トゥブレ(Tubre)

2023年8月12日(土)、三番目に訪れたのは Tubre、Chiesa di San Giovanniです。

ここは、フレスコ画が素晴らしいです。

2023年には、教会は6月から10月、9:30〜17:00に開いていました。

目次

1. Tubre へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 . 
5. 外観 .

1. Tubre へ

私はミュスタイア(Müstair)から北東に約3km、4分ほど運転して、道沿いの教会に着きました。12:45頃のことです。

西側外観

たった3kmの移動でしたが、国境を越えてイタリアに戻って来ました。ミュスタイア(Müstair)はスイス🇨🇭でしたが、ここトゥブレ(Tubre)はイタリア🇮🇹です。

私は国境を越えるとき、思いがけず、入国管理官に停車させられました。入国管理官は「あなたは何度も国境を通っていますね」と言って、私に車のトランクや持っていた鞄を開けさせて、中をチェックしました。運び屋か何かと思われたのかもしれません。

疑いはすぐに晴れたのですが、私は時間を15分くらい失いました。。。

2. 概要

案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

St.-Johann-Kirche in Taufers / Chiesa di San Giovanni a Tubre

教会の起源は曖昧である。1218年、Schwiker von Reichenberg がエジプトへの十字軍遠征中に、当時彼の城の管轄下にあった聖ヨハネに捧げられた建物をマルタ騎士団に譲渡した。翌年、この騎士団は教会を増築し、ビザンチン様式を反映したロマネスク様式のフレスコ画で装飾した。これらの壁画は、十字架型のクワイヤと身廊の上階にある。また、北側の外壁に描かれた実物大の聖クリストポルスのフレスコ画もこの時代のものである。巡礼者や旅行者のための宿泊施設も同じ時代に建てられた。15世紀には、入り口の上階にゴシック様式のフレスコ画が追加された。

この後も、案内掲示を引用するときは太字で書きます。

3. 平面図

案内掲示に平面図がありました。

案内掲示より

アトリウムを除くと、教会はギリシャ十字のプランです。少し軸が曲がっています。

4. 内観

教会の中に入ります。

クワイヤの絵画は1220年から1230年に描かれたもので、一部は湿気によって破壊されている。

交差部にて東を向く

北壁は多くの壁画が失われました。

北壁

南壁の中程には「イエスの洗礼」(マタイによる福音書3章、マルコによる福音書1章、ルカによる福音書3章)が描かれています。

南側アーチのティンパヌムには、民衆と祭司に律法の板を見せるモーセが描かれている。

南壁

天井には、フレスコ画がしっかり残っています。

クワイヤの天井画

ヴォールトの頂点には、聖母マリア、イエス、洗礼者ヨハネが描かれています。

ヴォールトの頂点

ヴォールトは、斜めの茶色の帯で四つの穹隅(きゅうぐう、pendentive)に分けられています。

四つの穹隅(pendentive)にはそれぞれ、福音書記者の象徴、聖書台、椅子に座った2人の書記が描かれています。書記たちのうち7人は聖人ですが、1人だけニンブスのない人物がいます。

斜めの茶色の帯には聖人たちの半身像が描かれていて、帯の先には身柱像が描かれています。

身柱像

この身柱像、ちょっとセクシーです。

5. 外観

教会の外に出て、北側に行ってみましょう。

北東側外観

北壁にある外階段を上ると、アトリウムの上階です。私が行ったときは施錠されていましたが、ロマネスク様式のフレスコ画があるようです。

北壁

アトリウム上階のロマネスク・フレスコ画
1200年頃に描かれたこれらのフレスコ画は、クワイヤのフレスコ画や外壁に描かれた聖クリストファーの絵と同じ手によるものではない。北側の部分が最もよく保存されている。ダチョウのような鳥、人物たち、双頭の鷲などが描かれている。2人のうちの1人は、モルタルの準備をしている石積み工であろう。

北壁に、聖クリストポルスのフレスコ画があります。

北壁のフレスコ画

チロル地方で最も古い聖クリストポルス像は、クワイヤのフレスコ画と同じ画家によって1220年から30年にかけて描かれた。この聖人の像は、一般的に人通りの多い通りや広場に置かれていた。このことから、教会の脇を通る道は、少し前までは北側を通っており、現在のように南側を通っていなかったことが推測できる。

教会の南北の道

13世紀には、ここに巡礼者や旅行者のための宿泊施設もありましたから、数多くの人が聖クリストポルスのフレスコ画に見送られながら、旅を続けたのだと思います。

Chiesa di San Giovanni。フレスコ画が素晴らしいです。

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