アスティ(Asti)<2>

2023年9月12日(火)、二番目に訪れたのは Asti、聖アナスタシオ地下聖堂(Cripta di Sant’Anastasio)です。

ここは、失われた聖アナスタシオ教会の遺物があります。柱頭彫刻と地下聖堂が素晴らしいです。

2023年6月から9月は、毎日10:00~19:00に開いていました。有料(€5)です。チケットは、オンラインまたは Museo Civico (Palazzo Mazzetti) で購入できます。

Asti では、3か所に行きました。以下のように3回に分けて書いています。
<1> Cattedrale di Asti
<2> Cripta di Sant’Anastasio
<3> Chiesa Collegiata di San Secondo
実は、コンサヴィアの聖ペトロの洗礼堂(Baptistery of San Pietro in Consavia)と呼ばれている円形教会も見学したかったのですが、閉まっていました。ここは、2021年10月4日以降、修復工事のために一般公開されていません。2023年現在、その再開予定は不明です。

目次

1. Cripta di Sant’Anastasio へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 一般図(General map) .
5. Room1:12世紀ロマネスク様式の柱頭たち .
6. Room3:地下聖堂 .

1. Cripta di Sant’Anastasio へ

夫と私は、大聖堂からヴィットリオ・アルフィエリ通り(Corso Vittorio Alfieri)を東に450メートルほど歩いて、 Museo Civico (Palazzo Mazzetti) に来ました。そこで、聖アナスタシオ地下聖堂(Cripta di Sant’Anastasio)に入場するチケットを買いました。

その後、来た道を50メートルくらい戻ります。

Museo Civico (Palazzo Mazzetti)
Corso Vittorio Alfieri にて西を向く

灰色の円柱が2本あるところが地下聖堂の入り口。

地下聖堂の入り口
入場ゲート

入って正面にあるセキュリティシステムに入場券を置くと、バーコードが読み取られて入場ゲートが開きました。

2. 概要

たくさんの案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

11世紀の終わりから12世紀の初めにかけて、この街の宗教建築とそれに関連する装飾装置に新しい段階が始まった。1095年7月1日、教皇ウルバヌス2世は、新しいロマネスク様式の大聖堂を奉献した。12世紀の第一四半期には、聖墳墓教会(サン・ピエトロ・コンサヴィア複合施設のロトンダ)が設立された。

小さな墓地は、ロマネスク教会の後陣のすぐ後ろに広がっているが、その歴史は古い。

ローマ帝国の伝統では、城壁内に死者を埋葬することは忌み嫌われ、かたく禁じられていた。
しかし、4世紀の終わり頃、まさにテオドシウス大帝によってキリスト教が確立された頃、最初の都市墓が出現し、その後、5世紀から6世紀にかけて、大聖堂やその他の教会の周辺に密集するようになった。このような埋葬習慣は、6世紀には一般的なものとなったと言える。キリスト教徒は死後の復活を信仰しており、これが中世を通じて広まっていた迷信と相まって、主の住まいであり、それゆえ至福と他界の救済の確かな源であると考えられていた礼拝所に埋葬が集中することが好まれた。

墓地一帯の発掘調査によって、37の埋葬が確認され、合計で50人の遺体が発見された(2人以上の遺骨を含む埋葬もあった)。放射性炭素分析によると、被葬者は6世紀から9世紀(ロンゴバルド・カロリング時代)のもので、ロマネスク時代の教会(11世紀から12世紀)に先立つものであった。792年の文書に聖アナスタシウスが記されていること、ロマネスク様式の地下聖堂の内部に再利用された建築要素があること(他の建築要素との比較からロンゴバルド期と推定される)などを考慮すると、この場所にはもともと別の教会が建っていたが、後に取り壊され、ロマネスク様式の教会に建て替えられたと考えられる。

この後も、案内掲示等を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

案内掲示に11世紀と12世紀の聖アナスタシオ教会に関する平面図がありました。東が左です。

<11世紀の聖アナスタシオ教会>

案内掲示より

<12世紀の聖アナスタシオ教会>

案内掲示より

濃い色の部分が現在も残っている構造、薄い色の部分が予想されている構造、さらに薄い色の部分が地下聖堂のエリアです。

12世紀に主後陣を東へと拡張したようです。

4. 一般図(General map)

案内掲示に場内の配置を示す一般図(General map)がありました。東が下です。

案内掲示より

これらの中から、Room1とRoom3について書きます。

5. Room1:12世紀ロマネスク様式の柱頭たち

入場すると、まず目にするのが Room1:12世紀ロマネスク様式の柱頭たち。

失われた聖アナスタシオ教会にあったもので、1120年頃の作品と書いてあります。

Room1にて西を向く

動物たちと植物の組み合わせや、

柱頭
柱頭

植物と様式化された模様の組み合わせなど。

柱頭
柱頭

状態は、あまり良くありませんが、質も量もすごいです。

6. Room3:地下聖堂

Room3:地下聖堂に行きます。

Room3:地下聖堂

幻想的な空間です。

Room3:地下聖堂

ひとつひとつの柱頭に、異なる彫刻がほどこされていて、興味深い。

作り手が違ったり、制作時期が違ったりするのかなと思います。

聖アナスタシオ地下聖堂(Cripta di Sant’Anastasio)。失われた聖アナスタシオ教会の遺物があります。柱頭彫刻と地下聖堂が素晴らしいです。

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