内部では、夏至と春分・秋分の二つの日時計穴のおかげで、季節の移り変わりを観察することができる。

身廊にて東を向く

教会内には、聖レオナルドの木製十字架(13世紀)の複製が置かれている。この十字架のオリジナルは、マンフレドニア大聖堂(Cattedrale di Manfredonia)に保管されている。

身廊にて東を向く

Abbazia San Leonardo Abate in Lama Volara di Siponto。プーリア・ロマネスク建築の素晴らしい例で、幹線道路に面した北扉口に豪華な彫刻があります。

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