サン=ヴィヴィアン=ド=メドック(Saint-Vivien-de-Médoc)

2024年4月26日(金)、二番目に訪れたのはSaint-Vivien-de-Médoc、Église Saint-Vivien de Saint-Vivien-du-Médoc です。

ここは、後陣が素晴らしいです。

2024年、教会は月曜から土曜の9:00〜17:00と日曜の9:00〜12:30に開いていました。

目次

1. Saint-Vivien-de-Médoc へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
5. 外観 .

1. Saint-Vivien-de-Médoc へ

サン=ヴィヴィアン=ド=メドック(Saint-Vivien-de-Médoc)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏ジロンド県にある村です。ボルドー(Bordeaux、同地域圏の首府であり同県の県庁所在地)の約75km北西にあります。

教会は活気のある大きな村の中心にあります。

南東側外観

後陣の周囲には商店が立ち並び、多くの人が買い物していました。

2. 概要

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps『Guyenne romane』による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

ロマネスク様式の部分は、現在では後陣部分のみが残っている。そこから、やや意表をつくような現代的ネオ・ロマネスク様式の身廊と、第二次世界大戦後の革新的なデザインを意図したと思われるファサードの塔が延びている。しかし、その美的感覚には疑問が残る。

不安定な基礎の上に建てられたため、この後陣は1880年から1883年の間に完全に解体され、元の位置に戻さなければならなかった。古い写真を見ると、交換が必要な石は風雨にさらされたままになっていたことがわかる。

メドック(Médoc)地方の多くの建造物と同様、またより一般的にボルドー教区北部の建造物と同様、この教会は、その要素や装飾において、サントンジュ(Saintonge)地方の12世紀の芸術と類似している。

サントンジュ(Saintonge)地方は現在のシャラント=マリティーム県のあたり。最大都市はサント(Saintes)で、ロマネスク様式の教会で有名な地域です。私は2024年4月28日から5月3日にかけて巡りましたので、追ってご紹介します。

この後も、ゾディアック(Zodiaque)を引用する時に太字で書きます。

3. 航空写真

Googleマップによる航空写真です。

Googleマップによる航空写真

鐘楼と身廊は新しいです。ロマネスク様式が残っているのは後陣。

4. 内観

教会の中に入りました。

私は身廊が紫色でびっくりしました。

身廊にて東を向く

クワイヤと後陣が美しい。

クワイヤと後陣

パルメットや交差するモチーフは、鳥にくちばしでつつかれる四足獣というよく知られた東洋のモチーフを伴っており、これはサントの聖エウトロピウス教会(Basilique Saint Eutrope de Saintes)の交差部から直接的に着想を得たもので、「魂の計量」の存在によって、その類似性はさらに明白になっている。

これは驚くことではない。この村は、ジロンド川の左岸から細い森に隔てられているだけであり、対岸からタルモン(Talmont)、コズ(Cozes)、テム(Thaims)、レトー(Rétaud)を経由してサント(Saintes)に続く道に面している。

「魂の計量」は、ロマネスク美術にしばしば描かれる場面ですが、聖書には記されていません。古代エジプトに根ざすものと聞いたことがあります。

ロマネスク美術では、大天使ミカエルが死者の魂を天秤で計量する様子が描かれます。羽根より軽い魂が天に導かれます。悪魔は地獄に落とされる魂を増やすため、天秤にずるをします。

勝利アーチ北側の柱頭

大天使ミカエルの端正な姿、悪魔の乱れっぷり、面白いです。

5. 外観

外に出て後陣をみます。

私が行った日には、魚屋の露店がありました。

後陣北側

後陣はベガダン(Bégadan)のそれに似ています。

でも、この教会では、持ち送りと持ち送りの間にメトープ(浮彫石板)があります。また、中段のアーチにも彫刻があります。

後陣南東側

さらに、クワイヤのティンパヌムにも彫刻があります。

特筆すべきは、クワイヤにあるアーチのティンパヌムである。第一に、この位置にティンパヌムがあることはまったく予想外であり、私の見間違いでなければ、他に類を見ないからである。第二に、描かれている場面が興味深いからである。北側では、これらのティンパヌムのうちの一つには何も描かれておらず、もう一つは未完成で判読不能である。

南側では、後陣に近いティンパヌムには、2人の人物に囲まれた長い袖の女性と座っている貴族が描かれている。この場面は、「ソロモン王とシェバの女王の会見」として解釈するのが妥当であろう。

「ソロモン王とシェバの女王の会見」(旧約聖書の『列王記上』10章)は、ソロモン王の知恵と富を象徴する場面です。

「ソロモン王とシェバの女王の会見」

身廊に近いティンパヌムには、中央に踊り子、その両脇に1人はプサルテリー、もう1人はリュートを演奏する2人の音楽家が描かれている。この場面は、隣のティンパヌムの重要な人物たちに提供された見世物と思われる。

踊り子と2人の音楽家

プサルテリーを奏でる音楽家の衣、裾がひらひらして、動きがあります。

Église Saint-Vivien de Saint-Vivien-du-Médoc。後陣が素晴らしいです。

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