2024年4月26日(金)、最初に訪れたのはBégadan、Église Saint-Saturnin です。
ここは、後陣の内観と外観がいいです。
2024年、教会の鍵は役場(mairie)で借りることができました。
目次
1. Bégadan へ .
2. 概要 .
3. 航空写真 .
4. 内観 .
5. 外観 .
1. Bégadan へ
ベガダン(Bégadan)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏ジロンド県にある村です。ボルドー(Bordeaux、同地域圏の首府であり同県の県庁所在地)の約63km北西にあります。
ビスカヤ湾とジロンド川に挟まれたこのあたりは、メドック(Médoc)と呼ばれる地域。有名なワインの産地です。
私は一面のブドウ畑をみながら車を走らせ、美しい後陣が見える村の広場に車を停めました。
私は役場(mairie)で鍵を借りました。
そして、借りた鍵で北扉(上の写真で黒い車の隣)を開けました。
2. 概要
ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps『Guyenne romane』による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
教会は立派なロマネスク建築であったが、前世紀に愚かにも無惨な作品に取って代わられた。
19世紀の改築が残念なものだったようです。
後陣の外装や内装には、サントンジュ(Saintonge)地方から建築的、装飾的に借用したものが多く見られる。しかし、ジロンド河の対岸ではよく見られる菱形、網目状、薄片状の模様は、ボルドー地方の石工の関心を引くものではなかったようだ。
サントンジュ(Saintonge)地方は現在のシャラント=マリティーム県のあたり。最大都市はサント(Saintes)で、ロマネスク様式の教会で有名な地域です。私は2024年4月28日から5月3日にかけて巡りましたので、追ってご紹介します。
この後も、ゾディアック(Zodiaque)を引用する時に太字で書きます。
3. 航空写真
Googleマップによる航空写真です。
北隣の建物が役場(mairie)です。
4. 内観
教会の中に入りました。
身廊は残念ながらロマネスク様式を失っています。
後陣が美しい。
勝利アーチの柱頭には、植物と動物が描かれています。
勝利アーチ北側の動物は、飾りのついた尻尾、大きな目、長い胴体、短い足。不思議な生き物です。
勝利アーチ南側には、植物を吐き出している動物たちがいます。こちらも大きな目。
後陣の柱頭も二つだけご紹介します。
ブドウを食べる鳥たち。
植物。私は、隣の小さい柱頭に描かれている動物の顔が気になってしょうがない。かわいい。
植物の装飾、とても繊細で豊かです。
5. 外観
外に出て後陣をみます。
残存する後陣は、サン・ヴィヴィアン(Saint-Vivien)とよく似ているものの、プロポーションはより重く、装飾は豪華さに欠ける。しかし、彫刻の要素は全体的に正統派である。
上部の柱頭は特に目を引く。葡萄をついばむ鳥、楽園から追い出されるアダムとエバ、伝統的なギルガメシュ叙事詩に登場する二頭の怪物に乗る勝利の図、獅子に乗るサムソン、二人の男性(カストルとポルックス?)などがある。
葡萄をついばむ鳥
繰り返し描かれています。同様の柱頭彫刻が教会の中にもありました。
楽園から追放されるアダムとエバ
天使、髪をわしづかみ。
二頭の怪物に乗る勝利の図
怪物のたてがみがカッコいい。
獅子に乗るサムソン
獅子、首が長い。
二人の男性(カストルとポルックス?)
カストルとポルックスは、全知全能の神ゼウスと人間の間に生まれた双子の兄弟です。なぜここに異教の神話が描かれているのかは、よくわかりません。
描かれている男性たちは、植物を吐き出しているようです。
Église Saint-Saturnin。後陣の内観と外観がいいです。
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