ロンツァーノ(Ronzano)

2022年12月3日(土)、二番目の目的地はRonzano。Chiesa di Santa Maria di Ronzanoです。

ここは、後陣のモノフォラ、フレスコ画、十字架が素晴らしいです。動物の浮き彫りも楽しいです。

事前に予約が必要でした。私はGoogleマップに載っていたWebサイト(Valle delle Abbazie)に問い合わせました。返信があり、役場(comune)の担当者に連絡するように、とのことで電話番号を教えてくれました。その番号にWhatsAppで連絡して予約しました(2022年現在)。

目次

Ronzano へ .
概要 .
平面図 .
内観:全体 .
内観:後陣の文字、フレスコ画 .
内観:十字架 .
外観:モノフォラ .
耳よりな情報 .
内観:動物の浮き彫り .

アルファベットは、基本的に全てイタリア語です。

Ronzano へ

私はグアルディア・ヴォマーノ(Guardia Vomano)から南西に約36km、36分ほど運転して、小さな村に着きました。10時半頃のことです。

南西側外観

教会の南扉口が開いていたので入ってみると、予約を受け付けてくれた役場(comune)の担当者のMartinaがいました。

Martinaは「どうぞ自由にご見学ください。その後で、向かいのPunto Informativoにお越しください。お渡ししたいものがあるので。」と言いました。

教会の向かいにあるPunto Informativo

Punto Informativoの奥には、近隣のロマネスクを含む案内掲示がありました。

概要

案内掲示やWebサイト(Valle delle Abbazie)の概要について、私が一部を抜粋して太字で和訳します。

教会はマヴォーネ(Mavone)渓谷の丘の上に孤立して建っている。かつてはベネディクト会の修道院群に属し、この地にも修道院があったが、現在は消失している。

アブルッツォ州において、この教会ほど、数多くの、そして時には矛盾した仮説を呼び起こした建造物はないであろう。その外観のため、そしてなによりも、アブルッツォ・ロマネスクの最古の人物像の記録であるフレスコ画が存在するためである。

正確な建設年代は不明であるが、複数の歴史家が1170年から1180年頃に建設されたと推定している。

後陣には中世のフレスコ画があり、後陣の四分球の底にある文字の解釈によって、その年代が異なる。

この後も、案内掲示やWebサイト(Valle delle Abbazie)を引用するときは太字で書きます。

平面図

案内掲示に平面図がありました。東が上です。

平面図

さっそく、見学です。

内観:全体

三身廊、三後陣。

身廊にて東を向く

すいよせられるように、後陣へ。

内観:後陣の文字、フレスコ画

三後陣には、色彩豊かなフレスコ画が並びます。

交差部にて東を向く

ここ(主後陣の四分球の底)にある文字の解釈が議論の的のようです。

後陣の文字

案内掲示には、こう書いてありました。

M.C.L.XXXI + Dnupetru Sextunq, prepoxitus…. HOC OPUS.
Xが二つか三つか、つまり1171か1181かについては、この議論の目的において、特に意味がないので、ここでは割愛しよう。

壁画をみます。

後陣には、イエスに関連するテーマが並びます。

「ご訪問」「ご生誕」「東方三博士の礼拝」「幼児虐殺」「エジプトへの逃避」、、、「磔刑」など。

後陣
後陣

これに対して、翼廊には、後陣より前の物語が並びます。

「宇宙の創造」「原罪」「アダムとエバの仕事」「聖アンナへの告知」「マリアの結婚」など。

南翼廊

たいへん立派なフレスコ画群です。

内観:十字架

南小後陣の裏に、宝物があります。

赤い矢印で示した開口部から入ります。

南側廊にて東を向く

入ってみると、小さな空間です。

小さな空間

大切に保管されているのは、十字架でした。

十字架

Webサイト(Valle delle Abbazie)によると:

年代は不明だが、つくりや宝石の使い方から、11世紀から13世紀にかけてのものだと考えられる。

地元の伝説によると、修道院に隣接する畑で耕作中に発見された。農機を引く牛が、農夫が鞭打つにもかかわらず、作業の途中でひざまずいたため、農夫が牛の前を掘ることにし、十字架の入った箱を発見した。

こんなのが畑から出てきたら、そりゃあ、びっくりです。

外観:モノフォラ

外に出ました。

北東側外観

北のモノフォラ(monofora、開口部が一つの窓)に簡素で美しい装飾があります。

北のモノフォラ

主後陣のモノフォラには、より凝った装飾があります。

主後陣のモノフォラ

素晴らしいです。

主後陣のモノフォラ

かわいいし。

耳よりな情報

さて、私が教会の中と外を見学し終わってPunto Informativoに行くと、MartinaはCastel Castagnaの歴史に関する本を一冊と、A3サイズの大きなコピーをくれました。

大きなコピーは、近隣の見るべきものの地図です。

A3サイズの大きなコピー

Martinaは言いました。「X印のところは閉まっています。この赤い色で示されたAbbaziaは車で5分の近さですし、隣のBarで鍵を借りられます。また、Propezzanoも閉まっていますが隣のBarで鍵を借りられます。」

耳よりな情報をもらったので、訪問先を追加しました。次回にお伝えします。

内観:動物の浮き彫り

ところで、私は案内掲示をみて、わからないことがありましたので、Martinaにききました。

「この、動物の浮き彫りは、どこにありますか?」

Martinaに案内されて行った先は、こんな、わかりにくいところでした。(赤い矢印で示しました。)

交差部にて東を向く

私が探していたのは、これです。

動物の浮き彫り

いきいきしています。

詳細は、分かりません。でも、こんな場所にちゃっかり使われている擦り減った浮き彫りを見られて、うれしかったです。

実は、前にある家具が邪魔で、少しだけ動かしたかったのですが、私が四苦八苦していると、Martinaは「もう慣れましたから。」と言って簡単そうに家具を動かしてくれました。

そんなMartinaのたったひとつの頼みに、私は応えることができませんでした。日本の硬貨。でも、残念ながら、私は海外旅行中は日本円を持ち歩きません。。。次回、Martinaに会うことができたら、きっと、日本の美しい五円硬貨や五十円硬貨(穴の開いているやつ。海外で人気と聞いたので。)を贈ろうと思っています。

Chiesa di Santa Maria di Ronzano。後陣のモノフォラ、フレスコ画、十字架が素晴らしいです。動物の浮き彫りも楽しいです。

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