オレッジオ(Oleggio)

2023年9月8日(金)、唯一訪れたのは Oleggio。サン・ミケーレ教会(Basilica di San Michele)です。

ここは、地下聖堂に息をのみます。フレスコ画も素晴らしいです。

2023年、教会は墓地と同じ時間(4月から9月は7:30〜18:15、10月から3月は8:00〜17:15)に開いていました。

目次

1. Oleggio へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観 .

1. Oleggio へ

オレッジオ(Oleggio)は、ピエモンテ州にあり、ノヴァラ(Novara)の北約17km、ミラノのマルペンサ空港からは西約8kmに位置します。

サン・ミケーレ教会(Basilica di San Michele)は、町はずれの墓地の中にあります。

西側遠景

2本の大きな木の向こうに、ちらっと見えるのが教会のファサードです。

2. 概要

教会の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

11世紀にロマネスク様式で建てられたこの建物には、ノヴァラ教区で最も重要な中世フレスコ画のひとつが保存されている。

大天使聖ミカエルに捧げられた建物の存在は、982年の文書に明記されている。

1133年の文書に教区教会(pieve)として記載され、17世紀まで教区教会(parrocchia)として使用された。

pieve も parrocchia も、訳すと教区教会になっちゃいます。細かくいうと、pieve は、イタリア中世の時代、洗礼を授ける権限を持ち、農村地域の母なる教会として近隣の洗礼堂を持たない教会や礼拝堂がこれに依存していました。pieve はのちに parrocchia にとってかわられましたが、今でも多くの教会や地域の名前に名残をとどめています。

2001年に行われた考古学的調査によって、基礎部分にある一連の石畳の壁が明るみに出たが、そのうちのいくつかは、1920年から24年にかけて行われた修復工事の際に行われた発掘調査によってすでに知られていたもので、おそらく最初の教会であった。

後陣式身廊と翼廊を持つラテン十字型の建物という仮説が立てられ、後陣と北翼廊部分が現在の教会の南西の角で確認された。北翼廊の隣には強固な四角形の土台があり、これはおそらく後年に建てられた鐘楼の土台である。

ロマネスク様式の建物のファサードに見られる特徴から、二つの教会は不特定多数の期間共存していた可能性がある。

南西側外観

7世紀半ば以降、ロンゴバルドのベルトの先端と櫛の断片が発見されている通り、ここは埋葬地であった。12基の墓が記録されており、その方位は北から南へと変則的である。土の墓、石積みの墓、ローマ時代のレンガを再利用した墓などがある。これらにより、この地域が継続的に墓地として利用されていたことが証明されている。

案内掲示より

今も昔も墓地。

この後は、ゾディアック(Zodiaque) la nuit des temps の『Piémont-Ligurie roman』(以下「Zodiaque」)を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

教会の中にあった案内掲示による平面図です。東が上です。

案内掲示より

赤:11世紀の教会
青:中世初期の教会

4. 外観

ファサードの扉口は、左(北)側に寄っています。ロマネスク様式の教会を建てたとき、それより前に建てられた教会が右(南)側にあったためだと考えられています。

西側外観

バロック時代には、大規模な改修が行われた。側廊には礼拝堂がつくられ、平らな天井が作られた。外部では、窓と扉口が改築され、盲アーチが部分的に破壊され、建物全体に石灰が厚く塗られた。

南東側外観

1897年、フレスコ画が発見された。この発見をきっかけに専門家たちの間でこの建物に対する関心が再び高まり、1920年の抜本的な修復につながった。内部はバロック様式の改築がすべて取り除かれて本来の姿に戻され、外部は窓と扉口が元の形に戻され、外壁の漆喰が取り除かれてロマネスク様式の石組みが復元された。

5. 内観

教会の中に入ります。

身廊にて東を向く

三つの後陣があり、中央の後陣の手前には、高さのある内陣と地下聖堂があります。

ゾディアック(Zodiaque) la nuit des temps の『Piémont-Ligurie roman』による地下聖堂の平面図です。

地下聖堂の平面図(Zodiaque より)

地下聖堂に行きます。

わお。

地下聖堂にて東を向く

柱頭がなく、柱から直接にアーチが伸びて、木々が並んでいるように見えます。まるで石づくりの静かな森。とても美しい。

地上に戻り、後陣のフレスコ画をみます。

三つの後陣のうち、フレスコ画が残っていのは主後陣と南小後陣です。

南小後陣

南小後陣の中央の上の段には、2人の天使に支えられた円形の中にキリストの胸像が描かれています。

南小後陣

向かって左の天使がよく保存されていて、緑色の衣服と赤い翼が美しいです。

南小後陣

下の段の丸みを帯びた部分には、聖人たちが正面を向いて描かれています。

主後陣をみます。

主後陣の中央には、右手で祝福するキリストが描かれています。

主後陣

キリストの両側には天使たちがいてます。向かって左の天使たちがよく保存されていて、槍を持つ大天使が描かれています。

主後陣

大天使、強そう。

西壁(ファサード裏)のフレスコ画をみます。

身廊にて西を向く

ファサードの裏側の壁には「最後の審判」が全体に描かれています。

上の方の中心に大きく描かれているのは、裁き主であるキリストのはずですが、大半が失われています。窓が開けられていたのかもしれません。

西壁のフレスコ画

上の段には、聖母、天使たちと聖人たち。

西壁のフレスコ画

聖母と天使たちの下には、左右に6人ずつ、使徒たちが座っています。

西壁のフレスコ画

使徒たちの下には、ニンブスがないいけれど整然と清やかに描かれているので、教会の偉い人たちや修道士たちが描かれているようです。

その下に、祝福された者たちと呪われた者たちが描かれていたのではないかなと思います。呪われた者たちは失われています。でも、向かって左(キリストからみて右)に、祝福された者が描かれているように思います。

西壁、主後陣、南小後陣、どれも素晴らしいフレスコ画の大作です。制作年代については、Zodiaque は1070年から1120年の間に描かれたという仮説を受け入れています。

ところで、こんな絵画が内陣の南壁にありました。

内陣の南壁

とても、とても気になります。

サン・ミケーレ教会(Basilica di San Michele)。地下聖堂に息をのみます。フレスコ画も素晴らしいです。

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