パヴィア(Pavia)<2023-2>

2023年9月6日(水)、二番目に訪れたのは、サン・テオドーロ教会(Basilica di San Teodoro)です。

ここは、床モザイクと地下聖堂が素晴らしいです。

2023年、教会は月曜から金曜は8:00〜12:30と15:30〜19:00、土曜、日曜と祝日は8:00〜19:00に開いていました。

私は2022年に最初にPaviaを訪れました。2023年については、以下のように3回に分けて書いています。
<2023-1> Chiesa Parrocchiale di San Lanfranco
<2023-2> Basilica di San Teodoro
<2023-3> Castello Visconteo di Pavia – Musei Civici

目次

1. Basilica di San Teodoro へ .
2. 概要 .
3. 外観 .
4. 内観 .

1. Basilica di San Teodoro へ

教会は、ティチーノ(Ticino)川の左岸、パヴィアの中心部の南西側に位置します。

北西側外観

特徴的な鐘楼です。

2. 概要

現地に案内は見当たりませんでした。ジャカ・ブック(Jaca Book)PATRIMONIO ARTISTICO ITALIANO『LOMBARDIA ROMANICA VOL II』による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

現在の教会は、8世紀半ばに遡る聖アグネスに捧げられた最初の教会建物の跡地に建っているというのが通説である。この最初の教会は、742年頃から753年頃にかけて、司教を務めていたテオドーロ(Teodoro)が建設に関わった。司教は、カール大帝の包囲軍を前にロンゴバルドの都市パヴィアを守ったとされる伝説の人物である。

残念ながらこの地域は考古学的調査が行われたことがなく、後期ロンゴバルド期の最初の建物については何も分かっていない。

今日の教会は、12世紀最後の四半世紀に建てられたもので、多くの点で、後期ロマネスク時代(12世紀後半)の一般的なパヴィア教会の見本である。

ジャカ・ブック(Jaca Book)は、12世紀に建てられたパヴィア教会を三つの時期(最初の数十年間、中頃、世紀末)に分けてそれぞれの構造的な特徴を論じます。そして、複数の研究者の説をあげつつも、ここサン・テオドーロ教会(Basilica di San Teodoro)やサン・ランフランコ教区教会(Chiesa Parrocchiale di San Lanfranco)は12世紀後半が最も可能性が高いとしています。

この後も、ジャカ・ブック(Jaca Book)を引用するときは太字で書きます。

3. 外観

後陣は三つ。

北東側外観

西側に行きます。

ファサードには、近隣のロマネスク様式の特徴があります。

独特のロッジア、身廊の壁や屋根よりも大きいファサード。

西側外観

カラフルな陶器の皿が使われていることも、特徴のひとつだと思います。

4. 内観

教会の中に入りました。

身廊にて東を向く

まず注目したいのは、床モザイク。

身廊の床の一部が透明になっていて、古いモザイクが見られます。

床モザイク

「SATRIO」と書いてあります。ギリシャ神話の半人半獣の森の神、サテュロスだと思います。

床モザイク

彼が戦っている相手は、キマイラかもしれません。

使われている色は多くありません。でも、表情が豊か。

他にもいくつかあります。

床モザイク

アシカのような後ろ足。

床モザイク

ぴちぴち。

床モザイク

ギョロ目。

床モザイク

モザイク画は、(中略)後期ロマネスク様式の改築以前の教会に属すると考えられる。

地下聖堂に行きます。

地下聖堂の北側廊にて南東を向く

一部の柱は、基部が床にめりこんでいます。

こちらの柱の基部は、葉っぱが地面に向かって伸びています。もしかして、柱頭として作られたものを逆さにしちゃった?

地下聖堂の柱の基部

柱頭には、かわいらしい彫刻があります。

笑顔。

柱頭

二股人魚たち。

柱頭

キョロちゃん。

柱頭

荘厳な中に、愛嬌があります。

地下聖堂の身廊にて東を向く

サン・テオドーロ教会(Basilica di San Teodoro)。床モザイクと地下聖堂が素晴らしいです。

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