アナーニ(Anagni)

2022年11月29日(火)の最後、二番目の目的地は Anagni、Cattedrale di Santa Maria Assunta di Anagni です。

ここは、後陣、ファサード、床モザイク、地下の壁画が素晴らしいです。

内部を見学するには、博物館に入館します。事前予約をお勧めします。ネットでできます。

目次

Anagni へ .
外観:後陣 .
変な配置の大聖堂 .
外観:ファサード .
内観:身廊のモザイク .
フロアプラン .
内観:地下 .
脚注(1) 11月29日に一泊したホテル .
脚注(2) コズマ一族(Cosmati)  .

Anagni へ

私は、テッラチーナ(Terracina)から北に約75km、63分ほど運転して、海抜400m以上の丘の上に広がる中世都市につきました。15時頃のことです。

(大聖堂の外にも中にも、そりゃあもう、たくさん案内板がありました。建築や歴史については、それらを総合的に参考にして書きます。)

アナーニは、ローマの東約60km、ラツィオ州ヴァッレ・ラティーナ地方にあります。 ローマ帝国時代から皇帝の避暑地でしたが、10世紀頃から教皇が好んでこの町に滞在するようになり、13世紀には4人もの教皇をこの町から輩出するなど、全盛期を迎えました。また、数々の歴史的出来事の舞台になった地でもあります。

私は、有料駐車場に車を停め、ホテル(1) にチェックインしました。ホテルに荷物を運び入れると、急な坂と曲がりくねった小道を歩いて、大聖堂へ向かいました。

外観:後陣

着きました。

Cattedrale di Santa Maria Assunta di Anagni、大聖堂です。

後陣と鐘楼が美しい。

Cattedrale di Santa Maria Assunta di Anagni(西側外観)

ローマ神殿の上に建てられた教会は、カロリング朝時代に新しい教会に取って代わられ、さらに、1072年から1104年にかけて、全体の改修が行われました。

大聖堂の外観は、ロマネスク様式です。

変な配置の大聖堂

上の写真は、マッジョーレ通り(Via Maggiore)から撮影したもの。

Googleマップの航空写真

後陣が北西にあります。また、鐘楼は大聖堂から独立しています。

通常は祭壇は東にあって、東を向いて祈りを捧げますから、、、逆向きです。

外観:ファサード

私が大好きになったファサードです。この大聖堂で最高の場所(個人の感想です)。

ファサード

何が良いって、ローマ時代の様々なモニュメントやカロリング朝時代の教会から再利用した様々な大理石が埋め込まれていること。

ファサード
ファサード
ファサード

この2人組なんて、もう、たまりません。

かわいい。

ファサードの右隣にある建物が、博物館です。

大聖堂の中を見学するには、ここから入ります。有料、€9でした(2022年現在)。

見学ルートは基本的に撮影可ですが、地下は撮影禁止です。

内観:身廊のモザイク

1250年に行われた修復の結果、アーチが置き換えられ、内観はロマネスク様式とゴシック様式が混在する形になりました。

身廊にて祭壇を向く

美しい床モザイクのために、透明な椅子が使われています。

身廊の床モザイク

1224年から1227年の間に作られた床は、コズマ一族(Cosmati) によるもの(2)。コズマ(Cosma)と、その2人の息子ルカ(Luca)とヤコポ(Jacopo)の作品で、1231年に完成した地下聖堂の床も、同じ作者によるもの。

ルカとヤコポのモザイクの代表作のひとつです。

身廊にてファサードを向く

アルベルト司教の命により、教皇ホノリウス3世(1216-1227)付きの司祭ライナルド・ディ・アナーニ(Rainaldo di Anagni)から資金援助を受けて作られました。

フロアプラン

博物館のウェブサイトにあったフロアプランのスクリーンショットです。北西が上です。

左(Piano Terra)が地上階、右(Sotterranei)が地下です。

内観:地下

地下に行くには、フロアプランの 7. の近くの、側廊にある階段をおります。地下には驚嘆するような壁画がいっぱいです。

8. 廊下(Ambulacro
9. 聖トマス・ベケット小礼拝室(Oratorio di San Thomas Becket
10. 聖マーニョ地下聖堂(Cripta di San Magno

地下は撮影禁止です。上の、イタリア語のリンクをクリックすると博物館のウェブサイトによる詳細がご覧いただけます。

すっごい!ですよね。びっくり。

Cattedrale di Santa Maria Assunta di Anagni 。後陣、ファサード、床モザイク、地下の壁画が素晴らしいです。

脚注(1) 11月29日に一泊したホテル. ↩️

Booking.comで予約したホテル。シャワーとトイレ、寝室という間取りで、駐車場はついていませんでした。近所の有料駐車場を利用したところ、翌朝までの料金が€2.55でした。

寝室

1泊朝食付きで、総額€ 45。歴史地区の中心にある宿だったので、目的地まで歩いて行けて便利でした。

(2) コズマ一族(Cosmati).↩️

手元の小学館の伊和辞典によると、Cosmati: コズマ一族(12-14世紀、主として大理石装飾技術、モザイク技術に長じ、ローマを中心に活躍した)とあります。

つまり、コズマーティってかなり限定的なんです。

調べてみると、コズマ一族(Cosmati) は、主に4世代が活躍していました。

第1世代
テバルドの子、ロレンツォ(Lorenzo di Tebaldo)

第2世代
ロレンツォの子、ヤコポ(Jacopo di Lorenzo)

第3世代
ヤコポの子、コズマ(Cosma di Jacopo di Lorenzo)

第4世代
コズマの子、ルカ(Luca di Cosma)
コズマの子、ヤコポ(Jacopo di Cosma)

(ちなみに、ロレンツォ(Lorenzo di Tebaldo)の父テバルド(Tebaldo)も大理石職人でしたが、活躍したとは見なされていないようです。)

コズマ一族(Cosmati) の名前の由来はコズマ(Cosma)です。

「ローマの大理石職人たちが、しばしば誤ってCosmatiと総称される」と、Luca Creti 博士が2002年の短い論文『I «COSMATI» A ROMA E NEL LAZIO』で言っています。

同論文には、いくつかの一族の家系図が載っています。例えば:
famiglia di Paolo
famiglia di Rainerius
famiglia di Lorenzo(コズマ一族のことです)
famiglia dei Vassalletto
famiglia di Pietro Mellini

コズマ一族(Cosmati)ではない大理石職人がいっぱいいて、その職人たちもモザイク装飾を引き受け、同じような色大理石を使った幾何学模様の優れたモザイクを数多く残しています。

実は、彼らの作品は誤ってCosmatiと総称されるだけでなく、「コズマふうの(cosmatesco)」という形容詞で紹介されることも多くて、まぎらわしいのです。

私のブログでは、コズマ一族(Cosmati)の作品とはっきりわかるときだけ、コズマーティ(Cosmati)の言葉を使います。

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