2023年5月4日(木)、三番目の訪問地は San Martín de Hoyos。Iglesia de San Martín です。
ここは、外観では後陣の持ち送りが、内観では礼拝室の柱頭と、水盤が素晴らしいです。
訪問はガイドツアーを予約します。
私は事前に Servicio de guía の facebook(Conoce Valdeolea Cantabria)にメッセージを送って、Valdeolea にある、5か所の教会訪問をお願いしました。
目次
San Martín de Hoyos へ .
概要 .
平面図 . .
東側外観(後陣) .
外観(南扉口) .
内観(礼拝室). .
内観(勝利アーチ) .
内観(水盤)
San Martín de Hoyos へ
ガイドのSoniaと私はラ・ロマ(La Loma)から東に約5km、8分ほど運転して、小さな村の中央にある教会に着きました。11:00頃のことです。
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この教会、村を通る道の真ん中にあるんです。
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面白いです。
概要
Soniaがくれた英語の案内プリントによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
教会は San Martín de Hoyos の集落の中にあり、その隣には小さな中世の城がある。
当初の教会は、身廊と後陣が一つずつだったが、完成後すぐに南北に二つの礼拝室が加えられた。
この後も、案内プリントを引用するときは太字で書きます。
平面図
現地には平面図が見当たりませんでした。Románico Digital による平面図です。東が右です。
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さっそく、見学です。
東側外観(後陣)
後陣の持ち送り装飾が良いです。
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1: 鹿の頭と角。
2: 角を切り落とされた雄牛の頭。
3: 下を向いた獰猛そうな動物。足には爪がある。
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4, 5, 7: カヴェット(四分円の形をしたモールディング)
6: 前を向き、樽を高く掲げている髭の男性。ベルトをしている。
8: 動物の頭。
9: 船の舳先。
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私は、シカが好きです。大きな目がシカの特徴をよく捉えています。
外観(南扉口)
ポルティコと西塔は、ロマネスク期よりも後の時代に増築されました。
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扉口は、南にひとつだけあります。
![](https://emiliaromanica.com/wp-content/uploads/2023/10/IMG_7567-1024x768.jpeg)
アーチは市松模様やねじり模様で、簡素な装飾が良いです。
内観(礼拝室)
教会の中に入ります。
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南北に礼拝室があり、特に南礼拝室の装飾が良いです。
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アーチも美しいですし、そのアーチの下の柱頭も素晴らしいです。
左の柱頭には、2人の騎手が馬の頭を中央に寄せている。
右の柱頭は、中央に髭を生やした顔があり、その周りを渦巻きの列が取り囲んでいる。どちらのアバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)も様々な三角形で装飾されている。
右の柱頭の、髭を生やした顔の存在感、渦巻き装飾の立体感、全体の調和、素晴らしいです。
内観(勝利アーチ)
勝利アーチをみます。
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柱頭彫刻をみます。
左の柱頭彫刻
アバクスには3本の線が交差している。砂岩の柱頭には、それぞれの角に翼を広げた鷲が彫られている。中央には、翼の上に、小さなライオンが描かれている。
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右の柱頭彫刻
アバクスは8の字を描くように交差している。この砂岩の柱頭は、かなり摩滅しているため、すべての動物の姿を見分けるのは難しい。
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アバクスが美しいです。
内観(水盤)
最後に水盤をみます。身廊の北西の端にあります。
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ロマネスク様式の水盤は円錐形で高さ65cm。アーチの下に両手を上げて立つ男が描かれている。彼の左右に三つのアーチがあり、その下に二つの十字架がある。
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この祈りを捧げているような男性、素晴らしいです。
私は、こちらの幾何学模様も好きです。
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力強くて、うっとりします。
Iglesia de San Martín。外観では後陣の持ち送りが、内観では礼拝室の柱頭と水盤が素晴らしいです。
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