2022年8月15日(月)、最初に訪れたのは Brageac。Église Saint-Thibaudです。
ここは、山の中の小さい教会です。色の違う切り石を組み合わせて素朴に彩られている上に、味わい深い彫刻がいっぱいです。
今日からはカンタル(Cantal)県を巡ります。
昨日までいたピュイ=ド=ドーム(Puy-de-Dôme)県は、都のクレルモン=フェランはミシュランの本社がある企業城下町でもあるし、ドーム型火山であるピュイ・ド・ドームは行楽地として人気があるし、、、経済的にも潤っていて開放的でした。
Cantal は、違います。カンタル連山に由来するのは名前だけじゃないです。気候も山岳気候だし、気質も山の民という印象で、みなさん真面目で知らない人に対しては口数少なめ。隣なのに、こうも違うものかなと思いました。
そんな Cantal だからこそ、超絶にユニークな造形が真面目な職人芸で残されているように思います。ロマネスク好きには、たまらない場所です。
Brageac へ
夫と私は宿から西に70分ほど車を運転して、山の中の静かな村に着きました。13時頃のことです。
上↑の写真にある緑の門の鍵は、開けてありました。遠くから見た時に、てっきり施錠してあると思って絶望しかけていたので、開いていると知って大よろこび。
なお、緑の門のところに「教会を訪問する方はこの番号におかけください」と電話番号が書いてあります。もし施錠してあっても絶望しなくて良さそうです。
外観をみます。
Église Saint-Thibaud の外観
ファサードです。西扉口の鍵も、開けてありました。
北側から、
東側にまわります。
柱頭と柱のベースの彫刻が、うっとりするような作品です。
北小後陣の窓
主後陣の北側と北小後陣
主後陣の北窓の柱頭彫刻
主後陣
主後陣の東窓の柱頭彫刻
主後陣と南小後陣
主後陣の南窓の柱頭彫刻
なにこれ〜?!と心の中で大騒ぎしながら、見入りました。
Église Saint-Thibaud の概要
教会の外に案内掲示がありました。一部を抜粋して太字で和訳します。
教会は、モーリアックのロマネスク建築の中でも最も純粋で保存状態の良いものの一つである。700年頃、カトリックに改宗したサクソン人の貴族、聖ティルがここにやってきて隠者として定住したと言われている。評判が高く、需要があったため、彼は修道会を建てる必要を感じた。修道会は12世紀に大修道院に改築された。塔と教会は19世紀に修復された。建物に施された彫刻の数は120である。
確かに、隠れ住むのに打ってつけの静かな村です。
フロアプラン
教会の外の案内掲示にフロアプランがありました。東が上です。
教会の中に入ります。
Église Saint-Thibaud の内観
教会の中の、全体の様子。
色の違う石を組み合わせてあり、素朴なのにすごく美しいです。
柱のベースにも、多様な彫刻が施されています。まるで宝さがし。
柱頭彫刻も、ものすごく味わい深いです。
鹿たち。神々しい。
鷲たち。ふくらんだ腹部が魅力的。
二頭の動物と人。
なんだろう?この人。
鳥たち
植物を吐く顔たち。
夢に出てきそう。
Église Saint-Thibaud。山の中の教会は、色の違う切り石を組み合わせて素朴に彩られている上に、味わい深い彫刻がいっぱいです。
・
・
・
・